まずは、息の流れを意識すること、そして、その息の流れを意識しながら、ブレスをします。息をうまく吐き出せば、自然と息は入ってゆきます。この意味で、息をきちんと吐き、それに伴う、ブレスのコントロールがまず一番大切。
息の流れを意識して、うまく息を吐き出すことにより、無意識の内に横隔膜をコントロールして、息の出し方を自由にコントロールすることが可能になる。以前は、横隔膜のコントロールを意識していたが、2003年10月現在の方法では、横隔膜を動かすということを意識しないで、ブレスのコントロールが出来る方法が提示されている。これが発声法の一番の始り。だから、ボイストレーニングでは、30分〜1時間をこれに使用する。この間、声はほとんど出さない。声帯を使わないということ。声帯を使わないで、ブレスがきちんとコントロールされるかどうかを訓練する。この間、“シー”と言う声帯に一番負担がかからない、息だけで息を出すよりも声帯に負担が楽になる、声らしきものを出すだけ。この、“シー”と言う音を出しながら、練習を始めましょう。
- 息の流れを意識すること(おなかから息を出し、声帯を通り、のどの奥から、息を曲げて、前へ、前方の遠くへ息を出す)
- この意識した息の流れに沿って、息を出し、自分の意志でこの息の流れをコントロールをする
- 自分の意識通りに、この意識された息の流れに、声を乗せる(母音、いえあおう、あえいおう、うおあえい、...子音も音程を持った音です)
- 横隔膜を意識して、これを動かすのではなく、上に述べたような息の流れに沿って息を出す練習の内に、横隔膜の動きのコントロールが自然と出来る方法をとる(息や声を出している間に、横隔膜をコントルールすることを意識しないで出来るので、非常に重要なやり方だと思う。詳細を下記に記す予定。)
- レガートで歌うことを中心にする。だから、英語の歌のようなアクセントをつけるのはあまり良いとは言えない。
- スケールの練習、オクターブ位までをレガートで、階段を意識する場合としない場合がある。
- スタッカートは細かいスタッカートまで練習する。
- 跳躍、オクターブ、オクターブ+3度位まで練習する
- ピアノ、フォルテ、クレッシェンド、デクレッシェンド、強い声、弱い声、などなどを練習する。
声は、このコントロールされた息の上に乗って出される。声の出し方は、横隔膜でコントロールされた息を、喉、軟口蓋で響かせて、口の中で音を曲げて、前方に、遠くを目指して声を出す。[これがすべてですが、細かく記述すると次のようになります。]
まず、横隔膜を下げ、深く息を吸う。その息を、横隔膜の動きをコントロールして、「強く、中ぐらいで、弱く、長く、短く強く、レガートに、...」など自由自在に、息を出す練習が全て。途中で決して息の流れが止らないように、スムーズに、同じ調子で息を出すこと。
声はこのコントロールされた息の上に乗せるだけ。声の出し方では、母音の発声法と、子音の発声法がある。また、特にイタリア語では、単語や単語間の流れが途切れないように、連続して、あくまでもレガートに発声すること。英語のような発音は少ないし、相当に異なる。母音は英語のようなあいまい母音はない。「イ、エ、ア、オ、ウ」だけである。明るい発声と、暗い発声はあるが、それは歌により変わる。
アクセントのある部分は、英語のように極端に強くなるのではない。多少強く発音するが、同時に少し音符の長さより「長く」発声する。
“r”は巻舌で発音するが、母音の間に入る“r”は巻かないこと。[巻かないのではなく、軽く巻く。ほとんど聞き取れないだけ。]
子音の発声は、子音自体が音程を持つことは当然であるが、その子音を長く延ばしたり、子音-子音と繋がっている場合、その間に決して変な母音を入れないこと。舌の位置、口の形を変えて子音に相当する音を発声するが、その時に母音が入ることを極力排除するように。