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「かみぼこ」と「わさびいろマーカー」

日本初の加工食品と言われる蒲鉾の付箋化構想は、かなり前から存在していました。
しかしまず第一の商品化へのハードルは、付箋の枚数でした。豆腐一丁・絹ごしの320枚でさえ、重ねてカットするのが大変なのに、蒲鉾の長手方向はその倍以上、かつ半円形に打ち抜かなければなりません。

そんな訳で小さなスケッチを描いただけでほぼあきらめて放置状態だったのですが、2年ほど前にジオのスタッフが長さを半分以下にしたモックアップを作り、それなら出来るかも?ということで、プロジェクトが動き出しました。

第二のハードルは、付箋を蒲鉾板にどうやって接着するか?でした。全体は板についたまま、一枚ずつ剥がしていける絶妙の粘着力はもちろん、それをどのように簡単な工程で実現するか。過去の数々の没プロジェクトで培ったネットワークも総動員しての粘着剤探しの結果、一度剥がすと再接着しない、ネバネバしない特殊製法が実現しました。

フィルム包装も簡単ではありません。ドーム型の形状をうまく包むためのアイデアは、実際に広げてみると、なるほど。まさに、ジオスタッフの執念で商品化に漕ぎつけたのが「かみぼこ」です。

「かみぼこ」ではネーミングやコピーライティング、パッケージグラフィックを担当。木彫っぽい文字や飾り模様で蒲鉾っぽさを演出していますが、この絵柄は実は東京オリンピックのエンブレム公募の時の提出しなかった没案の流用で、元々江戸切り子をイメージして作ったものです。

一方で「わさびいろマーカー」シリーズは、一度商品化寸前まで行ったものの、お客様へのヒアリングでより高い完成度を求められた結果、生産背景も含めて全て見直してリスタートしたものです。

「豆腐一丁」から始まる高い完成度のgeodes!gn商品の歴史によって、新商品に対するお客様の期待度もハイレベルに。筆記具の生産には金型が必要なため、なかなかリーズナブルな価格帯での少量生産は難しい中、ようやく自他共に納得できるレベルに達し、商品化することになりました。

アイデアは良くても、与えられた制約とコストの中で、商品にしていくことの難しさを、改めて教えてくれたのが、「かみぼこ」と「わさびいろマーカー」です。

特長

「かみぼこ」
・本物の蒲鉾板に載った半月型の付箋紙(約450枚)
・紅白二種 いずれも¥680(税別)

「わさびいろマーカー」シリーズ
・チューブ入りスパイス型の蛍光マーカー
・「わさび」(グリーン)、「しょうが」(イエロー)、「ねり梅」(ピンク)の3種類
・紙箱入り 各¥450(税別)




WORKS

「かみぼこ」
・プロデュース:geodesign
・企画/設計/商品化/生産企画/製造/広報:株式会社ジオ
・基本構想/ネーミング/パッケージグラフィック/コピーライティング:井澤 正
・販売:株式会社ジオ(2018年発売)

「わさびいろマーカー」シリーズ
・プロデュース:geodesign
・商品化/商品デザイン/生産企画/製造/広報:株式会社ジオ
・企画/ネーミング/基本デザイン/コピーライティング:井澤 正
・販売:株式会社ジオ(2018年発売)

→ geodesignのかみぼこウェブサイトへ
→ geodesignのわさびいろマーカーウェブサイトへ
→ geodesign公式オンラインショップへ


2019年、姉妹品「和からしいろ」「プル—ハワイいろ」「コチュジャンいろ」マーカーと「えごまシート」が仲間入りしました。
「コチュジャンいろマーカー」と「えごまシート」を組み合わせると、暗記用ペンとしても使用することができます。