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10バンドおやじの気ままにカスタム

文:10バンドおやじ


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【番外編2】 【11】 【12】 【13】 【14】 【15】 【16】 【感想】


第一章
こんにちわ 10バンドおやじです。

「中古spec2再生計画」が一段落し、少しの間呆けていましたが、ある日北海道在住の友人「けんちゃん」よりメールが届きました。
内容は、「僕のマシンを使っていいから、いろいろ改造して、それを記事にしてくれると嬉しいな。」と言うものでした。

マシンを提供してくれる、と言う事は何か要望(下心?)があるのではないかと思い、訊いてみると、
「4セル、電飾は外さないで。それ以外は好きにやって。」
でした。
さらに「今度は写真付きでお願い。」
ウーム、何て欲張りな。
そして私の答えは「マシン送って。」

数日後、インプレッサまるごと1台とフォレスターのボディが我家に届きました。
ほとんど新品。これに穴開けちゃっていいのかしらん?

さあて、けんちゃんの物笑いにならないよう頑張っていきます。


第二章
バンパーを作る

インプレッサやエボ7を持っている人の中には、「ボディはえらく良い出来のくせしてあのバンパーがちょっと....。」と思っている人がいるのではないでしょうか?

実は、私も持っているんです。インプレッサ。
でも、spec1・spec2用の標準バンパーは立ち上がりの部分がボディの「アゴ」に干渉してイマイチしっくりきません。

そこで自作となります。どうせやるならピッタリ形状で作りたいですね。
早速自宅のPCを起こしてCADで製図します。
CADを使う理由は、NCを動かすのに必要だからなのですが、最初は方眼紙の上にボディを乗せて形をなぞる事から始めます。
取り付け部の形状はオリジナルそのままを入力していきます。

私の場合、2mm厚のポリカーボネートを使ってNCで段彫りしましたが、1mm厚を使用して部分積層でも作れます。
NCが無かった頃は、材料に図面を貼り付けて必死のヤスリがけでした。
手で持てないような小さいパーツを作る時などはバイスに挟んでやると楽に作業できます。

積層の場合はアクリル用接着剤を使います。「アクリサンデー」という商品名です。
一応ポリカーボネートも接着できる事になっています。
接着剤はDo Itショップ、ポリカーボネートはラジコンショップにありました。

ずるい私は全部NCで彫っていますが、取り付け穴はΦ2.1のドリル刃をピンバイスにくわえて開けます。
タミヤから出ているピンバイスはチャックが交換出来るようになっており、Φ3までくわえられるのでとても便利です。

最後に取り付け穴のサラ加工です。
以前私はドリル刃を使っていましたが、サラネジの角度は45°なので30°のドリル刃ではサラ面同士が当らず、最悪ガタガタになってしまいます。
今では、45°カッターを使っています。これもDo Itショップで購入しました。

さて、以上で完成です。
どうですか?スッキリしたでしょう。
あとはクラッシュテストですが、今回はオーナーに叱られるのでやりません。悪しからず。

 

 


第三章
ボディマウントを作る

前回製作しましたバンパーですが、アニマルガードを取り外すと、うまい具合にフォレスターにもフィットする事が分かりました。

そこで、バンパーにフォレスターの「あご」を乗せてみると、とても良い感じです。
シャシーとボディとの隙間もそれこそヨンサンと同じ位です。
これならヨンサンと同じマウント方法で、ボディを載せる事が出来そうです。

シャシーとボディ内側の隙間は、約2mm。
しかし、ピッタリ寸法で作ってしまうと外れ易くなってしまうのです。
ボディは少し開き気味でシャシーに当っているほうが当然ですが外れにくいのです。
例によって会社のNCを使い、ボディマウントを作りました。

5mm厚からの削り出しで、ボディが左右で各々0.5mmずつ開いて固定するように寸法取りしました。形状はヨンサンハードボディから寸法取りしました。
材質はABS樹脂です。これは、フォレスターのボディと同じ材質です。
今回は、作例という事でABSを使いましたが、タミヤのプラ板を適宜積層で作れます。

ボディマウントが出来たところで、次はボディの内側加工に移ります。
大抵塗装が内側に回りこんでいるので、ボディマウントを接着する部分の塗装をデザインナイフ、又はペーパーで落とします。

次にボディの開き具合を確認し、開き難い時は内側を少し削ってやります。
これをやらないと、折角ボディマウントを作ってもシャシーにはめられないボディが出来上がってしまいます。
ですが、やり過ぎは禁物で、削り過ぎると今度は外れ易くなってしまいますので、加減しながらの加工となります。私はSPEC1のR34のフィット感を参考にしました。
フォレスターのボディはかなり丈夫な出来なので、削り甲斐があります。私の場合はリューターを使って作業しました。便利な道具があると作業もはかどります。

いよいよボディマウントを接着します。接着剤はセメダインのABS用を使いました。
粘度が高く、パーツを貼り合せた後でも短時間なら若干の位置ズラシができるので、パーツが動くうちにシャシーをはめ、位置決めを行います。
これで良し、となったら後は触らず、乾くのを待ちます。

最後はアンテナを通す穴を開けて出来上がり!
今回は、ヨンサンハードボディと同じ取り付け方法でチャレンジしましたが、寸法が合わない場合は、クリアボディと同じ粘着剤付きのマジックテープを使用する方法もありますので、ボディに合う方法で皆さんもチャレンジしてください。



ヘッドライトを灯す

今回は、インプレッサにヘッドライトを入れます。
今まででしたらΦ3LEDをそのままに、ボディに犠牲になってもらいデメキン状態となるところですが、インプレッサはあまりに出来が良いので、けんちゃんのリクエスト通り外側2灯にスッキリとLEDを入れてみようと思います。

先ずはライトの部分の穴開けからです。
外側のライト真ん中を狙ってピンバイスで穴を通し、ライト外形に合わせてヤスリで仕上げます。
概ねΦ2.5でした。しかし、これではΦ3のLEDは取り付ける事が出来ません。

そこで、LEDを削ってΦ2.4まで直径を落とします。
長さもそのままではデメキンになってしまうので約1mm程詰めて、レンズ形状に仕上げます。
ちなみに、LEDの写真を解説しますと、手前が改造品、中央が広角タイプ、奥がピンポイントです。
形状が適当か判断するため、点灯させて具合を確認しながら形状を決めます。
これで良し、となったら、後はひたすらレンズ部分をアクリサンデーの研磨剤で磨き倒します。

この次は、先程開けたライトの穴にLEDを差し込んで、LEDが正面を向くようにボディ裏側を少しずつ削っていきます。
RCは普通は見下ろす形での操縦になるので、上向きにLEDを取り付けると光軸と目線が合って明るく感じるのですが、今回はなるべく正面を向くようにしました。
リアル指向と言うヤツです。
LEDを取り付ける前に、LEDが付く周辺を黒塗料で遮光します。

LEDの固定にはエポキシ接着剤を使用しました。5分タイプで短期勝負です。
一度目は仮止め程度にほんの少し接着剤をLEDに塗布し、位置決めしながら固まるのを待ちます。
二度目はLEDとボディの隙間を埋めるように接着剤を付けます。

接着剤が固まったら、配線に移ります。
インプレッサはフロントオーバーハングに余裕が無いので、LEDのリードはあまり残せません。
今回、私はLEDのカソードを内側に向け、定電流ダイオードをライトの内側で配線処理しました。
アノード側はコードで処理しています。
また、今までは2灯を並列につないで1本の定電流ダイオードで配線していましたが、LEDの消費電流に個体差が結構ある事が分かりましたので、1灯に1個5.6mA
の定電流ダイオードを入れました。こうする事で左右の輝度の差が出難くなります。
後はコードを基板の+−につなげてスイッチON!

デメキンLEDよりすごくカッコイイですが、正面しか照らしません。指向性が強いようです。
広角に照らしたい場合は、レンズ形状をもっと丸くする必要がありそうです。
でも、そうするとデメキンになってしまうし.....。
ま、出来ちゃったから、これでいいか。



重心を下げる

インプレッサをマジで走らせると、急な巻き込みに悩まされる事ってありませんか?
タイヤチョイスやサスセッティングでいくらかカバーできますし、あさばあさんのように、コーナーに合わせて少しずつ操舵できれば、どんなマシンでも不安定挙動が起き難いのでしょうが、他のハードボディに較べて少し神経質ではないかと思っていました。

ホイールベースが短い事も原因の一つではありますが、私が一番気に入らない点、それは「重心が高い」事なのです。
ヨンサン純正ハードボディの中でもピカ一の低さであるR34を並べてみると、その差は歴然。
当然重量もインプレッサより軽く、会社の計量器で量ってみると13.8gでした。
対してインプレッサは17gあります。

そこで、軽量化も兼ねてトップヘビーの根源であるルーフとグラスエリアを内側から削ってみる事にしました。
どうしてボディ全周やらないのか?と言いますと、

1、ボディが外れ易くなる。
2、ボディが持っている固有バランス(味とでも言いますか)が崩れる。
3、壊れ易くなる。

とまあ、このような理由からなのです。
ひたすら削って6gだか7gまで軽量化したという話を聞いた事がありますが、これはもうクリアボディの域ですね。
今回、最終的には4セルシャーシに載せて走らせる訳ですから、あまり華奢なボディにはしたくありません。

前置きはこの位にして、作業に取り掛かる事にします。
まず最初にどこを削って、どこを残すか予め決め、鉛筆でマーキングをします。
強度確保の為なのですが、要するに本物のラリーカーに入っているロールバーをイメージすれば間違いないと思います。
あとはひたすらウスウス攻撃です。

さて、今回の作業に無くてはならない道具、そうリューターです。
デザインナイフでも出来ますが、へたをすると流血騒ぎとなりますし、何より楽。
(などと言っている私はリューターで指を掘った事があるので、安全性に関しては.....)
削る手順ですが、私の場合1cm角程度の面積を削り、表の色が透けてきた所で次に移る、といった事を繰り返します。
残したい箇所は当然ですが、削りません。但し、「他より厚い」程度でも充分効果があります。

概ね削り終えたら、次は紙ヤスリで仕上げます。やはりでこぼこより気持ち良いです。
根気良くやっていると、どんどん表面の色が透けてきますので、程ほどで止めます。
インプレッサ「コンバーチブル」や「オープントップ」になってしまうと只事では済まされないでしょうから。
この時点でグラスエリアは、爪で押すとペカペカへこみます。(危なかった.....)

こんなもんかな?という所で体重測定をしたところ、15.2gでした。既に取り付けてある電飾とコードが0.6gですから実際は14.6g。
さすがにR34には及びませんでした。

さあ、早速テスト走行。結果は......まあ、気分の問題........と言う事で。
ヒマと根性のある方は、目標5g!!目指して頑張ってください。
 

 


異型ヘッドライトに挑戦(その1)

インプレッサの時は、LED本体を削ってボディに取り付ける作業を行いましたが、けんちゃんから預かっているもう一つのボディ、フォレスターにもヘッドライトを付けてみたいと思いました。
こちらは角目。単純にLEDを取り付けたのではイメージが違いすぎます。

そこで、LEDの前にライトレンズを付けて、角目のイメージが出るか試してみる事にしました。
まず最初に3mm厚の透明アクリル板をアバウトでレンズ状に削り、LEDをすぐ後ろに配置して発光させてみました。
いい加減な形状ですが、そこそこ全体的に光ってくれる事が分かりました。
レンズは凸形状です。(当たり前ですよね)

これで大体のイメージが出来上がりましたので、ボディのライト部分を四角く削る事にします。
フォレスターのボディは肉厚がハンパじゃなく厚いので、ライト回りを内側から削り込んでやります。

次は本番用のライトレンズをテストの時と同じ3mm厚アクリル板で作ります。
糸ノコで大体の大きさに切り出し、ヤスリで形を整えます。
ボディにしっくり合う形状になったら、今度は裏側をレンズ状に削ります。
削りながらLEDにかざして光り具合を確認します。
形状が決まったら、アクリサンデーの研磨剤でひたすら磨くのですが、今回は作ったパーツが持てない程小さいので、木片にスポンジ両面テープを貼り付け、その上にパーツを押し付けて作業しました。
綿棒に研磨剤を少量付けて磨いてやると結構端までツヤツヤになります。

さあ、後はレンズをボディに接着して、LEDを取り付けるブラケットを作って.........
と思っていたのですが....?



異型ヘッドライトに挑戦(その2)

ここまで来て問題を二つ抱えています。

一つ目は、電飾を入れるためにボディを相当削り込んだ事が原因で下半分が軽くなっており、相対的にトップヘビーになってしまった事。

二つ目は、致命的な事にΦ3LEDをライトレンズの後ろに取り付けるとステアリング関係と干渉してしまうのです。
フルステア、フルバンプの時にタイロッドを通過して上に出たナックルのピンが当ってしまうのです。

そこで、先ずはLEDを上下に薄くなるよう削る事にしました。
とは言え、先端の球形部分まで削ってしまうと集光に問題が出るので、干渉する部分を主に削りました。
また、ユニット全長を少しでも短縮できればと思い、ライトレンズも少し薄くし、形状を集光し易いように変更しました。

次は、配線してしまうと不可能となってしまうボディの軽量化です。
今回もインプレッサの時と同様、当初グラスエリアとルーフに的を絞って削りました。
ところが、ノッペリしたボディサイドのためか削り込むに従って、明らかにボディが開き易くなっていくのが感じられたので、側面を削るのは途中で止めました。

そこでボンネット、リアオーバーハング部と、少しずつ削る範囲を広げて作業する事にしました。
これ以上はヤバイかな?と思ったところでとりあえず計量器で体重測定です。
16.9g。インプレッサのノーマル状態とほぼ同じところまで、それも殆どボンネットから上の軽量化で達成できました。
マッサラ状態で25g!電飾を入れるために削った時点でもまだ22gありましたので、トップヘビー軽減もさる事ながら、随分と軽くなりました。(やり過ぎたかも?)

これでやっとLEDをボディに接着できる状態となりました。
例によって、エポキシ接着剤で仮止めした状態で配線。
ガッチリ固定する前に通電してみました。そう、LEDの取り付け角度に不安があったからなのですが...。
かなりの下向きに取り付けられたLEDは案の定、フロントのすぐ前方下を照らしています。
写真からは分かり難いのですが、正面から見るとライトレンズ全体が綺麗に光りません。
また、取り付け角が当初予定した位置からかなりずれているので、左右のアンバランスが顕著に出てしまいました。

とりあえず撮影し、最近お気に入りの鈴木重子を聞きながらしばしボディ裏側を眺めた後.....
LEDを剥ぎ取りました。 

「ボツ!!」



番外編
ミニッツのモーター

フォレスターの電飾にてこずってしまい、なかなか解決策が見出せず悶々とする日々が続いています。
ここは一つ何か気晴らし(?)でもしようかな、と思いつつミニッツを眺めていました。

ふとミニッツのモーターがどんなものか知りたくなり、単体で回してみました。
皆さんもうご存知の秋月アイテムを使っての測定です。
4.8V定電圧による無負荷状態での回転数と電流値を測定しました。

ほぼ新品状態のFC-130(この時点では多分)モーターは回転ムラがとてもひどく、なかなか安定してくれませんでした。
当初14500rpm位で回っていたものがどんどん下がっていき、13000rpmあたりで安定し始めました。
この時の電流値は300mAでした。

「ふーん、割りと大人しいな。」と言った印象です。私の手許にあるモーターは外れなのでしょうか?
ヨンサンはたーつぁんと情報交換していたので、概ね把握できていますが、こちらに関しては新参者なので未だ明確に掴めていません。
何せサンプル数 ”1” ですから。

ここへ来て、線径とターン数が知りたくなり、いきなり分解し始めてしまいました。
巻線もほどいてしまい、翌日会社のマイクロメーター(とりあえず1/1000mmが測れます)で線径を測ってみると、Φ0.22でした。
ターン数は巻線をほどいた時に数えておきましたので、この時点で分かっている事は、このモーターは ”FC-130 ?A 2270” となります。
Aの前に付けた「?」ですが、マブチモーターは同じ型番でもマグネットの強弱があり、ノーマルの等方性(R)と、強力型の異方性(S)の二種類があるのです。
指でシャフトを回転させた時に感じるコッキングから、等方性ではないか、と思いました。
現時点ではノーマルは ”FC-130RA 2270” と言う事にしておきます。

そこで気になるのが、Xスピードモーターです。
行って来ました、秋葉原。スーラジ、チャンプ、洛西、フタバとハシゴして見つけました。
欲しい時はどこも在庫切れなんですね。

さて慣らしを省略し、いきなり4.8Vでブン回してみると、16500rpm、500mA!!
突入電流がまた凄いです。3.2A以上いきます。
コッキングも明らかにノーマルより強いので、これは異方性のマグネットに違いないと感じました。

ここで、疑問。 通常同じローターを使用した場合、異方性は等方性に較べて回転数が低いのです。
つまりは電気をたくさん食わせてブン回していると考えられます。
で、結局こちらも分解してしまいました。
見るからにノーマルより太い巻線です。
マイクロメーターで測ってみると、Φ0.26でした。ターン数は50。
Xスピードは ”FC-130SA 2650” という事になります。

ブラシは双方とも同じものでした。
進角は付いていません。コアとコミュの位置関係がピンによって結合される構造で、双方とも同じ部品です。
それにしてもブラシの当たりが良くないです。この位置関係ですと、少し使い込んでブラシが適当に減った時のほうが、当たる位置が良くなると思いました。

とりあえず、ノーマルを元通りに復元しようと思いましたが、ここでムラムラっと来てしまいました。
掟破りの....。方法論はヨンサンの時と全く同じですが、ターン数は同じにしました。
一応基本は崩さずブラシの当たり面調整と進角を少し付けてみました。

結果は、15500rpm、350mAと、それ程食わずに引っ張れるモーターになったようです。
ノーマルとXスピードのほぼ中間位でしょうか?って、こんな事やって気晴らしになっているのでしょうかねえ?

(ところでお願いですが、私は今のところサーキット走行に出かける環境に無いので、どなたかモニターしてくださる方いませんか? 
回転方向はCCW(ノーマルと同じ)です。)



異型ヘッドライトに挑戦(その3)

とても充実した息抜き(?)が一段落し、改めてフォレスターのヘッドライトに向き直りました。

さて、通常の方法ではLEDを装着する事が困難と分かっていますので、「ライトユニットの小型化」をテーマとして再考してみました。

現状で考えられる「小型化」と言えば、チップLEDを使用するしか手がありません。
しかし、チップLEDは広角タイプ(と言いますか、裏まで光が透けてしまいます)なので普通の形状のものより当初から暗いですし、予定している光軸方向のみに光を集中させる必要があります。

今度はLEDの前にレンズを作りました。
一度LEDをt1.0のABS板材で囲み、その囲みにアクリル板を接着してレンズ形状に仕上げました。
こんな面倒な事をする理由ですが、接着剤でアクリル板が曇らないようにする事と、ライトユニットを少しでも大きくしてボディに対しての位置関係を当初予定したところに取り付けたいと考えたのです。
チップLED、とにかく小さいです。タテ、ヨコが2mmx3mm!厚さ1.3mmです。

まあ、何とか形にして、既に取り付けてあるボディ側のライトレンズとの位置関係を確認してみると、ライトユニットを1mm程度位置調整する事で、概ねレンズの正面に取り付ける事が出来そうです。
例によって仮組みの後通電してみると、思った程には光が集中してない(暗い)印象です。
それと、ユニットが奥まっているので、光軸を外すと途端に暗く見えます。

このあたりがチップの明るさと、私の技術的限界でしょうか?
光の透過を避けるためにライトユニットを黒で塗装し、ボディに再度取り付け直しました。
けんちゃん、こんな所で許してください。

実は一緒にテールライトもやっつけてしまおうと思っていたのですが、テールはストップランプ仕様にしたいので、電源電圧をどうするか試したい事もあり、先に4セル&ターボを製作した後で決めたいと思います。



「前回掲載のミニッツのモーター文中に誤りがありました。
モーターの回転数が測定器読み取りミスにより、実際の半分の数値となっておりました。
訂正いたしますと共に関係各位にご迷惑をおかけしました事をお詫び申し上げます。」


ターボを作る

今回からはシャーシ編となります。
その第1弾は、モータードライバの変更です。

私達はブースターとは呼ばずにターボと呼んでいますが、単に呼びやすいので誰とも無くそう呼ぶようになりました。(最初にターボと呼んだのは誰でしたっけ?たーつぁん。)
詳しい話は「たーつぁんの部屋」に飛んでいただくとして、てっとり早い話が電気的なロスを減らしてモーターの性能を可能な限り引き上げようというデバイスです。

さて、私は大の配線嫌いなので、自作基板にモータードライバICとコンデンサをハンダ付けします。
写真でも分かるように大変小さいので、たった1枚の基板では製作時間がもったいないので、面付けをして複数枚を一度に作ってしまいます。
(でも、すぐに改良版を思い付いてしまうので、大抵使わず終いですが。)

このモータードライバはよく出来ており、外付け部品が0.01μのコンデンサ3個というシンプルさです。
今回は4セル用新型基板にチップコンデンサを使います。
第2回ヨンサンGPの頃は積層セラを使用していましたので、あの頃から比べるととても小型化されています。

それから、今回は4セルとなりますので、メイン基板とモータードライバの制御回路は電圧を若干下げる必要がありますので、そちらには一度ショットキーダイオードを通過させてやります。
普通のダイオードを入れると概ね0.6Vの電圧降下となりますが、それではヨンサンの場合落としすぎるようなので、電圧降下の少ないショットキーを使用しました。
(でも、ダブルチャージは保証外です。)

製作と言っても、基板に部品を4個乗せるだけですので、作業時間は20分。
まあ、基板を作るほうが余程時間がかかります。基板製作工程はと言うと.....

NECのHPからデータをもらう/CADで回路パターンを作る/フィルムに出力する/感光基板にパターンを焼く/現像する/エッチングする/基板をカットする/銅箔面を磨く/フラックスを塗布する と、これだけの工程がかかります。

やはり道具が揃っている事、CADが扱える事、(ちまちまが好きな事)が前提となります。
1.27mmピッチの間に0.3mmのパターンを通すのは、手書きでは無理でしょうね。
道具が無い方は、悪戦苦闘するより10バンドおやじに声をかけてしまった方が早いかな?

今回は、たーつぁん流に積層ツインターボ仕様にしてみました。
このツインターボ仕様ですが、既に深谷hollyさんでは、みやだわさんがテストドライバーを務め、仲間の方より大ヒンシュク(ご愁傷様です)を買ったそうです。

出来上がったターボ基板はメイン基板のクリスタルソケット上面に薄い両面テープを使って貼り付けます。
この後、メイン基板からターボ基板に信号を送るためのコードをつなぐのですが、ここが今回の作業中一番難易度が高いと思います。
自分でトライされる方は、ハンダブリッジに注意してください。

さて、よく見ると基板にソケットが付いています。これは電飾用にと思い、3.6V系から引き出す時に使おうと思って取り付けました。
これが使えると後々楽なのですが、どうなる事やら。

とりあえず以上でターボ基板は完成ですが、今回はもう少しお付き合いください。
知って得するマル秘情報(どこが?)です。(ご存知の方は次回をお楽しみに!)

私が普段使っているハンダこてですが、先の細いIC用30W型に温度調節器を付けています。
細かいハンダ付け作業をする場合、普通のこて先を使うとハンダブリッジになり易いので、失敗しないためにも是非使ってみてください。
それと温調ですが、スーパーラジコンなど一部のホビーショップでも見た事がありますので、割りと入手し易いと思います。(秋月にもKITがありますよ)
こちらも試す価値ありだと思います。ハンダ付け作業が楽しくなります。(いけない、写真撮るの忘れた....ツマミが付いた、ただの黒い箱です...)

次はハンダ。ハンダ付けする用途によってΦ0.3、Φ0.5、Φ0.8の3種類を使い分けています。
Y部長はいつもΦ0.8ですが、腕が未熟な私は道具で補います。
今回の作業ではΦ0.3を使っています。細いので狙いを定めるのが容易にできます。

最後はコードです。線の太さもさる事ながら、色分けも重要です。
例えば、組んでしまったら見えなくなる場所にコードを付ける時、色分けしてメモっておくと、後でどの色がどこに行っているか分解せずに済みます。
私は秋葉原にコードを買いに行く時は必ず10色買います。
電気の世界では世界標準のカラーコードがあるので、覚えておくと何かと便利です。

0:黒 1:茶 2:赤 3:橙 4:黄 5:緑 6:青 7:紫 8:灰 9:白

抵抗に入っているカラーコードもこれの組み合わせで表示しています。
今回の作業で私は茶と赤を使いました。ch1とch2を間違えない為です。


4セルを作る (その1)

皆さんもご存知のように、充電式バッテリーは条件が合わないと足の引っ張り合いになり、最悪プラス、マイナスの転極という事態になってしまう事があります。

今回は、けんちゃんのマシンに搭載されている3.6V/120mAニッケル水素バッテリーをベースに4セルを組む予定ですので、このバッテリーと相性が良いと思われるものを探す事にします。

先ずは、けんちゃんのマシンを分解する事からスタートです。
前回の作業で基板を取り外してありますので、そこから先の作業をします。

私の場合、基板を取り外したら先ず最初にFサスから分解します。
ロワーアームを取り、スペーサー、ナックル、スプリングをシャフトから抜いていきます。
次いでメインシャーシ上下を固定しているネジを一度緩め、Rサス車高調整ネジを抜ける寸前まで緩めます。
メインシャーシ固定ネジを全て取ったらシャーシ上下を押さえたまま、車高調整ネジを外してメインシャーシアッパーをそっと引き上げて上下を分離、ステア系と電気系を降ろします。
モーターの取り外しは最初でも最後でも良いです。(私は最初に降ろしてしまいます)

おや?Rサススプリングが純正では無いものが付いています。
それにRアームにスポンジらしきものが貼り付けてありますね。
けんちゃんもいろいろ試しているようです。

さて、分解したら部品を無くさないよう、適当な入れ物に入れます。
(部品入れとして使用した透明のブリスターには最初何が入っていたでしょう?)

さて、この次は、けんちゃんのマシンから降ろしたバッテリーの電圧を測定しました。
3.6Vでした。1セル当り1.2Vでしたので、これはカラ状態と判断しました。
そこで充電となりますが、ヨンサン純正の0.8A充電はちょっと抵抗があるので、手持ちの充電器を使って1Cで充電を行いました。
使用したのはKOのBX202という古い充電器ですが、これがなかなかの優れもので、50mAから充電できるのです。現在出ているものは0.3A以上が主流ですね。

親電源は、秋月で売っていた原ヘルスのバブルスター用(笑)の電源です。
これは12V10A表示ですが、開放15Vというイカサマ スイッチング電源です。
(KOに限らず今時の充電器はDCコンバータが入っているので問題ありません)
1Cですから120mAでの充電です。

興味の的は、チャージにどの位時間がかかるか?です。
本来なら儼までチャージしてしまうのですが、その少し手前の4.6Vで強制終了としました。
所要時間は55分。一般的に見るとかなり早い終了ですが、ヨンサン用の電池は概ねこのような傾向ですので、問題ナシと判断しました。
(小容量のバッテリーをフルチャージしようと思ったら、0.1Cで14〜15時間充電でしょうか)
けんちゃんはこのマシンを殆ど走らせて無いと思いました。
ヨンサンのバッテリーは例の充電方法でかなり辛い思いをしていますので、電圧上昇が早く来るようです。私のマシンに搭載しているバッテリーは空状態で3.8V程度と、かなり疲れています。

充電したバッテリーは一晩置いて、翌日放電しました。
(メーカーデータを参照すると充電したてで放電、というのはやらないようです。普通充電直後は温まっていますしね)
放電には秋月の放電器KITを使いました。
見ていただければ分かると思いますが、改造してあります。
放電電流を可変にしてあり、100mA〜1.2Aの範囲で放電できます。
今回の電流値は120mAです。放電も1Cで行いました。
終止電圧は3Vです。1セル当り1Vになるまで放電します。
さて、何分持ったでしょうか?
答えは28分。
過去に同じ条件で新品、使い古しを充放電した経験によると、これは良い部類となります。
新品でも20分持たなかったバッテリーもありました。
果たして、私の手持ちの中からこのような好成績のバッテリーに見合うものが見つかるでしょうか?

とりあえず、新品、中古合わせて5本。
この中から一番近い充放電特性のものを使用する事にしますが、なにせ充電に約1時間、一晩置いて翌日約30分放電のインターバルですので、二日で2〜3本しかテストできません。
充放電の最中は時計と睨めっこですので、これからの作業を考えると次週はパスになってしまう可能性大です。


ミニッツのモーター(続)

ひろ吉さんの快諾を得て、改造ノーマルモーターを送ったものの、何故か釈然としない気持ちが消えません。
何となく漠然とですが、データが足りない.....。
「あのモーターはハズレのような気がする。」(ひろ吉さん宛のメモにもそう書きました)

そこで、ジョーダンからモーターを外し、測定してみると
「ええっ?ウソ!」
30600rpm/350mAでした。
これが本当のノーマルなのでしょうか?

又しても分解です。
何を確認したかったのか?と言いますと、FA-130モーターのエンドベルをミニッツ用FC-130のエンドベルにスイッチしたかったのです。
FA-130と言えば、町の模型やさんで¥140で売っている、「あれ」です。
FC-130との違いは、エンドベルの軸受けがプラがメタルか、とリードブラシかカーボンブラシか、だけだろうと思っていたので、これを機に試してみる事にしたのです。
(コミュ側のワッシャ形状、枚数など、細部に違いがあります)

案の定、FA-130のローターを使い回して、FA-130のケースにFC-130のエンドベルを組んだ時と、FC-130のケース、エンドベルに組み込んだ時の測定値がほぼ同じ(31400〜31800rpm/280mA
300mA)でした。FAとFCノーマルは、同じローター、同じマグネットだったようです。
測定値から判断するに、こちらの方が正解ではないかと思います。

とすると、ひろ吉さんに送ったモーターはやはりハズレでしょうか?
進角を付けて、やっとノーマル並ですか? ガッカリ。

さらに、前回予想したXスピードの異方性マグネット付きケースにノーマルのローターを組んだら?
をやってみました。
22700rpm/260mA でした。やはり強いマグネットに対してローターの磁力が足りないようです。

で、何気に先日分解したXスピードの巻線をもう一度測定して唖然としました。
測り間違えていました。Φ0.275あります。これはΦ0.26では無く、Φ0.28と呼ぶにふさわしいサイズです。

これは考え方を変えないと、テストドライバーを引き受けてくれたひろ吉さんに申し訳ないと思いました。
ハズレモーターがベースでは、ひろ吉さんにとってメリットは無いからです。
それに、ノーマルとXスピードの差があまりにも開き過ぎのようにも思われます。
少し気合を入れてもう一つ作ってみる事にします。

気分転換のつもりが、どんどん深みにはまって行くような.....?
けんちゃん、ごめん。
(今回は座学なので、画像はありません。悪しからず。)


4セルを作る (その2)

いきなりですが、前言撤回です。
この2週間ヨンサン純正のGP製ニッケル水素バッテリーと格闘していました。
とにかくデータを貯め込んでいました。
たまたま刄sークが出るまで充電したバッテリーがものすごい回復を見せたので、これは全てやるしかないと思い、けんちゃんバッテリーを含む6本を3セット充放電しました。
充放電を繰り返し行う事で、かなり回復する事は周知の事実ですが、実際にやってみるといろいろな事が分かって来ます。

1回目55分充電で28分放電だった「けんちゃんバッテリー」ですが、3回目、4回目と儼(厳密には0.01V降下時点でOFFとする−儼スタイルです)での充放電を行った結果をグラフにしました。
充電時間は大差ないですが、3V終止までの放電時間が大幅に向上し、40分オーバーと10分以上持ちが良くなりました。
3回目と4回目の「差」については、目を見張る向上とはなりませんでしたので、このあたりが目安でしょうか。

さらに、他のバッテリーの3回目の充放電データを「けんちゃんバッテリー」の3回目のデータに乗せてみました。赤のグラフがけんちゃんのです。
これで4セルが作れるの?と一瞬悩みましたが、極端に外れているサンプル二つを除外すると、まあそこそこかな?と。
選定基準は、充電時間が近い事、放電カーブが近い事となります。
結局、候補2本はいずれも新品です。

実作業的には、これで4セル製作工程に進むところですが、実は未だやりたい事がありますので、じれったいでしょうがもう少し付き合ってください。



4セルを作る (その3)

前回までは1Cでの充放電を行ってバッテリーの具合を確かめました。
しかし、実際は例の充電方法となりますので、今回は7C充電、2C放電でのテストを行いました。
より実践的なデータを取ります。
充電器はヨンサン純正のものに秋月のスイッチングアダプターをつなぎます。
さすがに「けんちゃんバッテリー」を使うのは忍びないので、私のマシンから降ろしたバッテリーを使いました。

テスト内容は
1. 5回連続で7C充電/2C放電を繰り返す
2. ダブルチャージを行った時のシングルとの違いを確認する

ヨンサンスクエアに集まる人たちが良く言っていたのは、「充電3回目位が一番パワーが出るみたい」と言うもので、実際にそうなるのかが注目です。

さて、5回連続で充放電した時のデータをグラフにしました。
一見順調に放電時間が伸びているように見えますが、実は時間が伸びたのは4回目までで、5回目は3回目より短くなりました。
これは全てのバッテリーに当てはまるとは思いませんが、確かに3回目から4回目が一番おいしいようです。
ただ、いずれにしても3回目以降は2C放電で7分を切る事はありませんでした。
これは、3Vまで放電した後の復帰が良くなっているようです。

充電 1回目:3.78V〜5.21V    放電 1回目:4.13Vスタート 6m18s
    2回目:3.81V〜5.26V        2回目:4.18Vスタート 6m46s
    3回目:3.84V〜5.23V   3回目:4.19Vスタート 7m37s
    4回目:3.83V〜5.23V        4回目:4.19Vスタート 7m48s
    5回目:3.81V〜5.24V        5回目:4.20Vスタート 7m22s
クリックしてください
さあ、次はいよいよダブルチャージをやります。
グラフに赤、青2本の線があるのにお気づきでしょうか?
これは、ダブルチャージの1回目と2回目の間隔を1分と5分とで測定したものです。
青が1分間隔、赤が5分です。

青:1回目スタート時3.79Vより2m28s充電にて5.14Vまで上昇
   2回目スタート時4.19Vより2m15s充電にて5.20Vまで上昇
   放電スタート時4.20Vより11m55s放電にて終止

赤:1回目スタート3.78Vより2m28s充電にて5.15Vまで上昇
   2回目スタート時4.11Vより2m21s充電にて5.23Vまで上昇
   放電スタート時4.20Vより12m14s放電にて終止

私の期待は続けて充電した時と間隔を開けて充電した時の「差」に注目していたのですが、期待はハズレてしまい、大差無い結果となりました。
時間にして20秒弱と、これは充電の時の状況(充電器のタイムアップ誤差や温度など)でのバラツキの範囲内程度と考えて差し支え無いと思います。
ただ、インターバル1分ですと、まだバッテリーが温かいので、そこからの追充電で2回目のタイムアップ時には持てる範囲ですが、熱い!です。

温度も測れば良かったかな?と後になって思いましたが、プローブをバッテリーに密着させる必要がある等、温度測定はとても難しいので、今回は止めました。
ダブルチャージの測定をしてみて思った事ですが、充電2回目の1分経過後は電圧上昇が止まってしまいますが、電流はちゃんと流しています(780mA程度に落ちます)ので、後は熱として逃がすしか無い訳で、1分半を過ぎたあたりから温度がどんどん上昇していきます。
ですから一般的には1.5チャージまでかな?と。
充電インターバルも、ある程度取ったほうがバッテリーには優しいと思います。

それから、インターバル無しでダブルチャージをやると充電器のパワートランジスタが相当熱くなります。タイムアップ直後に触るとヤケドします。(パワーTrはケースの中ですので普通触る事は出来ませんが)
ダブルチャージのテストの時に気付いたもので、慌ててカバーを取りました。
純正の充電器は密閉されておりダブルチャージをやるとケースまで温かくなる程ですので、中は熱気がこもっているようでした。
CR(コンデンサと抵抗)で時間を作っているので、温度変化で充電時間が変わってし
まうのでしょうか?(コンデンサは周囲温度で静電容量が変わりますから)

さて、ここまで来てふと思った事があります。
ダメバッテリーを充放電したらどんなグラフになるのか?
これを知っていれば、どう言った傾向になったらダメ出しできるか判断材料になります。
そこでデータを取りました。
充電開始で一気に電圧が上昇してしまい頭打ちになります。2分経過後電圧が下がりますが、これは熱ロスで、持っていられなくなります。
放電はもう説明する必要無いですね。あっと言う間に終了でした。

今までの実験で、バッテリーって相当なバラツキのある事が分かりましたので、「けんちゃんバッテリーをベースにして」、はとりあえず止めて、手持ちの中から一番相性の良さそうなペアを見つける事としました。
条件は、「充放電のグラフの重なり具合が一番近いペア」です。
手持ちの新車からもバッテリーを抜いてしまい、全部で9本テストしました。
結果は、けんちゃんバッテリーの使用は見送る事として、手持ちの新品(と言ってもテストしちゃいましたが)バッテリーを使う事にしました。
でも、セルを1本1本測定したわけではないので、本当にペアが取れているかは甚だ疑問ですが・・・・・。
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4セルを作る (その4)

やっと、と言いますか今回は4セル製作です。
前回選別したバッテリーの1本をそのまま、もう1本を分解します。
くれぐれもタブをショートさせないよう注意しながら作業を進めていきます。

先ずは4セルに組む時にタブ同士をショートさせないよう、ベースとなるバッテリーの+側タブを90°起こします。
こうする事で、追加するセルとのショートを最小限避ける事ができます。

次にもう片方のバッテリーを分解します。
写真のような感じで、切り離すセルになるべく長くタブを付けて切るようにします。
これをやらないとタブ同士でハンダ付けするのが難しくなります。
とりあえず、一番使い易いセルを切り離しましたが、ついでに2本つながっている側もフィルムを切って折り曲げ、1本ずつ電圧を測定してみました。
いやー良く揃っていました。使うセルが1.279V、その他が1.280Vでした。
ベースバッテリーの電圧は3.84Vでしたので、こちらの平均も1.28V。
先ずは安心しました。

さて、バラセル状態になったセルのタブを、ベースの−側タブに重ねて一緒に折り曲げます。
写真のように、折り曲げてから予備ハンダをするのが今までで一番失敗が少なかったようです。

次いで切り離した側のタブに予備ハンダをしますが、毎度これが難問なんです。
何故なら普通に予備ハンダをしようにも、タブにハンダが乗らないのです。
配線用に出ている方のタブには難なくハンダが付くのにとても不思議です。
ぼやいていても仕方がないのでハンダが乗るよう細工をします。

1.タブの表面をリューターを軽く当てて荒らす。
2.ステンレス用フラックスをタブに付ける。
3.ハンダこてを通常の使用より温度を上げて一気にハンダを付ける。

とまあ、こんな感じです。
ステンレス用フラックス(又はスポット溶接機!!)をお持ちでない方は今回の作業を見合わせたほうが良いです。ホントにハンダが付かないです。
ハンダが乗り難いタブには今回表裏両方に予備ハンダをしました。簡単にはがれてしまうのを防止するためです。
それから、フラックスはそのままにしないで、良く拭き取っておきます。
ステンレスが付くフラックスですから、何か良からぬ作用が時間の経過で起こるやも知れません。

さあ、いよいよ合体!
タブ同士を重ねて位置ズレを起こさないように指で押さえ、タブの上からこてを当てます。
予備ハンダが溶けてタブ同士が密着する一瞬セルが動きますので、ここで曲がったりズレたりしないように注意します。
あとはこてを離して冷えるのを待ちます。
ハンダ付けが終了したところで電圧を測定したところ、5.12Vで予定通りでした。

これで電気的には4セルの完成ですが、ハンダ付けしたタブが衝撃を受けた時に外れる事がないよう固定したいので、熱収縮チューブを使用しました。
手持ちの単2セル用チューブをバッテリーの長さ+4mmにカットして被せ、ドライヤーの熱風をかけます。
先に両端部分に熱風を当てて収縮させておき、後で中央部にドライヤーをかけます。
このようにしないと全体で収縮してしまい、カドが丸見えになってしまいます。

最後にシャーシのバッテリーボックスを加工します。
熱収縮チューブを被せた事が原因で、タブがバッテリーボックス内に収まらなくなってしまったからです。
そこで、バッテリーボックスの側面を削ってタブが顔を出すようにします。
また、今回は念には念をとつないだタブのハンダがかなりぼってりと出っ張ってしまい、前後方向にもキツイ状態でしたので、出っ張ったタブの形状に合わせてバッテリーボックス前側に穴を開けてよけました。

感じを見るために、バッテリーボックスに収まった4セルをシャーシ下側に乗せてみました。
シャーシアッパーを被せるとタブと干渉する事は以前4セルを作った時に経験していますので、タブの折り曲げはなるべくバッテリーボックスから大きく飛び出さないようにします。(と言っても、配線の時にコードが当るのですが。)
とりあえずキッチリと収まっているので、ガタつかなくて良い感じに仕上がったとこの時は思ったのですが、又しても落とし穴がありました.....。


Tバーを作る

4セルが出来上がりました。
遂にシャーシを組み立てる準備が整いました。
と言う所で、4セルをバッテリーボックスに収めてシャーシ上下を合わせて愕然!
リアサス用のスプリングが入るスペースを失ってしまいました。
原因は4セルに被せた熱収縮チューブです。

ノーマルでもあまりスペースの余裕がなかったところに一回り大きくなったバッテリーを入れたためのトラブルでした。
写真では見難いかと思いますが、グリーンのリアサス用スプリングがポストの途中で止まっているのが解るでしょうか?
これ以上無理矢理差し込んでもバッテリーと干渉していますので、本来の作動は望めません。
そして考えた挙句「もうTバーしかない・・・」という事になりました。


以前製作したTバーはt0.5FRP、t0.8FRP、t0.8カーボンの3種類をいろいろな形状で試しています。
初代ヨンサンスクエアではt0.8FRPを、アーム長を長めに設定していました。
基本はアンダーです。
高速コーナーでの安定走行を基本セットにしていましたので、Fサススプリングもハードの赤でした。
ただ、このセットはあまり一般的ではないと思っていました。
確かにしなやかにロールはしますが、かなり固めです。
やはり、F用スプリングはノーマルを基本に考えるべきだと思います。

そこで、全体にロールはするが、ピッチングは抑える方向で進める事にしました。
今までの経験をベースに(要するにカンで)アーム長を決めました。
使用する板材はt0.5FRPです。
0.5厚は1プライですので、思い切り「しなり」ます。
そこで、ミニッツ同様三角プレートを入れてピッチングをチェックします。

実はこの方法、昨年の夏ヨンサンを始め、リアサスを自作のTバーに変更した時に思い付いて試作した事があるのですが、後で友人にミニッツを見せてもらってびっくり!「同じじゃん!」
まあ、行き着く先は大体似たようなものになるんですねえ。
写真をご覧いただければ構成が分かると思いますが、アーム・スペーサー・三角プレート・ギアボックス用スペーサーの4枚構成です。


ピボットは会社のNCで作りました。2017ジュラ製です。
シャーシ側のピボットを止めるネジは秋葉原のネジ屋にあったSUS304のM2サラとナベを長さを詰めて使用しています。

ギアボックス側のネジは適当な長さのタッピングがなくて困っていたのですが、何とミニッツのネジが丁度良い事に気付きましたので、部品取りをしてしまいました。
今、私のミニッツは前のボディマウントが付いていません。
そのうちミニッツのネジセットを購入するとしましょう。

さてアーム長ですが、ノーマルではリアサス”0”ポジションでも後輪がホイールアーチの後ろにずれていました。
そこで、折角作るのですからなるべくセンターに来るよう寸法を取ったのですが、これがまた失敗。
ノーマルの”0”よりさらに1mm短いので、ピッチングした時にシャーシと干渉してしまいストロークが極端に少なくなってしまいました。
前のストロークが大体1.2mm程度なのに対して後ろ0.8mmで、これではボトムしてオツリが返って来ると思われますので止むを得ず0.5mm伸ばして作り直す事にしました。


もっと早く気付けば良かったのですが、カッコ優先で盲目になってしまいました。
写真は「カッコ良いー」と思った時に撮ったものですので、ダメアームが付いています。
全体写真は最終回でアップします。


ここで白状しますが、3セルでのシェイクダウンテストはちゃんとヨンサンのコースで済ませてあります。
実は、選抜戦に参加した時にちゃっかりテストしました。
(ここぞ、とばかりに他にもいろいろ試しました)
こちらの方をレースに使いたかった程のバランスでしたので、あとはパワーアップ分と重量増加分に対処(アーム幅を広げる)する事で使えると思います。
こんな事やっているからレースではろくな結果を残せないんですね。

Tバーにしてしまうと簡単にはホイールベースを変更する事が出来なくなってしまいますし、その上”フォレスター”があるのです。
インプレッサ用とフォレスター用にアームを2枚作り分ける事にしました。
ま、しょうがないですねえ。
って、まだけんちゃんの同意はいただいていません。事後承諾と言う事で.....。



シャーシを組み立てる

遂にここまで漕ぎ着けました。
一時はどうなるか不安でしたが、後の作業はいつも通りなので短時間で事は済みます。
リアサスをTバーとした事で、組み立てはいたって簡単です。
何せリアサスアームは最後に取り付ければ良いのですから。
では、順を追って作業を説明します。

1.電気部品のコードを取り替えます
  これは、ストックのコードが細い(芯線の本数が少ない)ので若干太いものに替えます。


2.所定の位置に部品を置いて、コードの長さを決めます。
  コードの長さを決める時のコツは、ゆったりと線を取り回して配線の感じを掴みます。
  1回断線しても届く程度の余裕を見込んでおきます。(今回はかなりパツパツ)

3.シャーシの中に入るコードを先にハンダ付けし、所定の位置に収めます。
  これは、バッテリーとスイッチが該当します。


4.ステアリング関係のパーツを組み込みます。
  組む前に洗浄し、ベアリングオイルを楊枝の先にほんの少し付けてギアに塗布しておきます。

5.タイロッドを忘れずに上下シャーシの間に挟んでシャーシをネジ止めします。
  この時点では基板に行くコードは長いままです。

6.ターボが載った基板をシャーシアッパーにネジ止めします。
  でもアンテナはまだ必要ないので取り付けません。あれ、邪魔ですものね。


7.基板にハンダ付けするコードも前の要領で長さを決め、ハンダ付けします。
  配線の取り回しもぐちゃぐちゃにならないよう出来るだけスッキリまとめます。

8.シャーシを裏返してフロントサス周りを組みます。

9.シャーシにTバー(と付属部品)を取り付け、次いでギアボックスを取り付けます。

10.モーターをギアボックスに載せてカバーで固定した後、コードの長さを決めてハンダ付けします。
  モーターからのコードはリアサスが動いても根っこが引っ張られないよう充分な余裕をみます。

以上で組み立ては完了です。
あとは、アンテナを立ててクリスタルを差し込めばシャーシの完成です。
サスセットについては、とりあえず前ノーマルスプリングで様子を見ます。
と言うより、けんちゃんからのインプレッション待ちになります。
一応私は私でテストしましたが。


いよいよテスト走行です。
これは、次回回しにしようと思ったのですが、本人がやりたくて我慢できなかった、と言うのが本音です。
充電はヨンサン純正の充電器を使い、最初は放電器で抜きました。
(このときのデータは取ってありますので、見たい方は掲示板にリクエストしてください)
何故1回目はデータ取りをしたか?と言いますと、充電完了直後の電圧降下が知りたかったのです。
電圧が高い状態でONにすると壊れるかも知れなかったので、電圧が落ち着くまでの時間(と電圧そのもの)を測った訳です。
測定の結果、待ち時間は1〜2分で大丈夫そうでしたので、2度目の充電完了後2分でスイッチを入れました。

テスト走行ですので、ボディはナシです。
路面はパンチカーペットを使用しました。
ビニール床では全くグリップしないからなのですが、その他にも走らせている最中の音が静かになる利点がありますので、ビニール床にパンチカーペットを敷いた訳です。
スペースがないため、8の字とオーバル走行でテストしました。

やはり、全開に出来ませんでした。
やってもほんの一瞬で、すぐに戻して舵を切る、という有様なので、動力性能に関しては加速を味見した程度です。
コーナリングに関しては、スペースが狭すぎて明言はできませんが、あさばあ号よりアンダーが軽めでした。
これは、スタンディングスタートでの安定性をちょっと犠牲にしてアームをt0.5FRPで作った事が正解だったようです。

急激なスロットルOFFとステア操作が重なるとこけてしまいますが、減速しながらのステア操作に対しては大変リニアに反応し、巻き込む気配がまるで無いので、無用な神経を使わずに済みます。
あさばあ号も改修の必要がありますね。
シャーシ特性については、後日けんちゃんからの報告を待つとして、私は残されたフォレスターの電飾を仕上げる事にします。


完成

じゃーん!(別にMACの起動音ではありません)
5月にスタートしてやっとここまでに漕ぎ着けました。
先ずは、暗闇に光る電飾マシン2台をご覧ください。

とりあえず、今迄に作った部品を並べてみました。
4セル、ツインターボ、FRP Tバー、電飾ボディ(自作ボディマウント付き)、バンパー...
たったこれだけに5ヶ月もかかってしまいました。

さて、今回はフォレスターの仕上げを報告します。
さんざん苦労したヘッドライトがちょっと暗めで申し訳無いと思い、補助としてルーフライトにチップLEDを入れてみました。
配線は、例の並列回路です。2灯を10mAの定電流ダイオード1本で賄っています。
ルーフライトの配線は全てルーフキャリアに押し込み、屋根からはコードが2本だけ降りてきます。

テールはもう思いきり大サービスでテール/ストップを奢りました。
回路については以前公開しました回路を少し簡略化して部品を減らしてあります。
ランプユニットは白チップLEDを白のまま使い、テールライトレンズのほうをクリアレッドで着色しました。これは、アクリル板を適当に整形したものです。
これなら、普段飾っておいてもデメキンではないので、そこそこ様になっていると思いますが。
電源はメイン基板用の低い方の電圧でO.K.でした。

ヘッドライト、ルーフライト、テール/ストップの配線は、テール/ストップ用基板に電源、及び信号線をつなぎ、そこから各々に分岐させてあります。

フォレスターの電飾に食われる電流は全部で約40mA!!
気合が入り過ぎてしまい、こちらではマジ走りは無理かな?と。
照明を落としてナイトランの雰囲気を味わってください。

電飾の製作が終わってからフォレスターのホイールベースに合わせてTバーを作りました。
(一緒にインプレッサのTバーも0.5mm延長して作り直しました)

Tバーをフォレスター用のものを取り付け、ボディにアンテナを通します。
次に、シャーシにボディを固定する前に電飾の配線をする必要があります。
ピンセットでボディ側コードの端子部分をつまんでメイン基板のソケットに差し込みます。
(メイン基板に取り付けたソケットに黄、赤、黒と3色のカラーマーキングをしてあります。電飾のコードも同じ色。親切設計、なんてね。)
ちなみに、ボディ側の端子はICソケットを割ってピンを使用しました。

配線が済んだらボディを取り付けて出来上がり!

フォレスターの具合を見た後、インプレッサにするべく新型のFRPサスプレートをり付けます。
真横から見るとちょっとズレているかな?程度に収まりました。
まあ、こんなものでしょうか?

一応、これでけんちゃんのマシンカスタムを終了する事にします。
(早く送り返してあげないと、けんちゃんの首が長くなりすぎてしまう.....)

今までの経緯を振り返って見ると、それなりにトライした部分や便利な部品などを紹介できて、いくらかは参考になったかな?と思います。
また、文章だけでは分かり難いところも今回は写真でカバーできましたので、これはこれでちょっと大変でしたが、自分自身参考になりました。

これからも何か面白いテーマが見つかりましたら、あさばあさんにお願いしてこのページを利用させていただく事とします。
と言う事で、see you again.です。


きままにカスタム 「第1回走行インプレッションレポート」 文:けんちゃん
今日、走行をしてみましたので、ご連絡いたします。
路面は、コルクタイル(Pタイルに毛が生えたようなグリップ(笑)です)です。今回はパンチカーペットでは確認していません。

まずは比べる為に、手持ちのスペック1ノーマルを走行させて見ました。
路面のグリップ不足により、まともに走らせる事ができません。滑って全開に出来ないんです(xx)
バッテリー容量が落ちてきた時点で多少まともに走らせれるようになったかな〜って感じです。
とにかく路面グリップが足りないので、ノーマルタイヤではキツイです。っていっても、SPタイヤって・・・あるのかな??(笑)
恐らく、パンチカーペットでは走らせ易い筈ですので・・・・今度チャレンジしてみようと思います。

続いて、早速改造していただいたスペック2ターボ(以下、スペシャルと呼びます)を走らせてみました。
まずは、10バンドオヤジさんに頂戴した「注意事項」に従い、チャージ後に2分ほど放置して電圧を安定させてからスイッチON!!
今回のボディーは「フォレスター」。当初は、ヘッドライトとテールランプの点灯だと思っていたのですが・・・・
あららららら!!!!天井のフォグランプも点灯している〜(笑)凄いです!!感動です!!まさに、ラリーカーの様なライト点灯&明るさです!
これなら、部屋を真っ暗にしても!!・・・・・無理、無理、それは無理(笑)

と、感動に浸りながら、いざ走行!
恐る恐る走り出しました。

あれっ〜??なんだか素直に加速する〜(^^)ハッキリ言って、走らせやすい&速い!!!!
グリップ力の少ないコルクタイルで、非常にグリップしながら走ります。スペック1では、全開にしたら「クルッ!」ってスピンしてしまうんですが、スペシャルは全開にしてもグイグイ加速していきます。
これは恐らく、ソフトなリヤスペシャルTバーの影響と、電池を増やした事による重量の増加&荷重箇所がリヤ寄りになったことによる相乗効果だと思います。
とにかく速い!!スペック1とではトップスピードが全然違います。
また、思い切ってプロポのトリガーを引いても、そこそこグリップしながら走ってくれますので、ストレス無く遊べます!(スペック1のズルズル走行では、全開に出来ないので、ストレスが溜まりくり!!)
感動・感動の嵐の初走行でした(笑)(^^)/

但し・・・・・走行時間が短いような気が。やはり電飾のせいでしょうか??そのへんは、実際にインプレッサと比べてみないと何とも言えないので、次回にでも比べてみます。
とりあえずは5チャージほど走らせて、「ニヤリ」と不敵な笑みを浮かべながらガレージ(クローゼット)に収納しました。
次回は、インプレッサとの走行比較などをしてみようと思います。

追伸:不敵な笑みに、家の奥さんが「なにニヤニヤしてるの??」って不思議そうに
聞かれました。男のロマンは・・・・奥さんには理解されませんでした(笑)