◆ 2004年学園祭レポート 11月14日(日) その3 ◆
最後のお客さんがグランドから出て行ったその瞬間、誰か自分たち以外のお客さんのための学園祭は終わります。学内に小学生や小さな子ども達の姿は見えなくなっていき、あちこちでこの数日を終えた打ち上げの乾杯の歓声と、アルコールの匂いが漂って来はじめます。部会発表の片付けも終え、もしくはひと段落をつけグランドクローズの時間に合わせて全員が集合します。この数日間多くの時間をさいた迷路の最期を皆で飾るときです。
以前、と云うより「昔は」と云った方が良いでしょう、学園祭最終日には児文研が発表をしたグランドで大きな大きなキャンプファイヤーを焚いて祭りの終わりを飾っていました。僕が3年生の年1994年、学内工事の関係でグランドを使うことが出来ませんでした。その工事のあとは前年までの半分、そしてその数年後にはさらにグランドは小さくなっていってしまうのですが、その工事が始まる前年1993年の学園祭までの恒例行事でした。大きな大きなストームを組んで、児文研だけでなく、他の団体やサークルもやってきて学園祭最後の夜を飾ったものです。
キャンプファイヤーはもうずっとありませんが、随分前から片付けの前に皆で思いっきり遊んでいろんな事を発散させる時間ができ、これもまた楽しいひと時を演出するものとなりました。
<どろけ>
人形げき部会の感想会から急ぎグランドに戻るとすでにゲームが始まっていました。二手にわかれての「どろけ」です。(地域によって「けいどろ」とも云うようです。)制限時間30秒で泥棒チームは迷路内に隠れます。警察チームに最後まで見つからないよう上手な、意表をついた隠れ場所を探し出せるかがポイントです。外壁に上って観察しているとみんな凄いところに隠れています。1枚目、頭のてっぺんとピースサインがのぞいていますが、分かりますか?制限時間が過ぎ、警官隊が突入してきます。2枚目、隠れるのにとても苦労していたのに、見つかるのは一瞬だったお二人さん、もそもそと隠れ場所から脱出しています。
上の一枚目でピースサインをしていたピカ君もすぐに見つかってしまいました。いかにも入れそうな大きな箱は警官隊も見逃さずチェックしており、泥棒さんたちもすぐにお縄です。
制限時間30秒というのは隠れるのにはかなり短そうで、泥棒団は皆苦労していました。苦労のかいなく、見つかってしまった二人。箱から出てきてもしばし、高いところで見つかってしまったことを嘆いていました。
警官隊、泥棒団チームを入れ替えて2回戦行いましたが、どちらのチームも見事最後まで隠れとおした猛者がいました。またみんな捕まったか、と落胆ムードが反転、よくぞ見つからなかった、と栄誉をたたえての胴上げです。いやぁ楽しそうだったなぁ。ぶれぶれで良く撮れていませんが、皆良い顔してました。
<記念撮影>
「どろけ」が終わると、今度は写真撮影の時間に写りました。最初は学祭委員の面々、続いておはなし部会の勢ぞろい。あたまにかぶっている黄色い帽子、あれお姫様の帯です。スターウォーズエピソード1のアミダラ女王のようだと1人おかしく思っていました。
文学部会で一枚。モアイ靴はいてますね。中にだれかいるようです。文学部会でちゃんと写っていないのは・・・・・・。きっとOBのピヨまろ君でしょう。2枚目は人形げき部会のメンバー全員で。ここにもアミダラがいますね。子ども会部会の集合写真は撮れませんでした。ごめんなさい、残念です。
迷路の入口でルール説明をしていたお姫様の撮影大会が始まっていました。着物と帯、羽衣の髪飾りの4点セットを身にまとっての登場です。10人以上が携帯電話のカメラやデジカメを構えて十重二十重に取り囲みます。とは云っても後ろは開いていたので取り囲んでいた人々をいれて一枚。一眼レフ構える姿が決まっています。
おわらい担当の4年生、モアイ君に無理やり2人入ってしまいました。足並みがそろわなくてどちらにも進めません。しまいには怒られてしまったのか、一人ぽつんといじけてしまっていました。
<片付 破壊 1つの頂点>
思いっきり遊んで、記念写真も沢山撮ったあとはいよいよ片付けの始まりです。まずは外周の机に取り付けた外壁のダンボールをはずしていきます。布ガムテープをはがし、ピーピーロープを切り、いっせいに引っ張り長い長い外壁をはずしていきます。内部を隠していてこの外壁がなくなると土台の机の骨組みだけになり見通しが良くなった気分がします。
外壁の土台になっていた2段に積み重ねられた机はピーピーロープで厳重に結び付けられています。これをカッターとはさみで切り、机一個一個に戻していきます。2枚目の写真は上段が全て外れて下の段のピーピーロープをいっせいに切っているところ。
取り外された外壁は自転車が梱包されている大きなダンボールをつなげて出来ています。ダンボールをつなげていたガムテープとピーピーロープをはずし小さくまとめて行きます。
ピーピーロープが切り取られた机は迷路の出口の傍に集められ、切り残された細かいスズランテープやガムテープ、ピーピーロープを切り取っていきます。作業が段々細かくなるに連れてきれいな状態に戻さなければならず、面倒になっていきます。
一方の内壁部分は、高く積み上げられたダンボールをとるところから作業が始まります。ダンボールがとれ、机が見えてきたら、机同士、机とビールケースを結んでいたスズランテープを切り、ばらばらにして、それぞれ出口方面へ集めます。
内壁からはがされたダンボールは迷路のコーナの1つに集められます。余裕の演技か、なんとか超人あーる君みたいなポーズをした人がいますね。
外壁、内壁の机や、ビールケースのほとんどは迷路の出口があったあたりに集められ、それぞれ、残ったスズランなどを取ってきれいにして積んでいきます。集められたダンボールの残骸は高く積まれ大きな山になっています。
グランドの入口に設置されていたゲートもグランドに運び込まれテントの脇に置かれています。
いよいよ山積みになったダンボールを片付けます。順々に作業を進め皆楽しそうです。この瞬間のために迷路はあると云った人がいます、僕ですが。皆本当に良い顔をしています。OBも混じって楽しんでいますね。
<備品整理が着々と>
さて、迷路の1部品だった机は余計なひもやテープをはずされ、あとは雨よけに天板にはったビニールをはがすだけの状態で教室ごとに整理して並べられます。大半が6号館から持ってきた机です。明日の片付けでもここからとおり一本渡って6号館の階段を頑張って登ってしまえばOKという好条件。
共活のレポートでも書きましたが、机や、ビールケース、2重ダンなどの迷路の各となるそれぞれの材料について、出来るだけ汚さないように、傷をつけないように、雨や、朝露夜露に濡れて、木材がそったり歪んだりしないようにという気遣いや、工夫を凝らしているのが今年の学園祭の特に大きな特徴でしょう。学内の教室の机は順々にこれまで迷路で使っていたの1人用の机から、二人用、三人用の長机や、いすに小さな机がセットされているものなど、組み合わせて壁にするのには適していないものや、そもそも教室から運び出せないものに変わってしまっているそうです。数を減らしている机を継続して大学側から貸していただくために出来る努力、払える注意は最大限に行うという姿勢や態度が学生たちの言動の端々に見えていました。自分たちが、またこれまでの学生たちがその注意を払っていなかったとは云いませんが、なるほど、そういう気のつけ方、対策の仕方があるのだなと思う場面がいくつかありました。
迷路を作っていくための方法論は十数年前から確立されており手を加えられるところはほとんどないと思っていましたが、まだまだ改めていけるところ、工夫していけるところは沢山あるのだな、と今年の学園祭を通して感じていました。昔はこうだったんだよ、だから・・・・(こうしなよ)と暗黙の押し付けをしてばかりではいけないなと、僕の言動についても反省した年にもなりました。押しかけて無理やり仲間に入っているおじさんは謙虚な姿勢を忘れてはいけませんね。
とまれ、スムーズに片付けも進み、9時前には全員解散の運びとなりました。作業はまだ残っていますが、翌月曜は雨の予報、火曜日からは通常通りの授業が始まりますから、雨だろうが雪だろうが明日中に片付を済ませなければなりません。降ったとしても小降りであるように、短時間で止みますようにと願いをこめて皆帰りました。今年は運良く休みが取れ明日の片付けにも参加できます。僕の学園祭もあと1日です。この日もラポーレでのんびり風呂につかり1日の疲れと汚れを落とし早々に休みました。
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