◆ 造園家気分 ◆
今回のレポートは2004年11月のおおよそ1ヶ月間の記録です。最初はエンドレスを敷設してそこでぐるぐる機関車を走らせて遊べればいいやと始めたものでした。それがあれもこれもとやりたいことが出てきて今では小さな情景を持ったレイアウト(パイク)を作ろうというところまで話が大きくなってしまいました。(1人で盛り上がっているだけですが。)WWW上に公開されている多くの方のレイアウト建設記録を見ているうちによし自分でも1つやってみようじゃないかと言う気分になってしまったのです。
数あるサイトの中でも特にミステリ作家の森博嗣さんの「欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線レポート」には本当に大きな影響を受けています。そのレポートの中でもOn30のパイク製作の部分なしには僕のこのチャレンジはなかったことでしょう。また「木曽モジュール倶楽部」に多く発表されているモジュール群や「鉄道模型の小型レイアウト」、「ガッタンゴットン鉄道模型」、「庶茂内模型鉄道」、「あららぎ派」、「MORO’S CAN」、「Rail and Bike」、「Model & Toys」という本当に沢山のサイトが大いに僕の模型遊びに影響を与えてくださっています。いつかはこんなかわいい車両が作りたい。こんな風景を作ってみたいという憧れと目標の数々です。
とまぁ、理想は非常に高いですが、実際は時間の隙間を見つけての細切れ作業です。あまり計画も立てず、行き当たりばったりにバラストを撒いたり、紙粘土を貼り付けたりしているように見えますが、まったくもってそのとおりです。出来上がってくる「モノ」はそれほど立派なものではありませんが、ああでもないこうでもないと考えながら手を動かして「作る」という工作の楽しさを味わっています。
<粉をまきます>
下地の土色の上に、TOMIXのカラーパウダーを撒いていきます。ライトブラウンとブラウンの2色を適宜使い分けました。接着は最初は2倍から3倍に薄めたボンド水溶液を筆で地面に直接塗って、足りないところは適当にパウダーをまいてから上からスポイトでボンド水溶液をたらして接着しました。
プラモデル用塗料を3色使い分けてこの辺は明るく、ここは暗く、なんて一生けんめい塗り分けたのですが、土色パウダー上からまいたら全然下地は見えません。あんなに一生けんめい塗ることなかったです。茶色2種類を全体に撒いたら一晩置いてボンドの乾燥を待ちました。
翌日は緑色の粉を撒きました。TOMIXのライトグリーンとグリーンの2色。この辺は車も通るから草は生えない、ここはほとんど歩かないからきっと雑草や茂みもあるだろうと想像しながらぱらぱら。接着はボンド水溶液。手にとって見るとあんまり差があるように見えなかったので。グリーンでなくダークグリーンにしたほうがよかったなと反省。同系色を買うときはビミョウなグラデーションよりもはっきり分かるくらい差の大きいものの方が良いなと思いました。
ちょっと撒いては様子を見てを繰り返して日が過ぎます。車止めのところなんて結構それらしく見えてるじゃないか、とほくそ笑んでいたら「その粉って草のつもり?見えないなぁ」と言われてしまいました。自分の作っているものにはかなり偏愛フィルターがかかっているようです。気を引き締めて「らしく見える」ものを目指しましょう。2枚目はこの辺にこのくらいのサイズの小屋をつくろうかなと様子を見ている小人君。このパイクは森林鉄道風にしようかなと少し思い始めました。
<細かな雑草が生えました>
全体に最初の緑の粉が巻き終えるのに1週間くらいかかったでしょうか。超スローペースです。少し作業をしてはすぐに機関車を走らせて遊びます。出勤前に無蓋車2両とカブースをつなげて走らせていると、2才の息子が上野動物園で買ったミニチュアの動物を連れてのせてやってくれとせがみます。ゴリラとトラを乗せサーカス列車になりました。
ビットチャージのS2000と小人君がサーカス列車が通り過ぎるのを待ちます。子ども達はディズニーの「ダンボ」を最近見たらしく、ゴリラとトラの他にも海ガメだのゾウだのキリンだのを連れてきては乗せかえて「サーカス、サーカス」と喜んでいました。彼らには僕と同じくこの緑の粉は草むらに見えているようです。
TOMIXのカラーパウダーで下草を生やして1、2週間遊びましたが、もっと沢山草を生やしたくて他の材料を探しに出かけました。
<少し背のある雑草も生えます>
KATOのコースターフを2色買ってきました。直径数ミリの色つきの小さなスポンジです。これを緑のパウダーの上にさらに乗せていきます。接着はこれまで同様ボンド水溶液です。この辺は陽が良く当たるから茂みになってるだろう、こっちの日かげはこれくらいかな、と地形や方角を考えて草を生やしていきます。わずか数ミリとはいえ、高さがありますから、草の表現も多少立体的になってきました。でももっと背の高い草むらや茂みも欲しくなってきました。
ところ変わって給電端子です。ハンダづけが済んだらバラスト撒こうと思っていたのですが、ためしに少し撒いてみてもうまく隠れてくれませんでした。どうやって上手に隠そうかなとほんの少しだけ悩んでいます。
<茂みや植え込みも>
またもや模型屋さんに行って緑化の材料を探してきました。KATOのライケンというものを買ってきました。これは実際の植物(コケ?)を化学したらしくなんだか少しべたべたしているのとすっぱい匂いがするのが特徴です。目の細かいところを選んで背の高い茂みがあるだろうという場所にくっつけていきます。接着はボンドを薄めず使いました。
場所によってはケチらず大きく使ったほうが「らしく」見えるかもしれません。大きな切り通しの場所は機関車が完全に見えなくなるようにしたいので多めに使いました。形を整えながらサイズや向きを1つずつ考えていきます。
普段良く見える方角から緑化を進めているので、反対側からパイクを見るとまだまだスカスカです。少しずつ緑を増やして行きましょう。この頃になると、切り通しや岩肌に最初に撒いた茶色のパウダーがところどころ落ちてきて、下地のプラカラーが見える場所が出てきました。素材感が違って都合よく岩肌に見える気がします。プラカラー3色で塗り分けておいて良かったと思った瞬間でした。しかし、こういう特別な表現をしたい場所以外では下地の色はもっと単純で良いですね。
<少しはらしくなってきたでしょうか>
11月中旬には大学のサークルのOB会や学園祭がありました。作業時間はそれほど多くは取れませんでしたが、暇があるとボンド水溶液を作って何かを撒いていた1ヶ月でした。毎日ほんの少しずつでも1カ月続くと結構進むものですね、11月の終りにはこんな具合になりました。次は小さな木が欲しいなと思います。小さな小枝を拾ってきているのでこれを加工するか、細い針金を使って作れるんじゃないかと思います。いくつか試してみましたが、なかなか上手には出来ません。作業に行き詰まるとすぐにWWWで良い方法はないかと探します。今回もそうやってなんとか飾れる樹木を作りたいものです。
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