マスクから思う


令和2年こと2020年4月1日より記す。


バタフライ効果という気象用語がある。

ある土地で蝶がわずかに羽ばたくと遠く離れた

アメリカテキサス州で竜巻が起こったと言う、

最初は些細な出来事でも後に大きな禍にも

なるというカオス理論です。



昨年2019年12月だったか今年1月だったか

中国で原因不明の肺炎がみつかったと

小さく新聞にのっていた。その時は世界保健機関

WHOもまだのんびりしていたような。


記事を読んでいてうかつにも

遠くのほんの限定的な風土病だと思っていた。


それが感染力の強い新型のコロナウイルスのせいだ

といういうことが広く知られるようになった2月の

半ば、いつもつけている花粉症用のマスクまでも

店頭からなくなっていた。


マスクの陳列棚になにもない。


それを目の当たりにして初めてただならぬ

気配を感じた。



令和2年2月29日より学校の休業が始まった。

3月に入るとマスコミはどこも連日コロナウイルス一色

になっていた。


これだけで十分だった。

人は得体の知れないものに不安ゃ恐怖を感じ

やがてパニック(混乱)に陥ります。

それが生理的欲求、安全の欲求

の基本的欲求の不安ならばなおさらです。


予防品のマスクや消毒用アルコールはもちろん、

どこで噂が流れたのか一時トイレットペーパーや

それに類似する紙製品、はてはパスタや米まで

店頭から消えてしまいました。


こんな時は施政者は大衆に安心と説明を与える

のが務めです。

かつての例でいえば、そう、ある銀行が誰かの

一言で、潰れると噂が広まり取り付け騒ぎが

起きたとき、時の施政者はその銀行を休業させ

その間に日銀に働きかけ特別融資をとりつけ

お金を大量に印刷し、その銀行が再開したときに

預金者が見たものはカウンターに山のように

積み上げられた札束でした。

それでパニックは収まりました。


ところが今度の物は、ない、ナイ、

全然足りない。

消費者が安いもの志向になり

人件費の安い隣国から輸入するように

なっていたのです。

なぜなら、後に家探ししているとマスクが

見つかったのです。十年ほど前に親戚の見舞いや

インフルエンザのために買ったものでした。

その製造地は高知、大分、名古屋と記入

されている頼もしい日本製のものです。



新型というだけに情報の少ない未知のウイルスに

人々は色々な恐怖の連想を始めます。

空気感染するんじゃないかとか

致死率が異常に高いとか

その恐怖の連想はやがて寝て見る夢にも

影響をはじめます。

夢分析の心理学者が最近、世界的に変な夢を

見る人が増えているといっています。


江戸末期にコロリ(コレラ)が大流行した

ときにも同じような現象が現れたといいます。

アマビエやコクリ(後のコックリさん)の妖怪の

大流行。時代の閉塞感からか「ええじゃないか」

騒動など。

私が半人半魚のアマビエです


そして4月

4月8日首相の緊急事態宣言の会見で

首相が行動変容などと心理学用語を強調する

のはこの事態を早く収束させないと

経済も財政も医療も破綻するという

信号だったに違いない。

そのいきごみが曲解されたのか

公園で大勢遊んでいると通報されたり

集団監視社会に変容していきました。



そして4月20日

新聞にNY原油、史上初のナイナス価格、と

コロナで世界経済が低迷しているので

貯蔵タンクが満杯状態で

お金をださなければ原油を引き取れないとか

耳を疑うような話でした。


自然界は微妙なバランスで成り立っています。

経済も社会も心理も同じです。

一つが狂えば次々と連鎖反応をおこします。

産油国どうしの紛争も生じかねません。



そして4月25日

バランスをなくした世界。

これから一年か二年の間になにが起こるか

自分なりに考えてみました。

今度のマスクのことで気が付いたのですが

必要なものでも急に増やせるものと

急には増やせないものがあると。


たとえばお金。これは理由があれば

国は印刷してすぐにふやせます。〇


仕組みはこうです。

まず国は国債を発行し銀行や国民に売却します。

日銀(日本銀行)はそれを銀行から買い取り

対価に通貨を発行します。


水。これは国によって異なります。△


穀物。基本的に年に一度しか収穫
できないので。×

まして今年はコロナでいくつかの国が

穀物の輸出制限をはじめていた。

それに東アフリカや中近東でバッタの

大発生が報じられている。

ということは次の連鎖は食料と

いうことになるのですが

もしほんとうにそうなればそれは

人間のもっとも基本的な欲求なので

大変です。



そして4月30日

確実なことはコロナ禍はやがて収束します。

毎年の季節性のインフルエンザ並みに

なるでしょうけど

このことが科学技術未来へ急がせる

ことは確実でしょう。

もちろん変わらない文化も存在します。


ゆく川の流れは絶えずしてしかも、もとの水にあらず
鴨長明<方丈記>ですか。



ここまで読んでくださり

ほんとうに「ありがとうございました

またお会いできれば幸いです。



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