パクマン和樹 〜ワルイおたくのパロディSS(笑)〜

                       作者:P・Nとらはマニア(仮名)



「なぁ、瑞希…」
「な、なによ和樹、そ、そんな真面目な顔しちゃって…」
「実はな、お前に折り入って頼みがあるんだが…」

 ある日突然、あたしは和樹にそんな事を言われた。

「た、頼みって?」
「ああ…お前にしか頼めない事だ…。いや、南さんでも出来そうなんだが、是
非とも瑞希、お前にやってもらいたい事がある…」

 いつもおちゃらけた感じの和樹が、ガラにもなく真面目な顔であたしに懇願
してくる。

 ――や、やだ…そんな真剣な顔で見つめないでよ…。そ、そんな表情された
ら、あたし……。

 正直、あたしは彼に胸の高鳴りを感じていた。
 不可解な戸惑いと、不思議なときめきを。

「どうだ? 引き受けて…くれるか?」

 ――う…。ず、ずるいよ和樹…。そんな顔で頼まれたら断れないじゃない…。

「瑞希……」
「う…うん、いいよ…別に…。そ、その…あたしで良ければ……」
「そうか…」

 和樹の口から安堵の息が漏れ、その表情が一気に和らぐ。
 あたしも思わず笑みがこぼれる。胸はドキドキしてたけど。

「と、ところで、私はなにをすればいいわけ?」
「ああ、実はな…」

 トン、と、おもむろに、あたしの胸の上に手を置く和樹。

 ――は?

 硬直するあたし。
 しかし和樹は…いや、和樹のヤツは、そんなあたしにはお構いなしに、実に
楽しそうな顔で、あたしの胸の谷間へと手を潜らせていく。

「うわ〜! 助けて〜! おっぱいに食べられるぅ〜」(by古賀亮一氏)

 こともあろうに、そんな事をほざきながら。

 ぷちっ…。

 あたしは、頭の隅でそんな音を聞いた。

「こんのぉっ! 腐れエロおたくがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 真!

「いっぺん死んでこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉいっ!!」

 昇○拳!!

「へぶらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 あたしのレベル3限定のスーパーコンボが炸裂した。それこそ1フレームで。
 ガードする間も無くモロにヒットした和樹は、無様な断末魔を上げながら空
高く飛んでいって、そして「キラーン」と一つの星になった。

「はぁはぁはぁ……。和樹の…和樹の馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」



 数時間後――。

「ん〜、さすが瑞希…。バスト91は伊達じゃないな…。俺としても、とって
も潜りがいがあったぜ。んふふ…次は南さんにお願いしようかな…なんてな」

 和樹は、幸せそうな顔で有明の海を漂っていたそうな。



【おわり】


武陵よりちょいと一言:
やぁ〜サイト開設祝いということで頂きました作品です。
どうもありがとうございます。
一筆していただける、という話をもらっていたのでどんな作品をもらえるかわくわくしていました。
目のつけどころがしゃーぷな作品です。
「ゲノム」です。もらってビックリ笑って腹痛です。「ゲノム」と「こみパ」とは恐れ入りました。
かさねがさねありがとうございました!!


SSコーナに戻る