2時間サスペンスドラマの考察!?

現在、月曜はTBS系で、火曜は日本テレビ系で、水曜はテレビ東京系で、 土曜はテレビ朝日系で、2時間1話完結のドラマが放映されています。そして、 それらの放映内容のほとんどが、ミステリ小説原作をはじめとする、サスペンスものです。 これらのドラマを各局間で、あるいは同じ枠の各回間で比較してみると、共通点、 というか、お決まりのパターンが浮かび上がってきます。

  1. 主人公(探偵役)の職業

    大きく分けると、以下の5分類です

    上4つは、紙媒体のミステリでも良く目にしますが、5つ目の「その他」というのが、 サスペンス系ドラマならではの設定ではないでしょうか。例えば、 サスペンス系ドラマ、および、市原悦子の代名詞となっている 「家政婦」をはじめ、「医師」「スチュワーデス」と、その職種は 多岐にわたっています。「サラリーマン」が地味すぎて 取り上げられないくらいで、日本で考えられる、法を 犯さない側の職業は、ほぼ網羅している、といっても過言ではないでしょう。 こうなると、「その他」で残るのは、以下の二種類と推測されます。


  2. 探偵役の人数

    1で述べた五つの分類ごとの、代表的な人数。

    法曹関係者の場合、その職業自体が資格を有することが前提なので、 1名、あるいは、「資格保有者である主人公と、その見習い」、または、 「資格保有者の上司と資格保有者の部下」という、少人数であることが多いです。

    探偵・ジャーナリストの場合、職業が資格制ではない、勤務時間や場所の拘束に (ドラマ上では)縛られないため、1名であることが多い上、行動範囲も広範囲です。

    警察関係者の場合、いわゆる「一匹狼」を標榜する作品では単独行動、 現実を題材にした「社会派」的な作品では捜査班による集団行動、 といった具合です。しかし大所帯である捜査班の中でも、話の流れの上で スポットライトが当たるのは、数名だけです。これは当然で、 捜査班全員の仕事をいちいち反映させていては、 それだけで二時間終わってしまいます。

    さて、「その他」の場合ですが、これはなぜか「2〜3名」であることが多いです。 確かに、事件解決の(本来なら)プロではない人物達が捜査行動を起こすので、 「三人よれば文殊の知恵」ということなのでしょうか、同じ職種の 知り合い同士で徒党を組んで、解決することが多いです。しかしこれが、 イナバ物置の従業員なら100名体制で探偵の真似事をする ことが予想されます。


  3. 殺害される人数

    これに関しては例外も多いのですが、概ね2から3名が相場です。 相場て。これはおそらく、「事件がいくつか 発生→謎解き→解決」を二時間の枠内で収めるには、これくらいの人数の方が、 話を進めやすいからだと思われます。

    また、「1から2人目 : 本当に殺したかった人物/2から3人目:それを目撃 されたがための口封じ」という図式が成り立ちやすいのも、要因と思われます。

    かといって、1名が悪いわけではないのです。1名の謎の死について、延々と紐解いて いくスタイルを採用のは、その謎解き・トリック自体に脚本家が自信を持っている からだろうし、実際、そうであることが多いです。たまに 肩透かしも有りますが。

    逆に、4から5人以上殺害されると、中には「殺すつもりはなかった」という ケースが含まれたり、「じぶんどんだけ目撃されとんねん」 というケースがあったりと、ツッコミどころが増えてしまうので、 逆にだれたり、食傷気味になる事が多です。さらにこれが、 千余人殺害、とかになると、もはや2時間戦争ドラマです。


  4. 殺害される状況

    これは、警察関係者、法曹関係者、ジャーナリストが主人公の場合、 既に殺害された上体で発見されることが多いです。一方、探偵や「その他」が 主人公である場合、衆人環視によって殺害されることが多です。

    で、後者の場合の肝は、探偵に協力を仰いだ警察の目の前で事件が起きてしまう ということが多々ある、ということです。これは、前者のケースが、「お上は有能」 であること、後者のケースは、「お上は無能」であることを、暗喩しているのでは ないでしょうか。そして、古今東西老若男女を問わず、下々の者 (オイラたち)は、つくづく後者の方が好きなんですねぇ。


  5. 謎解きシーン

    一番妥当な気のする『取調室』であることは少ない、 なぜだか。これはおそらく、フツーに取調室でやると、話の半ば頃 (=1時間経った頃 = 提供が変わる頃)で、 別の容疑者(怪しいけれど犯人では無い)を取り調べているシーンと、 本ボシ登場のシーンとのメリハリをつけたいためではないかと思われます。

    では、どこが多いのかというと、大まかに分けて二種類といっても良いでしょう。

    上は、わかる。しかし、もはや定番と化している、 下のケースはなぜ??犯人の追い詰められた感じを、心象風景ではなく 本物の風景で表現しようとしているのか。それとも、犯人を 滞りなく自殺させたいための計らいなのか。ああ、、わからない。が、 サスペンスドラマのロケチームが「日本の断崖絶壁百選」とか 持っているは間違いない。

    これが、渋谷ハチ公前とか、新宿ビル街のLOVEのモニュメントとか、 ひっかけ橋の食い倒れ人形とかだと、 まるで緊張感がなくなってしまうので、確かに断崖絶壁って、アリ?

以上で考察(というか、思いつくままに書いたくだらないこと)は 終わりますが、ドラマの流れとは関係ない、2時間ドラマの サブタイトルを考察するだけでも、同じくらいの文章の量が 書けるかもしれません。暇つぶしに。って暇じゃねぇ。

番外編トップへ