河口湖駅とは言いますが、駅はこじんまりしており、駅の周りは、バス乗り場、 観光案内所、少々の土産物屋と旅館、といった風情で。目的の湖を目にするには、 もちろんここから移動して湖畔辺りまで行かなければならないのですが、その距離 ときたら、
「バス・タクシーを利用するには近すぎるけど、 歩くには若干遠い」という、なんとも微妙な悩ましさです。 ここは、節約のためにも、徒歩で移動。10分弱歩くと、国道が河口湖畔を通る ところまで出て来れます。そこからさらに数分歩くと、天上山ロープウェイ 乗り場につきます。
カチカチ山!?あの? そうらしいです。なんでもこの山は、御伽噺のカチカチ山の 舞台になった場所らしく、このロープウェイは、そのイメージを前面に押し出している らしいです。実際、ロープウェイに乗ると、その所以が録音放送で聴けますし、 さらにはロープウェイの車体だって、この通り。
ロープウェイに5分ほど揺られて、天上山山頂へ到着。山頂には、休憩施設があります。 また、山頂といっても、そこは本当の頂上ではないため、さらに上へ登る小道も あるようです。そしてやはり、見晴らしは最高。河口湖の湖面も富士山の全体も、 一望のもとです。
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で、帰りのロープウェイ乗り場に向かおうと、案内表示に目をやると、太宰治の 文学碑があることが判明。ああ、そういえば、 太宰治の「御伽草子」の中にも、カチカチ山をモチーフにした作品があったような。 しかもそういえば、ここは御坂峠とも近いし。
というわけで、早速行ってみる事に。しかし、その場所は山の中腹。登山道を 下りなければなりませんが、覚悟を決めて出発。しかし、夏の日差しが、高原に居るとは 思えぬ猛威を振るい、数分後、もうくたくた。汗もだらだら。この後、休んでは下り、 を繰り返し、所要25分で、天上山中腹の開けた場所に到着。文学碑は、これです。
うーん、この一節だけ…。たしかに、話の肝といえば肝だけど…。しかし、 この中腹、紫陽花は本当に見事に咲き誇っていて、登山道でやって来る人も、 文学碑より紫陽花に目をやりつつ、ここで休憩しています。
一応、休憩と、文学碑を見た達成感と、この紫陽花の群生で癒された おかげで、今までの疲れは消し飛びました。これから引き返、はぁ、 引き返さなければならんのか。
疲れがドッとぶり返しました。こんどはむしろ必死こいて登ったので、所要30分で 済み、ロープウェイで下山。ふもとのマクドで休憩後、バスに乗って駅まで戻る 事に決めました(つかもう歩くのカンベン)。バス停で待っていると…
レトロ調のバスが到着。これでバスに乗って、今きた道を、引き返すぞ、 と思いきや、河口湖駅行きには間違いないのに、途中で、河口湖駅と逆方向 へ右折。湖畔道路をその後も1km位走った後(その間に、観光施設が目白押しな為)、 駅へ引き返すルートでした。でも、足が棒なので贅沢言ってられなかったです。