おおざっぱな道順は、飯田市街から天竜川を渡って喬木(たかぎ)村へと、 ずっとずっと東へ進みます。途中、細めの道を通って行きますが、 矢筈地区のダム湖のあたりから、高速道路規格の矢筈トンネル(無料)が 東へ通っているので、そこを通れば上村に入ります。
そのまま、中央構造線沿いの国道152号線を通りますが、この区間は、 "高速道路に準じた規格の道"と、"That's 三桁酷道"とが交互に現れ、 非常に速度に気を遣います。そして、上村役場付近から、 東の山の上へと伸びる隘路(離合困難箇所有り)を1速2速で 上りきったところが、今回の目的地、下栗の里です。
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写真は、高原ロッジ下栗の看板と、その駐車場です。 地図で示すと、こんな場所にあります。炭焼山の南に鋭く長く伸びた 尾根に、この下栗の里はあり、尾根の東西は急峻となっていて、 東側には、その急峻に貼り付く様に、民家がぽつぽつ立っています。
このような地形、および、南アルプスを望む風景からか、下栗の里には 『日本のチロル』という異名もあるようです。
どれくらい急峻かというと、ロッジの敷地から東側を撮った写真をご覧ください。 手前の道路が、一回折れるだけで、奥に見える民家の前まで続き、その民家の裏手から、 更に急峻が続く、といった感じなのですが、こればっかりは、実際に目にしないと、 その景色の神々しさが、実感として湧かないかもしれません、スミマセン。
さて、高原ロッジ自体なのですが、訪れたのが3月だったため、 営業はしていませんでした。なので外観だけにとどめますが、建物を見る限り、 最近良くある、廃校を利用した宿泊施設のようです。
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いや、何が凄いって、廃校になる前には、当然ここまで通ってくる児童が いたって事ですよ。雲が上ではなくて、目の前を通り過ぎるような場所まで。 すごいなぁ、と、自分の物ではない郷愁に浸ってみたり。
それと、このロッジには、宿泊棟のほかに、校庭だったと思しきキャンプ施設や 日本家屋風のバンガローもあるようです。
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この校庭から、50m西へ歩くだけで、もう西側の急峻に出ます。もちろん、 西側の景色も、南アルプスを望める東側同様、何一つさえぎるものはありません。
さっき通って来たばかりの矢筈トンネルが、目の前聳える山々の、 どこかふもとにある、と思うだけで、今度はは却って実感が湧かない心持になりました。 だってこの写真、しゃがんだ上に、地面と水平方向で撮ったんですから。
しゃがみついでに、朝露か小雨の後か、水滴がついたままの枯れ草がきれいに 光っているのを見つけたので、パシャリ。誰も足を踏み入れてない、 手付かずの自然についつい入ってしまったようです。
日もだいぶ昇ってきたので、帰途に着きます。朝早く出たおかげで、 行きは車とすれ違うことは無かったのですが、帰りには、今から下栗の里へ向かう 車との離合を幾度か経験。初代デミオですが、少しコワかったかも。
それに、こういう地形の朝焼け・夕焼けは綺麗だろうから、ロッジに泊まりがけで 見てみたい気もしますし、ロッジの看板にあった「しらびそ高原」への林道も、 4月から通行可能なようなので、オンシーズンにもう一度行ってみたい、否、 行かねばならない、くらいまで思いました。そのときは ジムニー (AZオフロード) でもレンタルして。