新品のチェーンは伸びる。機械部品には初期変動というものがあるけど、チェーンの場合は伸びるという形で表われるんだろう。と言うことで新品に交換して300kmほど走り、いい感じに伸びてきたジェベル号のチェーン調整をした。
ごく日常的な整備な反面それほど頻繁にチェックするものでもないのでついつい忘れがちだけど、ヒトに指摘されるとそこはかとなく恥ずかしい部分だったりする。
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調整風景 |
作業に入る前に、取説やサービスマニュアルでチェーンの遊びの範囲をチェック。この遊びの最小値はチェーンが一番張っている(普通はリアサスがフルストロークした)状態から、荷重無しでサイドスタンドを立てた状態にしたときの差分を意味する。
当然サスやスイングアーム、スプロケットの丁数(※)を換えている場合は異なった値になる。この辺を改造した場合はマニュアルの値ではなく、自分でチェーンが一番張った状態にした後、遊びの量を計りなおす必要がある。
チェーンは張りすぎるとサスがストロークしたときに張力でチェーンが引きちぎられてしまうし、遊びが多すぎると外れやすくなってしまう。適正値から外れていると、寿命も悪くなるようだ。
※ まめ知識:本来は歯数が正しい。歯(Teeth)数を省略したTという表記をチョウ(丁)と誰かが間違ってしまった・・・のかな?
作業はアクスルナットを緩めるところからはじめる。アクスルナットの径はそれなりに大きい(ジェベルで24mm、カタナで27mm)。このサイズは普通のレンチセットには含まれていない場合が多いし、締め付けトルクも大きいのでオープンエンドスパナは避けたいところだけど、よくしたもので大抵の車載工具ではこの部分に使うものだけはメガネになっている(ハズ)。
ちなみに僕の自慢のHAZET製レンチセットは21mmまでしかなかった(しかも追加で買ったとき24mmと22mmを間違えてしまったというおまけつき)。ここではトルクを考えて3/8インチではなく、1/2インチのソケットレンチを使っている。
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アジャスタ |
アクスルナットを緩めたらスタンドをかけてリアを浮かす。チェーンの伸び調整はリアを浮かせないとできないというわけじゃ無いけど、あるならスタンドをかけた方が楽に作業ができる。楽に作業ができるということは、本質的な部分に集中できることになるので楽をしましょう。
アクスルシャフトが少し遊ぶ程度までナットを緩めたらリアホイルを後方に移動させる。チェーンアジャスタの種類によってはアジャスタボルトを締めこんだりするんだけど、ジェベルというかオフ車は一般にプレート式のゲージがついているのでただ単に後ろに引っ張ればアクスルが後方へ移動する。当然その結果、ドリブンスプロケットとドライブスプロケットの間隔が大きくなる−チェーンが張ることになる。
プレート式は適当な間隔で刻まれたドック部と言う切り欠き(写真の赤い矢印)をスイングアームのストッパという出っ張り(写真の青い矢印)に合わせてはめるだけなので微調整はできないけど、ドックの位置を合わせるだけで左右の調整が簡単にできる。
チェーンの遊びが適正になる位置にアジャスタを合わせて左右のアジャスタの位置が同じであることを確認したら、アクスルナットを仮締めする。
スタンドを外してから、リアタイアに後ろから蹴りを入れる。これでアクスルとアジャスタの遊びがなくなって確実にはまる。最後にチェーンの遊びを再確認して、適正であれば本締めをして調整終了。
◇ こぼれ話 ◇
今回はドライブスプロケットとチェーンだけ交換したんだけど、そのときNAP'Sの店員さんに聞いた話だと、スプロケットの強度は