懐中電灯を白色LEDに改造


 去年、北海道のキャンプ場で高輝度のLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)ライトの白い光に惹かれ旅先で思わず購入してしまった。既存のハロゲンやクセノンのライトから乗り換えるほどではないけど、消費電力が少ない=電池の持ちが良いのと白い光でテントの中での読み書きといった手元の作業がやりやすかった。

 しかし白色LEDは動作電圧が3.6Vと中途半端なので、売り物のLEDライトの多くは電池3本でやや大柄だったり、小さいのは単5という手に入り難い電池だったりする。僕の場合懐中電灯はツーリングで使うのが主な目的なので、小さい方が良いし、電池は入手しやすくないと困るし、デジカメと同じサイズの電池が良い。特に必要な電力の多いデジカメで使用不可になった電池は他の機器では十分使えるので、これを流用するため電池1〜2本で点灯するものが良い。

 前置きが長くなったが、そういうわけで昇圧してLEDを点灯させるライトを作ってみた。本来の目的は電池2本で実用レベルの5個以上のLEDを点灯させることだが、ここではその練習として電池一本で一個のLEDを点灯させる回路を組んだ。

 あちこちのページを参考にして一番コストのかからないブロッキング発振を利用した回路でLEDライトを作成した。ブロッキング発振については図書館で電気回路の本を2冊借りただけの僕では十分な説明ができないので他所で調べて下さい。

回路図

 部品はトランジスタ、コイル(トランス)、抵抗、電解コンデンサ、ショットキーバリアダイオードと白色LEDの7点、ダイオードとコンデンサはなくても一応動きます。これに本体になる懐中電灯を100円ショップで買ってきても全部で500円しません。

 コイルは自分で巻かく必要があるので壊れた電気カミソリを捨てるときに取っておいたドラムコアを使おうと思ったが、調べてみるとフェライトビーズでの作成例があったのでこれもなんかの電気製品を捨てるときに取っておいた直径5mmほどの物に0.26mmのポリウレタン(エナメル?)線をバイファラ巻きで7回巻いた物を使うことにした。抵抗値で電流量が変化するんだけど、手持ちのカーボン抵抗を適当に試して一番明るいものを採用。測った数値は覚えていないけど20mA以下だった。

基盤

 回路図通りに単三電池のサイズに切ったユニバーサル基盤に半田付けする。これだけだと収まりが悪いので適当なパイプに基盤を収めて電池の代わりに懐中電灯に入れて・・・だけではダメなのでスイッチ周りを多少加工して電池ケースに収める。

元の電球 LEDに入れ替え

 上手いこと電球のソケットにそのままLEDが収まる上に電球のときに回路の接点となる銅板部分が丁度LEDの足を曲げれば同じ形状になるという改造を前提に作ってあるんじゃないかと思うほど電球とLEDの入れ替えは簡単に出来た。LEDはダイオードなので極性があるので入れる向きに注意しなければならないんだけど、LEDの足をまげてソケットに嵌めただけなので足の長さを見ればカソードかアノードかが簡単に見分けられるのでその点でも楽だった。

完成!

 出来た回路と電池を入れ、電球をLEDに交換してスイッチオン。バッチリ点灯しました(組む前にブレッドボードで動作確認してるんで当たり前だけど)。効率はよくわからないけど(コイルがかなりいい加減なものなので決して良くないと思う)、1.2Vのニップル球の数倍は点灯し続けているのでとりあえずは良しとしよう。



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2004年03月15日作成
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