タンクの錆取り


モータウンはダメ
左がモータウン、右が花咲かG

 走行中にジェベルのエンジンが吹けなくなる症状が出るようになった。バイク屋に聞いてみたら夏だしオーバーヒートが原因だろうとのことだったが、それほどエンジンが熱くなっていないときでも症状が出るしキャブのドレンからガソリンを抜くと元通りになる。
 これはタンクの錆が原因だろうと言うことになり、タンクの錆取りとついでにフューエルフィルタの装着とキャブの分解清掃(タンクの錆は当然キャブのつまりを引き起こす)もすることにした。

 まず、錆取りのためにタンクを車体から外してガソリンを抜く。フューエルコックからガソリンを抜いていると結構残っているのに出なくなってしまった。タンクが門の字型で中央のくぼみが深いためコックの反対側の底にあるガソリンは流れないらしい。リザーブを使い切るためには車体を水平近くまで倒すかタンクを外して傾けるかして、反対側のガソリンをコック側に移す必要があるということになる・・・長距離を走るのに一層の不安を感じる。タンク内は見える範囲では錆は見つからなかった。
 ガソリンを抜いたらコックとキャップを外しタンクを中性洗剤で洗う。油脂を落とすのが目的らしいので、油汚れに強いJOYを水と一緒にタンクに入れてひたすらシェイクしてすすぐ。コックのフィルターは健在で目詰まりも無かった。これで細かい錆がキャブのジェットを詰まらせていた可能性が高くなる。

 次にフューエルコックの穴と給油口をガムテープで塞ぐ。僕はうっかりあとから錆取り剤を入れる事を忘れて給油口から塞いでしまったので、コックの狭い穴から錆取り剤を入れることになってしまった。
 今回最初に使用した錆取り剤はモータウン製の水性で錆取りと保護を一緒にしてくれるもの(600cc/2000円)。お湯の方が効き目があると表記されているので、お湯で5倍ほどに薄めてタンクに入れて完全にタンクを塞ぐ。当然タンク全体には錆取り剤は行き渡らないので、適当にタンクを転がして満遍なく浸かるようにする。
 所定の時間後、錆取り剤を抜き、タンクを水ですすぐ。説明書に従って、ドライヤーでタンクを乾かす・・・が、乾いた部分から赤錆が浮いてきて、すべて乾いてからタンク内部を見ると一面真っ赤になってしまった(写真で見せたいくらい見事に真っ赤っ赤だったんですが、予想外の結果に撮り忘れてしまった)。
 多分タンク一杯に錆取り剤を充填した状態での時間で錆取り剤を抜いてしまったので、こういう結果になってしまったのだろう。しかし、時間が足りなかったということで錆が残っているならまだしも錆が異常に増えてしまうのは一寸どうかと思う。

 結局その効果が絶賛されている「花咲かG」(1L/5000円)で再挑戦することにした。錆の部分に少したらしてみると、見る間に錆が落ちていくほど強烈な効き目である。
 ヒドイ錆の場合は原液に漬けておくといいと書いてあったので、半日ほど原液のみをタンクに入れて適当に転がしておく。その後タンクが一杯になるまでお湯を足して、丸2日ほど放置。錆取り剤を抜もすすいだ水も思っていたほど錆の赤みは見られなかったが、タンクを乾かした後もまったく錆が見られなかった。ちなみにガムテープでは完全に塞ぎきれずに錆取り剤が結構漏れていたけど、塗装面を侵すようなことはありませんでした。
 錆取りが終了したら速やかにガソリンを入れておく。

ばらした状態
空気入れ万歳

 次にタンクと一緒に外しておいたキャブを清掃する。最初にキャブをばらした時は本体から外せるジェット類をキャブクリーナーとパーツクリーナーで洗浄しただけだったけど、今回はガソリンが流れる部分を一通り洗浄することにした。本当はプロに任せたかったんだけど、予算が...実際自分でメンテする人は好き、ってこともあるだろうけど大部分が懐具合の理由だと思う。
 もっとも特別な工具(長い針状の工具や極細の試験管ブラシなど)を持っているわけでも無く、エアガンとかも無いので、パーツクリーナーを吹いた後空気入れでエアを吹き付けてやることにする。足踏み式空気入れを買っていたのはポイント高いぞ、自分。ガソリンが通っていそうな穴という穴すべてにクリーナーを吹き、空気入れのホースをあてがってひたすら空気を送る。一応どこも詰まっていないことは確認したけど、パイロットやメインエアジェットはもともと非常に径が細いのでごく小さいゴミが引っ掛かっただけでも影響があるだろう。もっともそれを確認する手段は持っていないので、とりあえず自己満足を満喫したところで作業を終える。
 最近プラグが白く焼けているのでジェットニードルのクリップを1段下げ、パイロットスクリュも戻し量を1回転ほど増やしてキャブを組み立てる。吸排気系はノーマルなのでどこかに不具合が潜んでいそうだけど、これだけで気にならない状態になったのでしばらく様子を見ることにする。

 この作業を終えて300kmほど走った結果、吹けなくなる症状は一切出なくなった。結局錆が原因ということになるけど、目で見えない程度の錆、あるいは見えない部分にある錆だったので結構盲点だった。
 僕が失敗したからですが、モータウンの錆取り剤はお勧めしません。


 ジェベルのMJ、PJはカタナと同じ形状です。もちろん番数は違いますが。



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2001年08月20日作成
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