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計測中 |
キャブレターの同調をとるため、バキュームゲージの製作から実際の同調作業の紹介をします。
バキュームゲージの製作については風呂酢楼を参考にしました。
負圧式キャブはバルブの開度が狂うと各気筒へ入る混合気の量がばらばらになってしまう。そうなると当然パフォーマンスが悪くなってしまうので、たまに同調を見てやる必要がある。
それ程頻繁にチェックする必要は無いけれど、少しづつ悪くなるので定期的にみた方が良い。ここで同調が狂う原因を挙げてみる。
僕の場合は2番目の状況で、最近では1番気筒のパイロットスクリュを一杯に締め込むとエンジンが止まるのに4番気筒の時はかろうじてエンジンは回り続けることから明らかに同調していない事が分かった。
ここで問題なのは料金だ。キャブの同調はショップにもよるけど7,000〜10,000円が相場(うちの近所のバイク屋の場合)。この値段を考えるとついつい二の足を踏んでしまうけど、風呂酢楼やRF900Rのページなどで数千円でバキュームゲージを自作しているのを見付け、やってみることにした。
僕が参考にしたのは風呂酢楼の方。こちらの方が安く、負圧計を売っているアストロパーツも良く知っていたから。
必要なものは以下の表の通り。負圧計以外はホームセンターで全部揃った。バキュームゲージの製作に必要なのはこの表にあるものだけ。
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少し問題があって、1つは風呂酢楼でも触れられていたホースのジョイントが固いプラスチック製だったこと。もう一つはジョイントの形状が先が細くなっているものとずんどう型のものと2種類あって、ずんどう型のものはそのままでは5mmのネジ穴(カタナの負圧取出し口のサイズ)に入らないこと。
残念ながら先が細いものは古い型で在庫がなく、3つしか入手できなかった。
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捻じ込んだ状態 |
製作方法の詳細は本家のサイトを見てもらうとして、ここではジョイントの加工について説明します。
といってもたいした事ではなく、太いなら細くしてやればいい。ただ、厚みがあまり無いので削るのではなく、。解けないように熱して柔らかくして形を変えることにした。先の方が1、2mm入るようになれば後はねじ込んでやれば取り付けることができるはずなので、先端部分だけ細くした。
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バイク側の準備 |
バイクの準備はガソリンタンクを外して、キャブレターの負圧ホースを塞いでやればOK。エンジンは十分暖機した状態であれば、ホースのジョイントが熱で柔らかくなってわりと簡単に負圧取出し口に捻じ込むことが出来る。
ホースをジョイントに繋げれば負圧計の設定も完了。オイル注しをフューエルホースに繋げる。カタナはポンプが無いのでたまにガソリンを送ってやらなければならない。気抜き穴を空ければその必要はないのだけれど。これで準備が整ったのでさっそく計測にかかる。
負圧は吸気時とそうでないときで大きく変わるので、メインのコックを絞って負圧計の針があまり振れないようにする。負圧そのものは各気筒に繋がっているコックを開閉することで計測する事ができる。
サービスマニュアルによると計測するエンジン回転数はアイドリングの1100rpm、計測の順序はまず3・4番気筒を合わせて、次に1・2番気筒を合わせ、最後に全体を合わせる(気筒は乗った状態で左から1,2・・・の順で数える)。
調整ネジはキャブレターのエンジン側の各気筒の間に3つあり左右で1・2番、3・4番が調整でき、中央で1・2番と3・4番が調整できる。調整はネジを回せば一方の圧力が上がり、もう一方が下がるだけなので結構簡単。中央はクリアランスが無く、ドライバーが入りにくいので微妙な調整が難しい。柄の細いスタッビドライバーがあればいいのだけど、残念ながらみた事は無いし持ってもいない。ネジは固く締められているわけではないのでナメる心配は無いけど、微妙な調整が出来ないので歯痒い思いを楽しめる。
同調がとれた時に急に回転数が上がるというけど、僕の場合それ程回転は上がらなかった。その代わりエンジンの回り方が急にスムーズになった。言葉だと分かり難いけど、実際に作業をしているとこの変化がはっきりと分かる。
バキュームゲージの製作を含めた全作業時間は2時間ほど。同調作業は30分もかからなかった。
同調をとった後では、
@始動性が良くなった
Aアイドリングが安定した
B吹け上がりが軽くなった
Cいまいちだったスロー系のセッティングが気にならなくなった
などの効果がある。
同調はいきなりおかしくなったりしないので悪い状態に気付きにくいが、同調をとってみると前の状態の悪さがわかる。
僕のカタナは一応新車だけど、設計が古い事や空冷ということもあってメカノイズや回転のばらつきをいつの間にか当たり前だと思っていた。特にセッティングではアイドリングが安定しないのでパイロットスクリュを色々いじっていたけど、同調がとれた状態では規定値で全く問題なかった。