紀伊半島


2008年 9月21日〜 9月24日
伊吹山
伊吹山の駐車場から

このツーリングのルート

 9月21日

 まだ雨雲はそれほど出ていなかったが出発早々首都高で雨に遭う。振り続く感じではなかったが大粒の雨だったのでカッパを着る。東名に入る前には止んだがむしろ振りそうな気配は強かったのでそのまま走ると、こちらの想定より早く横浜を過ぎたあたりで雨雲の下に。箱根〜富士あたりでは強く降られ、ペースを落としても雨粒が痛い。幸い静岡を過ぎると断続的な小降り程度になってくれた。

 浜名湖あたりからは日が差すようになり、豊川ICで高速を下りると暑く感じるほどで、空も晴れてきたのでカッパを脱ぐ。伊良湖半島を抜けるのに思ったよりも時間がかかり、予定の15:30ではなく16:30発のしかも受け付けギリギリの時間にフェリー港に到着。手続きを済まして一服点けているとフェリーがやって来た。その先を見ると低い雲が空を覆っていた。

去年とは逆方向へ
船の行く先の空が灰色

 幸い降りそうで降っていない鳥羽に上陸し、赤福鳥羽店に行くとすでに閉まっていた。少し戻ることになるが伊勢市の宿に向かう。去年8耐を見に来たときに使った宿で、地下に駐車場があるので雨でも大丈夫だと思って同じ宿を取った。この日は途中で買った赤福を夕食にして就寝。

 9月22日

 6時前に目覚めたが、うっかりして次に気が付いたら7時だった。昨晩の残りの赤福を平らげ、手早く支度を終えて予報通り雲ひとつ無い青空の下ひとまず外宮へ。旅の安全を祈り、K22〜K169で紀伊半島南岸へ。

 K196はアップダウンの多い走りやすいワインディング。R260で海沿いを走る…はずなんだけど、地図を見れば分かるが入り組んだ海岸線を抜ける道なのでむしろ山道の中に漁村を中心とした町が点々とする感じだ。海を眺めながらのクルージングではなく、ワンディングなのでかなり楽しい。基本的には整備された2車線だがごくまれに旧道っぽい雰囲気の部分が残っている。それはそれで味があるが、なんとなくイメージしている「太平洋」っていうのが無い。見えるのが森と入り江ばかりだからだろう。

太平洋
入り江が続く

 尾鷲でR311の分岐を見逃してR42を進んでしまう。これがまた豪快に工事された道で、隣を流れる矢の川がまたすんごい綺麗。エメラルドグリーンっす。とはいえR42はつまらないのでK70でR311へ。何気にK70は良い道だった。R311は基本的にはきちんとした道で、ごくまれに3桁国道らしい舗装林道状態になる。それはそれで楽しい。盾ヶ崎の展望個所は見つけられなかった。

盾ヶ崎
木の隙間から見え隠れする盾ヶ崎

 鬼が城のトンネルを抜けると一変して七里浜の海岸線が続く。展望は所々だけどまっすぐな走りやすい道。

七里浜
七里浜からは直線が増える

那智でK43〜K46で那智の滝を見に行く。学生の頃、熊野三社はお参りに来たけど、那智の「滝」だけは素通りしていたので、それを取り返すのが今回の目的の一つだ。当時は船で勝浦に上がったが、ブルーハイウェイラインは無くなるし、紀伊勝浦に寄航する便も無くなるし、フェリーはどんどん不便になっていく。行政にはもう少しモーダルシフトを真剣に考えてもらいたい。

那智の滝
カタカナでナチって書くとすごく意味が変わる

 太地では鯨が喰えるかと思ったが、国道贈位にはそれとわかる店は見当たらなかったので機会を逃してしまった。そのままR42を南下して潮崎へ…行く前に樫野崎へ。

橋杭岩
橋杭岩だったとおもう

前は潮崎まで行ったけど、樫野崎には寄らなかったからだ。くしもと大橋とK40は走る価値があります。想定外に美味かったきんかんソフトを堪能し、潮崎へ。灯台はすでに営業終了。夕日を浴びつつ串本市の宿へ。宿でチェーンに油を注しつつ、海から道一本隔てただけ場所だけど、いくらなんでも一晩で錆が進行したりはしないよなぁ…と余計なことが気になってしまう。

樫野崎の灯台
岬の向こうは海なのでその手前で

 9月23日

 日のあたるカーテンを見て寝過ごしたか!と思ったら6時過ぎ。所謂オーシャンビューな上に東向きの部屋だったので朝陽が明るく差し込んでいた。ちなみにこのときの腕時計は2つの時間を刻んでいて、このときはたまたま使っていない方の時間が表示されていて、その時間が12時過ぎを指していたのでかなりびっくりした。

 今日も青空の下、7時過ぎに出発し南紀白浜を目指す。紀伊半島の沿岸は山道と海の道が混ざっていて走っても見ても楽しいが、どちらかと言うと西側の方が開けた感じがする。K34でとりあえず三段壁へ。岸壁は見ものだけど、1200円の地下エレベータは費用対効果の面ではいまいちだった。そのまま進み千畳敷へ。まだ早いが祝日のためか結構な人出。子供の頃に連れてきてもらったこともあり、白浜もずいぶんにぎやかになったと思ったが、考えてみれば20年以上経っているわけで。千畳敷の土産物屋の床を歩くフナムシを見ながらそんなことを考えていた。

三段壁
三段壁は釣り人が多かった

 一度R42に戻りK29を北上する。全体に非常に良い道だけど、特に虎ヶ峰峠の前後が素晴らしい。R371高野龍神スカイラインは前半は川沿いの高速コーナー、後半は山岳ワインディングと距離のあるすんごい良い道。護摩山のパーキングで大阪のライダーと話したけど、大阪市内からここまで下道で2時間程度って羨ましすぎる。R480にぶつかると高野山ですごい車と人。とりあえず金剛峯寺をみて、昼食。精進料理とかも普通にあったけど、気が付いたらカレーを頼んでいた。恐るべしカレー臭。

高野龍神スカイライン
高野龍神スカイラインの最高所あたり

 R371で北上。ほぼ舗装林道な典型的な3桁国道。前半は山、後半は川。高野山からだとすぐのトンネルから見える景色がすごく良いが、道にバイクを停められる余裕が無い。京奈和自動車道やR370、R309などで微妙に道を間違えつつも、R169を北上。車が多く遅々として進まない。途中K155〜K15を進むと、やたらとレンタル自転車が目に付く。奈良のこの辺は自転車くらいの機動力の方が向いている(かつ学生時代に一度来ている)ので立ち寄ることなく北上し、もう一度寄りたかった石上神宮へ。歴史はあるのに相変わらず人が少なく良い雰囲気。

石上神宮
石上神宮

 そのまま天理市内の宿に行き、キャッシュカードを忘れてきたことに気付く。

 9月24日

 7時前に出発。名阪国道の無料区間を走る。こんな道を無料で走れる関西圏の人が羨ましい。伊賀上野まで名阪国道を下りてコンビニで朝食。昨日までは暑かったが、彼岸を過ぎたからか伊賀だからか少し肌寒かったので肉まんを頬張る。

 R422を北上してたぬきの焼き物だらけの信楽を越えてR307で鈴鹿峠を目指すものの、交差点手前の電光掲示板に鈴鹿峠が通行止めとの表示が。近くのコンビニで確認したところ、当然通り抜けるのは無理のようだった。ちなみに原因はこの夏の大雨と先日の台風なので、無駄とは思いつつ八風街道まで北上するが、こちらも通行止め。

琵琶湖
晴れた琵琶湖は初めて

 名古屋をパスして飯田方面へ行く予定だったが、思わぬ(調べてりゃ分かっていたが)ことで状況が変わってしまった。しばらく考え、何時でも行ける長野は諦めてまともに見ていない琵琶湖に行って一気に帰ってしまうことにしてR307を北上する。甲良の辺りで西へ向かい、K25で琵琶湖沿いを走る。かなり風が強く昨日までの暑さに慣れた体にはむしろ寒く感じた。十年ぶりに彦根城(国宝、ちなみに学生時代に国宝の城はコンプリート済み)に登り景色を楽しむ。

彦根城からの琵琶湖
彦根城から琵琶湖を望む

 一日早く帰るし、天気も良いのでR21〜K19〜R356で伊吹山ドライブウェイに向かう。やや高いピストン有料道路だけど、景色が堪能できる天気で交通量が少ないタイミング(今回がそうだった)なら十分元を取れると思う。上の方はやや風が強くてビビったけど、ワインディングも十分に楽しめた。

彦根城
天守が残ってたら国宝って納得いかない

 すぐに帰ると丁度夕方のラッシュに首都高に着くタイミングだったので、ゆっくりと昼食と食休みを取って大垣から高速に乗って、定期的にタバコをのんだだけで三郷ICまで走り続る。予定通り夕方のラッシュを避けて流れている首都高を抜けて…流れが早く車線変更や割り込みが多い首都高を疲れた状態で走るより渋滞の方が正直楽だと思った…帰宅。

 丁度このツーリングと一緒に長く続いた残暑も終わったようだった。





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2009年 1月25日作成
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