奥会津ツーリング


2002年05月03日〜05月05日
展望悪し
中山峠あたり…

 5月 3日

 五月晴れの空の下、先週自作したサイドバックを取り付け、キャリアに荷物を積んだら汗が出てきた。冬装備では暑いけど、春先は出発時暑いくらいでないと後で寒い思いをすることになる。
 宇都宮でDFのうーちゃんと待ち合わせているので、R4を北上。R4はやや渋滞の様相を見せていたので加須から東北道へ。80km/h以下で流れる東北道を走り、佐野SAで一服する。バイクを停めるとなにやら焦げ臭い匂いがするので、サイドバックを見てみると・・・サイドカウルとバックが溶けている!
 マフラーとサイドカバーの間に何も無いのでバックの重みでカバーが内側へ押された結果、マフラーとカバーが接触して熱で溶け出してしまったのだった。これ以上溶けないようにバックとマフラーの間に新聞をかまして(カウルは既に手遅れだった)、なぜかSAで売っていた無洗米(1合100円、コシヒカリ)を三つ買って出発。

 鹿沼で東北道を降りて待ち合わせの県道藤原宇都宮線の最初のコンビニに向かう。5分ほど早く着いたので、今晩の食料を調達し、うーちゃんと合流。
 給油を済ませて、今回最初の林道である西前高原林道に向かう。東側の一部が舗装工事で通行止めだったけど、柵が甘かったので無視して進む。ダートと舗装が入り混じっているくねくね道を気楽に流していると、突然スリップしてコケる。ダートといっても舗装するために整地してあるところでコケるとは・・・。
 スピードは出てなかったので人車ともに軽症。気を落ち着けてから先へ進む。この先は9割は舗装されていて一部見通しの良いところもある山道を迷いつつも通り抜け、鬼怒川温泉付近でR121に合流する。

レアなDFと
安ヶ森峠

 国道沿いのコンビニでうーちゃんの食料を調達して県道黒部西川線から、今日のメインの鈴ヶ森林道へ。栃木側は全舗装されているけど、やたら砂が浮いている。峠から福島側は走りやすいダートが続く(一部岩が露出していたりする)。
 荷物満載でのダート走行は初めてで、しかも下りなので慎重に走り出す。先行するうーちゃんの土煙を浴びない距離を取って、やっぱオフ車はダートで土煙をあげて走っているのが一番カッコ良いなぁと益体も無いことを考える。福島側の入り口付近は少し車が通るけど他は車もなく、所々で見える川とダートの景観はなかなか雰囲気があって気分良く走れる。ダートが終わるとすぐにR352にぶつかったので、ここから西にあるしらかば公園キャンプ場[1]に向かう。

 キャンプ場手前で一旦うーちゃんと別れて給油する。燃費も差があるけど、13Lのタンクを持つDFと7Lのタンクの初期型ジェベルでは給油回数が2倍以上になってしまう。
 キャンプ場ではSさんが待っていた。Sさんはこれから東北方面にソロでロングツーリングにでるんだけど、初日だけは僕らと一緒にキャンプすることにしていた。一服入れてからテントを張り野営の準備を済ませる。
 まだ食料を調達していないSさんが買出しから帰るのを待って、うーちゃんとすぐそばの○○温泉へ入浴に行く。この温泉には何ヶ所か公共浴場があってポストのようなところに200円入れれば誰でも入れる、しょぼいけど。管理人とかは居ないのでその気になればタダでも入れてしまったり、中には扉を開けるといきなり洗い場と湯船が現れるような浴場があったりと結構いい加減な感じが良い。

 キャンプ場に戻ったころには日も落ちていたので、焚き火で明かりを取りつつ夕食の支度をする。Sさんはパックされた食料を温め、僕とうーちゃんはご飯を炊く。Sさんが持ってきたワインを開けて良い気分で話をするが、さすがに寒くて9時過ぎにはテントに入って眠りにつく。

 5月 4日

 夜が明けたせいかテントの雨音のせいか5時ごろに目が覚めるが、雨を認識したところで二度寝に入る。他の二人が起き出しているのもわかったけど、雨は降ったり止んだりを繰り返しているみたいなので寝袋の中でぬくぬくしていた。
 7時ごろ雨が止んだような気がしたので起きて一服していると、また雨が降り出してきた。これでは朝食も摂れないのでビニールシートをタープのように張って、その下で朝食を摂ったりコーヒーを飲んだりしながら雨が上がるのを待っていた。

 9時ごろには薄日が差してきたので、テントを撤収し出発の準備をする。これからさらに北に行くSさんを見送ったあと、今日のメインである七ヶ岳林道に向かう。
 何度か道を間違えながら七ヶ岳林道に続く中山峠方面に続く林道に入る。ここは舗装してはいるものの、山側からの落石や浮き砂やクラックなどが多い。いかにも山道という雰囲気は気持ちよくて、峠からの眺めもなかなか良かった(曇ってたけど)。土砂崩れの通行止めのゲートを越えて七ヶ岳林道の入り口を探すもマップルに載っている位置とおぼしき場所には見付からず、諦めてR121に抜けてしまおうとしたところ、地図よりだいぶ東側に林道の入り口を発見した。

天気がいまいち
七ヶ岳林道

 七ヶ岳林道はガレてはいないけど、車が意外とよく通るらしく全体に轍と砂利が深い。ハンドルを取られてバランスを崩すたびに、荷物の重みでひどく車体が振られてしまう。あれやこれや気にしながら走っているうちにうっかり深い轍に入ってしまい、無理に出ようとしないように意識するあまり轍を注視しすぎて乗り上げるように今回2度目の転倒(というよりバイクを倒してしまったような状態)。
 林道の周りにはまだ雪が残っていて、一部には道にもあり結構びっくりした。でも雪以上に大変だったのは雪解け水による水溜りだ。どういうわけか路面全体を覆うように水溜りができている部分が何ヶ所もあり、経験が無いのでどの位の深さなのかとか水面下の路面はどうなっているのかがさっぱり分からないため、毎回ビビリながら水溜りを越えて行った。

 峠を越えて下りに差し掛かるころにはかなり疲れていたのが幸いしてか、余計な力が入らず楽に走ることができるようになった(遅いけど)。どういうわけか僕はオンでもオフでも下りに苦手意識がまったく無いようだ。途中で荷物満載というかプラスチックケースを取り付けたジェベルが軽やかに僕を抜かしていったときは何とか後に着いて行こうとがんばったけど、ものの1分程度で見えなくなってしまった。
 七ヶ岳林道を抜けたころには昼を過ぎていて、すっかり汗だくになっていた。多分、7割くらいは冷や汗だったと思うけど。

 R289とR401の合流するあたりで昼食を摂って、高清水自然公園キャンプ場[2]へ向かう。夕方になってから野営地を決めれば良いと思っていたんだけど、荷物が重いのと天気が崩れそうなので先にテントを張っておくことにした。
 R401から高清水自然公園キャンプ場へは自然公園にだけ続く狭いが路面はいい山道を登っていく。急勾配でどんどん標高を稼いでいくこの道は斜面にあるだけに展望がいい。
 管理棟で申し込みをすると、今日はお客さんが少ないからオートサイトを使ってもいいよと言われ、2人申し込もうとすると1人分の料金でかまわないというサービスっぷり。調子よくお礼を言ってテントサイト(管理棟から1キロ以上ある)まで乗り入れて有難くオートサイトにテントを設置して、荷物を放り込む。

 国道に戻り鳥居峠を越えて(緑の深いなかなかのワインディング、狭いけど)玉川林道へ向かう。
 玉川林道は砂利はやや深いけど、轍やガレ場は無い割りと走りやすい林道。荷物もなくなっているのでいい気持ちで走っていると、釣り人や車がひょっこり現れるのが結構怖い。駒止峠に達したところで雨が降り出してくる。
 カッパをテントに置いてきてしまっていたこともあって、どうしようかとうーちゃんと相談していると結構降りが強くなってきたので引き返すことにした。

 テントまで戻りバイクと立木で張ったシートの下で雨が上がるのを待つが、残念ながらその気配はなく日暮れをむかえる。せめて温泉に行きたかったが、さっぱりした後でカッパを着て走るのも嫌だったので諦めて夕食を摂ることにする。軽く日本酒(銘柄は忘れました)を飲んでいい気分。
 雨は依然降りつづけていたが、予報通り明日にはやむことを期待しつつ就寝。

出発前
テントとシート

 5月 5日

 夜明けごろに目を醒ますが、テントを打つ雨の音が聞こえたのでうーちゃんが起き出して朝食の支度する音を聞きながらも不貞寝に入る。降りがやや収まったころに起きて軽く朝食を摂りながら雨が上がるのを待つ。
 8時過ぎには空も明るくなり、しばらくしたら止んできたのでテントを撤収して9時過ぎにようやく出発。僕が初日の転倒で打った膝の痛みがひどくなっていたので林道は諦めることにして会津若松駅を目指す。前にも書いたけど僕の好きな名倉山を売っている所を他に知らないから・・・というかなり勝手な理由で決めた。もちろん会津若松までそれなりに面白そうな道が走れそうだというのが分かっていたからだけど。

 R401から鳥居峠を越えて、北へ向かう。昨日は峠を越えてすぐ林道に行ってしまったが、峠の先は「これは本当に国道か?」と思わせるような感じになる。日が差してきて気持ちいい新緑の下を何も考えずに気持ちよく走る。
 昭和村でできたばかりの観光用施設に入り、開店早々の飯屋で中途半端な食事を摂る。雲が多く流れが早いけど、雨が降るような感じではなかったので予定通り入間方不動沢林道へ。この林道は全面舗装で走りやすく、展望のいい場所があちこちにあってなかなか良い。駐車スペースは峠にしかないけど。

エンジンが掛からなくなるなんて知らずに気楽に写真撮ってた
只見川

 林道を抜けて、大谷川沿いの県道で北上を続ける。GWだというのにこの辺は車が少なくて快適。県道はカタナのほうが楽しく走れそうなワインディングだった。
 R252に入って会津方面に少し行ったところにある大きな物産店で休憩を取る。のんびりソフトクリームを食べた後、さぁ行こうとセルを回すとエンジンがかからない。セルは元気に回るし、ガソリンもあるのでとりあえずプラグを外して点火をチェック・・・火花が飛ばない。用意のいいうーちゃんがスペアプラグを持っていたので試してみても結果は同じ。訳のわからないままプラグコードをカットしてみたりしているうちに、アースしてなかったことに気付いて再度確認。今度は火花が飛んだ。
 元のプラグでは火花が飛ばなかったので、プラグが死んだらしい。DFとジェベルでは番数は違うけどネジ径は同じなのでスペアプラグをもらい、ようやく出発。10年バイクに乗っててプラグが死んだことはなかったからスペアをもってなかった、というのは言い訳ですね。スペアを持っていたうーちゃんに感謝。

 会津若松市内に入ると名倉山の看板を見かけるようになる。適当な酒屋に入れば売ってそうだが、一応みやげが目的でもあるので市街の渋滞を抜けて駅に行き予定通りお酒を購入。
 このまま南下していくと渋滞に嵌りそうなこととうーちゃんが水戸の方の友達の所に行くことになっていたことからやや東から茨城〜白河街道を南下するルートで行くことに決め出発。

 信号も車も少なく、快適な道を気楽に進む。だんだん退屈になってきたところで、道を歩いていた小学生が手を振ってきたのでオーバーなリアクションを返す。根が単純なのでこれだけのことですっかり気分が良くなってしまった。

 白河に着いてみると、4号線は混んでいたので294号で南下を続ける。比較的流れが良かったのでどんどん進み、栃木県の馬頭町で水戸方面に向かううーちゃんと分かれて快適ではあるけど単調な道を「あ゛ー」という感じで走る。その影響か、先日注入したミリテックの効果かジェベルで初のリッター30kmを記録。
 気にしないようにしていたサイドカバーを帰宅してから見てみるとさらに溶けて、臭かった。何よりくっついてしまった新聞紙が情けない。



[1] しらかば公園キャンプ場:所在 南会津郡舘岩村湯ノ花地内[戻る]
バイク乗り入れ可。ツーリングでただ泊まるだけなら一寸高い。


[2] 高清水自然公園キャンプ場 :所在 南会津郡南郷村大字界字長地沢口4298-12[戻る]
こちらもやや高いけど、山の中なんで気分は良いです。


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2002年05月25日作成
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