山形に行ってみた


2002年09月21日〜09月22日
スキャナのせいです
磐梯山

 9月21日

 結構ツーリングに行ってなかったが、カタナのバッテリを交換したことをきっかけに衝動的に北へ行きたくなった。生活をシゴトに侵食され、電話もままならなかったのでネットで白石市にある木村屋旅館YHだけとりあえず押さえた。

 結局時間はなく、当日の朝準備をするようなありさまで出発。当然どこをどう走るかなんてことは決まっていない。雨具とカメラの機材で一泊にしてはやや多くなった荷物を見て父が一言「野宿か?」。せめてキャンプとは言ってもらえないのか。

 9時に走り出して外環から東北道へ。ヘルメットの中の自分の呼気に半年近く僕を拘束している微熱を感じる。カタナで高速を走るのは春の那須以来なので、100km/hを超えるスピードについていけない。11時をまわったところで矢板北PAに入り、ぴあにDEF LEPPARDのチケットの予約の電話をする。あっさりS席を確保できたので気分を良くしてすぐにまた走り出す。

 郡山で高速を降りてR49〜R115〜R459で北上する。猪苗代湖、磐梯山を横目に見て桧原湖沿いの県道2号でスカイバレーを目指す。道路から見える桧原湖の北岸にある早稲沢浜キャンプ場の鬱蒼とした雰囲気はそれだけでキャンプを張る理由になりそうだった。そのまま道なりに進み料金所を越えてスカイバレーへ。裏磐梯らしいワインディングはブランクが長かったせいかいまいち乗り切れず、レンズを新調したカメラで撮影したいと思っても丁度雲が増えてきてしまったのでそれも叶わず。それでも肌寒い山の風と交通量の少ないワインディングは久しぶりに気分を高揚させてくれた。

 白布峠で一息入れた後、一気に米沢まで降りる。スカイバレーは福島側も山形側も勾配は同じように急だけど、カーブは福島側はRがきつく山形側はゆるくなっているのでぼんやりしてるとすぐに料金所に達してしまう。展望台から赤&黒滝を見たかったのに、うっかり通り過ぎてしまった。

 米沢市街で適当なコンビニに立ち寄って、無料の観光ガイドを缶コーヒーを飲みながら眺める。米沢と言ったらやっぱり肉、でもあまり肉は好きじゃない、山形ってワインが結構有名だったような、と止め処も無く考えていると、ガイドに上杉神社隣の上杉記念館では肉の配送可とあったので柄にも無く親孝行を思いついて上杉神社を目指す。

 市のほぼ中心にある(米沢城址なんだから当たり前だ)上杉神社にお参りをしながら、初めてのツーリングは春日山を目指したことを思い出した。春日山は言わずと知れた上杉謙信の本拠地で、僕自身は謙信より信玄のほうが好きなくらいだけど典型的な山城を見たかったんだとおもう。ちなみに春日山(越後)以降の上杉家は景勝の代に東北で百二十万石を領し、関が原の後米沢三十万石のみを領することになった。この米沢は百二十万石を領していた時には直江兼継の所領だった。上杉氏には勝敗は無かったけど、負けた方(西軍)側に付いたことで家臣の身代に落とされてしまったわけだ。

逆光はつらい
滑津大滝

 お参りを済ませ、値段に腰が引けてしまったが牛肉とワインを買い配送を依頼する。送料は当然として梱包料位はサービスして欲しかった。
 予約したYHは山形と宮城の県境に近いところにあるので県道1号で北上し、R113で宮城方面へ向かう。この国道は緩いカーブが続き、道幅も広いせいか地元の車はかなり飛ばしている。滑津大滝という看板が目に入ったので寄ってみることにする。高さは無いけど幅が結構ある滝で、被写体として申し分なかったけど日没間近・雲・逆光で露出に苦しみつつ撮影。

 R113から県道51号を不忘山を正面に見ながら北上する。経験上日が暮れるとユースを見つけることが困難になる(ユースは大抵地味な上にちっこい看板しかない)ので、周囲は完全に畑で交通量が少ないのを良いことにペースをあげて走る。爽快。県道254号から少し入ったところにある木村屋旅館YHに何とか日が暮れる前に到着。ここは旅館がユースも兼ねている形式なので結構設備なんかは良かったけど、当然扱いが違う(帳簿をつけている人と同じ部屋で飯を喰った、ユースにしては美味かったけど…)し他にユースでの客も居なかったのでさっさと就寝。

 9月22日

霧が…
御釜

 6時過ぎに久々の長距離の疲れといつもの微熱を感じながら目覚める。少し寝足りない気がしたけど昨日旅館のヒトに「朝は早く発ちます」と言った手前、格好がつかないのでカラダを起こして準備を始める。
 カウンターに挨拶をし、エンジンが温まるのを待つ間旅館に住み着いている猫をからかう。

 薄日が差す中R457を北上して蔵王方面に走り出す。県道12号、エコーラインの入り口付近にある店の駐車場にはツナギを着たライダーが屯っていた。当然そういうワインディングで、一部路面が荒れたところがあるけどしばらくはアップダウンが少くて走りやすい。立ち寄るつもりでいた滝見台は土砂崩れか何かで工事中だったので、気合の入った連中に何度も抜かれながら進む。

 ハイラインを通って御釜を見に行く。この位の距離ならサービスしてくれないかなと思う。じゃぁ歩いて登れよ、と言われるとお金払っても楽したいけど。御釜を見下ろす位置にある○○神社から写真を撮っているとむわーっと霧が出てきて視界がなくなってしまった。少し待っても晴れる気配がないので喰い足りなさを感じつつも御釜を後にする。

 刈田峠を越え、蔵王ライン(県道53号)で○○市方面へ向かう。R13手前にあるコンビニで時間を確認するとまだ9時で、予報では昼頃から雨だったが天気が持ちそうなので山形市まで北上して蕎麦を喰うことにする。と言っても事前に何も調べてないのでコンビニで観光情報誌を買って見てみると、どの店も11時30からしかやってない。ただ北上したら30分もかからずに着いてしまいそうなので、県道21号から西蔵王高原ラインを通って行く事にする。

 西蔵王高原ラインは山村の中を通るハイスピードコーナーの走りやすい有料道路…ではなくてコーナーに減速帯?(横に盛られたパターン)と縦溝がやたら多くて走りにくい道。確かにこういうのがあれば飛ばす気にはならいだろうけど、普通に走ってても操安に影響があるような暴走対策を誰が採用したんだろう。

 遠回りをしたけど11時前には山形市街に着いて、そのまま駐車場がある羽前屋本店という蕎麦屋に行く。駐車場にバイクを停めてすることも無くボケーっとしてたら声をかけられてとりあえず店内に入れてもらう。まだ準備が終わってないらしく、店のおばさんと世間話をしながら時間をつぶしているうちに開店時間になったので、かしわざる(900円)を注文する。僕は蕎麦好きだが味にウルサかったりはしない。むしろよほど不味くない限り「蕎麦が喰える」ことで満足してしまう。つまり、僕は美味しくいただいたけど、みんながみんなそう思うとは限らないと言うことです。

 県道13号金山峠を越えて南下し、R399で太平洋側に抜けようと思ったら福島側通行止めの掲示が…。そのままR13で福島市に向かうことにする。福島との県境の西菓子トンネルを抜けると、雨。朝天気図を見た限りでは南の方が悪いようなので帰ることだけを考えて福島市を抜けR115〜R349〜R49でいわき中央ICを目指す。山道でもなく幹線でもない微妙なルート。

 雨は強くなったり止んだりを繰り返す。さすがに日が暮れた高速を雨の中走るのは、雨が嫌いじゃないとは言え危険を感じる(鳥目と言うのもある)。後はひたすら距離を消化した。一泊で900km強、腑抜けた体は疲れきって頭痛がひどかったが気分は悪くなかった。



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2002年10月16日作成
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