東沢・釜の沢西俣遡行〜信州沢右俣下降

日時;2002年5月25日〜26日

メンバー;L源水拓也、宮内眞裕

 

 

今シーズン2回目の沢。出発3日前から風邪気味。当日も身体が重いのを感じながら、源水さんを迎えに行く。事前の予報だと土日とも、にわか雨があると言っていたが、大丈夫だろうか。

25日。朝6時頃、上大岡付近を出発。中央高速勝沼IC経由で西沢渓谷へ向う。9時前に到着。駐車場はほぼ満杯。準備をして出発。東沢出合までは登山道。そこから足元の準備をして入渓。少し進むと昨年来た鶏冠谷出合に着く。懐かしさを感じながら先へ進む。旧登山道を利用してホラ貝のゴルジュを巻いていく。所々からその様子が見える。岩にエメラルドグリーンの水と新緑が映えていて飲み込まれそうだった。
山の神から先、沢に戻り遡行する。石伝いに左右に徒渉を繰り返していく。乙女の沢、東・西のナメ沢が新緑に映えて美しかった。単調な歩きにスパイスを効かせてくれた。釜の沢出合で1パーティー、魚止滝で1パーティーと出会う。魚止滝は正面左のスラブを登る。思ったほど難しくなく巻けた。このあと、千畳のナメが目の前に現われる。幅広いナメに新緑と沢水に陽光の輝き。所々咲くヤシオツツジのピンク。そのコントラストに思わず声が出た。好きな所を気持ち良く歩く。両門ノ滝の10分くらい手前で天場になりそうな所があり、荷物を降ろす。先に天場になる所があるか見に行くが、無かったので戻ってツェルトを張る。焚き木を集め、14時半すぎには火を熾していた。空を見上げれば青空があるが、時々薄黒い雲が湧き、いやな気持ちにさせる。焚火で寛いでいる我々の前をこのあと3パーティーが通りすぎていった。心配だったにわか雨もなく夜はふけて、20時ごろ就寝。

26日。今日も晴れ。朝寒いので火を熾し直す。身体を暖めながら朝食。煙が鼻につき、収まっていた風邪がムクムクと起き出してしまった。1日中、鼻がムズムズし辛かった。両門ノ滝の西俣側の滝を正面左側から樹林の中を巻く。最初の滝の所で単独行の人が降りてくる。淵のある2.5m滝を右から越え、その後も2つほど滝を越えていくとナメとナメ滝が出てくる。なかなか良い感じ。昨日の千畳のナメも良いが、自分はこのナメの方が好きだ。幅広く明るい感じではないがナメと小滝が小気味良く繰り返され楽しかった。ナメも終わりに近づくと倒木が目立ってくる。幅広いゴーロ歩きが始まると所々に倒木はある。それでも明るい樹林の中を歩いていると奥秩父の沢に来ているという感じがする。沢を始める前から奥秩父は明るい広・針葉樹林の中を歩くというイメージがあり、沢に対しても同じだった。それが目の前に広がっていた。二俣に着く。今回は本流の左沢へ行く。遡行図にある30m大滝が無い。いつから無いのだろうか。あるのは倒木と大小のガレの山だった。源水さんと話したが滝は埋まってしまったらしい。水流は消え、がっかり。ガレと木の斜面を登り越していくと水流復活してニッコリ。ナメ滝が現われる。写真を撮りながら気分良く登っていく。難しい所はない。このあともナメとナメ滝が続き、最後に多段20m滝が現われる。下に着き、源水さんに「水流沿いに直登ですよね」と言って先に登らせてもらう。天気が良い事もあって気持ち良く滝を越えていく。終わると目の前にガレの斜面がいっぱいに広がっていた。目の前の稜線が何だか遠くに見えてしまう。途中から右岸の樹林帯の中に逃げて稜線の登山道に出た。休憩後、国師岳方面へ向い、登り返し手前の鞍部から信州沢へ下降する。苔むした樹林の中を行く。最初は「なかなか良い雰囲気」と思ったが倒木が多く、岩に付いた苔に乗ると苔ごと足が滑る。これが長く続き、いい加減いやになる。抜け出すと今度はガレを下る。水流無し。一息付こうという雰囲気になれないと衆議一致し、水流が復活する左俣合流地点まで降りる。ここからが良かった!美しいナメと釜が次々と出てきて、とても楽しい。金山沢出合から昨日来た道を戻って帰浜しました。帰り、雷と強い雨。これが昨日に無くて良かった。

今回、二人だけの山行。このような沢は、みんなでわいわいと楽しむのにもってこいの沢。行かなきゃ損損の沢と実感したこのごろでした。

源水さんに「会の沢人口を増やしましょう」と言ってしまうくらい、楽しい沢でした。風邪を引いていなければもっと良かった。このあと2日ほど寝込んでしまった。独り身としては辛く苦しい2日間。沢の2日間と正反対の日々を過ごしました。

コース&タイム(記;宮内)

5月25日
西沢渓谷入口9:00→→東沢出合9:30→→魚止ノ滝11:30→→天場13:30

5月26日
天場7:00→両門ノ滝7:15→二俣8:00→稜線9:20、9:30
→信州沢右俣下降点9:45→左俣出合10:45→釜ノ沢出合11:50
→東沢出合14:10>→西沢渓谷入口14:35