那須連峰・苦土川井戸沢遡行、峠沢下降

日時;2002年8月9日(金・夜)〜10日(土)夜行日帰り

メンバー;宮内、蜷川、小倉

 

8月10日

那須にある2級の井戸沢に行く
蜷川さんと小倉さんの剣合宿の事前トレーニング山行で沢に行く。なぜか自分がリーダー。場所を言い出したのが自分だから仕方が無いか。

9日金曜の夜、二俣川駅に22時集合。小倉さん20分遅れ。第三京浜経由山手通り、122号経由で浦和から東北自動車道。1時間半ほどで浦和まで行った。西那須野塩原ICで降り、深山ダムへ向う。ダムへの左折個所を通り過ぎ、板室温泉まで行ってしまう。戻ってダムの手前の駐車場で仮眠。これが失敗した。周りが樹林帯で窓を少し開けて寝ていたら、蚊が入ってきて寝られなかった。しかも暑い。翌日、井戸沢へ向う途中に快適な駐車場がダム傍にあった。ダムから先、デコボコの林道を進む。「まだかな〜」と思った頃にゲート到着。車が3台あった。かたわらに車を止め、出発。林道を歩く。快適に行くと三斗小屋へ行く道を通りすぎてしまう。井戸沢に入渓する3人が戻ってきて教えてくれた。途中、二俣が何回もでてきて、行き先表示の無い林道を進むと写真で見たことのある跡に出会う。三斗小屋宿跡。もう少し・・道を下ると沢に出た。入渓地である。沢の準備をして井戸沢に入る。

最初はゴーロ。・・

出合は貧相。この先にすばらしい沢があるようには見えない。伏流の中を歩いていると3mの滝が出る。簡単に登る。続けて15mの大滝。水流左を登れそうにも見えるが左岸のリッジを登って巻く。蜷川さんが先に登って最後の小さなハングだけロープを出し小倉さんを引き上げる。この後、小倉さんがロープを束ねようするが今一つ・・蜷川さん苦笑い。「剣でこんな状態だと大変かも」と言っている顔だった。ここから上は快適なナメとナメ滝が小気味良く続く。一回もロープを出すこともなく水流沿いを飛沫浴びながら登る。願わくば青空のもと歩きたかった。雲が多い。青空は朝のうちだけだった。晴れていれば茶臼や流石山の稜線を見ながらの快適遡行なのに・・愚痴を言っても仕方がない。しかし、開けた明るい沢は身も心も開けて気持ちいい。小倉さんは登るのが必死のようで楽しめていない様子。勿体無い。沢は楽しんだもの勝ちと思う。10m15mの滝があったがあまり立っていないし・・蜷川さんも今年最初の沢ということもあって楽しんでいた。小倉さんは・・ちょっと危なっかしい。6mの滝を巻いて沢に下りるとき、残置トラロープを掴んで沢に降り立つのに、なぜか上に上がろうとする。降りるときは慎重ではない。落ちるようにして降りた。というより落ちた。平らな所だから良かったけどいやらしい所だったら滝にさようならだった。
服巻さんに以前「自分は谷川で死ぬタイプ」と言われたが、その自分が小倉さんを見ていて恐く感じる。順番に物事を片づけない性格なのかなと今回2度目の山行で思った。
沢沿いにはカエデが多く、この沢の記録に秋の季節が多いのが納得。二俣で休憩し右俣へ行く。昼食場所を探す。あまり上がってしまうと水が無くなってしまう。奥の二俣を過ぎた辺りに決める。メニューは、冷やしそうめん。3人で6把。ちょっと物足りなかった。湯を沸かしている間、ハーケンを抜く練習を二人がしている。蜷川さん曰く、「本番ではハーケンが回収できないかも」と言っておりました。昼食後、かすかに見える稜線へ向って再遡行。少し冷えた体に水は冷たく感じる。が、すぐに暑くなる。詰めは草地の笹の中を歩く。ガスの中を歩く二人を後ろから見ているとなかなか絵になっていた。ちらほらだが高山植物も咲いている。白山風露や兎菊、トリカブトの仲間にミヤマセンキュウ。ニッコウキスゲの群落には出会えなかった。もう花期が終わっていたのかも・・1週間前に行った白山では満開だったのに・・狭い日本でも東西南北の差は大きい。稜線では一瞬会津の山が見えただけ。ガスっていたが心地よい風を受けながら登山道を歩く。大峠から三斗小屋温泉方面へ行き、30分程歩くと沢に出る。

峠沢である。苦土川の本流である。蒸し暑さからの解放。冷たくて気持ちいい。思わず喉を潤す。1級の沢なので難しい所は特になくザブザブと下る。ナメと釜の多い沢だった。1時間位して蜷川さんが「出合はまだか」と聞く。「あと30分くらい」と答える。下り始めて1時間半で出合に到着。7時間ほどで遡下降が出来た。装備を外していると井戸沢で出会った3人が、三斗小屋温泉経由の登山道で降りてきた。少し話した後、別れる。林道を惰性で車まで歩く。帰り幸の湯という日帰り温泉施設に行く。宿泊も出来るらしい。造りが変な施設だった。洗い場が少ない。脱衣室が異様に暑い。日帰り客と宿泊客の導線がごちゃごちゃ。欠陥住宅のようだった。湯から上がると土砂降りの雨。良かった。あと1時間遅かったら林道の中で立ち往生していたかも。運が良かった。

東北方面への足掛かりとして井戸沢に行った。今度は「一里野沢」か「大蛇尾川」へ遡行に行きたいと思った。

コース&タイム

ゲート手前7:10→三斗小屋跡8:00→井戸沢出合8:05、8:45→15m大滝9:05
→高巻き終了9:25→二俣10:30→昼食11:00、11:55→流石山12:50→峠沢14:00
→出合15:35、16:00→ゲート16:40