八ヶ岳バリエーション

日  時;2004年12月27日(夜発)〜31日(夜行3泊4日)
メンバー;L宮内(眞)、西、平井(29日入山)

28日
とてもいい天気の中、美濃戸山荘までは順調に歩けた。だがここから先、行者小屋までの歩きでかなりのペースダウン・・急ぎたくても足が進まない。4時間半もかかってしまい、この日に阿弥陀北西稜を登るつもりだったが諦めた。テントを張り、山々をバックに写真を撮ってから北西稜へ明日登るために下見に行った。登山道脇、ビニールテープの巻いてある木のところから巻くように夏場だと涸れ沢になっているところへ向かう。沢を少し詰め、沢が右へ曲がる手前から尾根へ取り付く。樹林の密度もそこそこのところを登ると尾根に出る。西稜の尾根を見ることができた。尾根を少し登ると露岩に出た。今日はここまでとして、行者小屋へ戻った。この日テン場はさびしく4張りほどだった。
夜、テント内はとても寒かった。4人用に二人だから当たり前かもしれないが、3シーズンシュラフにアンダータイツ無しは厳しかった。寝たり起きたりの繰り返しだった。

阿弥陀岳をバックに

北西稜登り口



29日
小雪舞う中、北西稜へ向かう。昨日につけたトレースをなぞって露岩まで難なく進んだ。岩の下でアイゼンを装着。岩の右側から上にあがる。少々樹林がうるさいが尾根を忠実に歩く。木々の間から上部岩峰が見えた。やがて雪の少ない低木に囲まれた急な雪面を登る。登りきると少ピークがあるリッジ部分に出た。周りには樹木が無く、この日は風があまり無く良かったが、風が吹いているときは結構つらいかもしれないと思った。ここからはリッジの右側を進む。やがて正面に草付が見えてきた。その第1岩壁の階段状の草付を登った。登った上からロープを出して登攀を始めた。
1ピッチ目・20m弱(リード;宮内)
凹角部からリッジ部分を登っていく。ホールドスタンス共豊富で思ったより登りやすかった。
2ピッチ目・15m(リード;宮内)
バンド15mほど左に回りこむように第2岩壁下へ進んだ。特に難しいところはなかった。
3ピッチ目・30m弱(リード;西)
核心である。西さんがリードしたいということで西さんがリード。A1かA0というところを我々はA0で臨んだ。A0するところまで1段登ってから右へトラバース気味に進む。そこから高さ6〜7mほどのハーケンが連打された凹角状をA0での登る。最後の部分でガバホールドをつかむ態勢に足を置くことができず苦労した。「第2岩峰は難しかった」という印象だった。逆に自分たちの課題も見えて、今後の練習課題として取り組もうと西さんと話した。
登攀終了後、ロープを片付けて雪の少ない雪面を御小屋尾根まで登り、誰もいない阿弥陀岳頂上に着いて記念撮影後、中岳沢の登山道経由で行者小屋へ戻った。

この日、平井君が合流するはずなのだが来る気配が無い。我々は時間があったので小屋の中でビールをを飲みつつ待った。小屋泊の人は次々来るのだが・・ときどきテン場へ見に行ったが気配なし。16時半過ぎにテントに戻り、17時過ぎから夕食の準備をした。米が炊き上がった頃、平井君到着。
午後1時頃に美濃戸口着のバスで来たらしかった。

雪面から岩壁方面

リッジ手前

リッジから岩壁方面

凹角部からリッジ登攀

第2岩壁登攀終了後



30日
今日は阿弥陀北稜へ登攀する日である。今回が始めての平井君を連れて3人で出発したが、中岳沢へ行くのを間違えて、左側の沢を進んでしまった。それを知らずに取り付いたのが中岳の尾根だった。交代でラッセルをしながら高度を稼ぎ、気づいたときは頂上だった。登っている途中でも石楠花の中を分け入って歩いたりしたのが「おかしい?」と感じはしたが、取り付き尾根がずれたくらいにしか考えていなかった。結局文三郎道を下ってテン場に戻ってきた。再び登りかえしたくないという意見により行動は終了になった。平井君は「登攀装備がボッカ荷物になった」とぼやいていた。稜線が見えなかったとはいえ、間違えたのは残念だった。

間違えた沢方面

中岳沢方面

31日
西さん、平井君は源水さんと合流して明日赤岳登頂のために残り、自分だけ先に下山。起床時には、月も出ていたが、出発時は曇り空。天狗岳方面へ行っていた大塚パーティと渋ノ湯で合流するため、先を急いだ。この日は登ってくる人が多かった。駐車場へ着くと自分の車だけが凍り付いていた。管理人さんがお湯を出してきてくれて、ガラス部分の氷を溶かさせていただいた。
帰りの道路は大雪であちこちにおいて事故多発(特に高速道路)でえらく時間が掛かった。自分も同乗者も疲れた。自宅着は21時前だった。Dynamiteと紅白のマツケンサンバを見て、長谷寺で除夜の鐘を突いた。鎌倉で年越ししたのは初めてだった。

行動時間
28日(晴れ)
美濃戸口7:10→行者小屋11:40 午後、北西稜偵察。
29日(小雪)
行者小屋6:05→露岩6:50→リッジ手前7:30→登攀終了11:50→阿弥陀岳頂上12:15→行者小屋13:40
30日(曇り)
行者小屋8:00→中岳→行者小屋11:30
31日(曇りのち小雪)
行者小屋7:00→美濃戸口8:50