ナメラ沢遡行〜小荒川沢下降、大荒川沢遡行〜中ノ沢下降

メンバー CL 宮内、伊澤、西、松原、溝越
期日 2005年10月29日〜30日
地域・山域 奥秩父
ルート
山行形態 無雪期の遡下降


自分にとって今年最初の沢。
昨年11月以来約1年振りである。
奥秩父にある沢を遡下降しようと思い、
地形図を睨めっこして今回のルートを選んだ。
地形図上では8の字を書くように行動した。

10月28日

金曜の夜、道の駅みとみで仮眠した。他にもテントが数張あった。

10月29日

ナメラ沢〜小荒川沢

朝、雁坂トンネル料金所手前の駐車場に移動して出発。峠沢の入渓地まで林道と登山道を歩いた。入渓後は久渡沢の合流地点まで下降してから久渡沢を遡行。4mほどの滝を登って左岸から中ノ沢が合流してからがナメラ沢の遡行である。天気もあまり悪い方へは行きそうもない感じでまずまずだった。

順調に遡行して行くつもりだったが、自分が10×20のナメ滝の中間地点から滑落。左ひざ下を打撲。遡行図通り巻いたほうが良かったか・・数分間ほど痺れで歩けなかったが、傷口をふさぎ、西さんから布を借りて圧迫して先を進む。さらに溝越君が左ひざを打って手当てを受ける。幸先が悪い・・
その後は特に問題もなく進む。が・・遡行速度は落ちた。ナメラ沢は明るく、中流部のナメ部分は岩盤の上を流れる沢水に、時折陽もさして気持ちよい歩きだった。紅葉は今ひとつだった。
左俣を詰めて稜線に出るとガスっていて寒い。少し休憩してから小荒川沢下降地点まで登山道を歩く。雁坂嶺手前の2240m付近から北斜面へ下降し始める。最初は苔むした樹林帯の中を下る。やがて、大ガレ部分に出た。最初は何と言うことも無いだろうと思っていたが、予想以上にガレ部分が長く、かつ浮石も多く速度が落ちる。崩壊著しい小荒川沢だった。溝越君も左ひざが痛いらしい。西さんは「昔、鍛えさせられたから」と楽しそうに下っていた。小荒川沢は標高1450m付近から水流が出てきた。その後、12mほどの滝が出てきて右岸から巻いて、細引きを使用して斜面を下る。この時点で16時半近くだった。日暮れとの勝負になった。大荒川沢出合まではゴーロの沢だった。BPを探すがなかなか無い。結局出合にある4m滝上をBPとした。着いてテントを張ったあと、暮れた。
焚き火を起こそうとしたが、なかなかうまく行かず夕食等が中途半端になってしまった。寝る前になって勢いよく点きはじめた。
夜は星空が出ていて、翌日は天気であることを祈った。

10月28日

大荒川沢〜中ノ沢

4時半起床。6時出発であったが、朝食の思った以上に時間のかかるタイプのうどん作りだったため出発が1時間遅れた。右岸から大荒川沢へ降り立ち遡行開始。所々に岩魚がいたらしい。先頭を歩いている西さんが見つけていた。天気は曇り空。昨日よりも悪そうであった。
大荒川沢はきれいな沢だった。小滝が多く周りは原生林。雰囲気は北欧?と言っては大げさか・・小滝をいくつか登り、やがて10mほどの滝に出る。正面左側を念のためにロープを用いて登る。そのため時間が掛かってしまった。中間部に12m強の滝が出てくるが、先ほどの滝で時間をかけすぎたので、右岸から巻く。
その滝の前後は小滝(ナメ滝やトイ状の滝など)が多くかかっており、ナメも続いていてなかなか楽しい。所々きれいに色づいたところもあり写真をメンバー撮っていた。三俣に正午近くに到着。水源が近い様相だ。雰囲気は中俣が良いらしいが下山もあるので左俣を詰める。
標高2050m過ぎにあるちょっとした二俣(地形図上のはっきりとした二俣はもう少し登る)で自分は右俣。他メンバーが左俣をルートだと主張するので、多数決で左俣に行く。予定より早めに尾根に上がり、自分の考えた予定よりも東のコル側のほうへ登っていった。
稜線に出て西側のコルに少し移動。中ノ沢下降前、中ノ沢左岸斜面が太陽に当って色づいた木々が輝いていた。期待して降り始めるがガスってしまい黙々と下る。樹林帯を抜けるとガレ沢が待っていた。昨日の小荒川沢に比べれば楽だった。しかしゴルジュなので落石は出来ない。雰囲気はなかなか良い。右岸左岸から合わさる支沢もガレていた。
やがて水流が細々と出てきて沢も広がってきた。一箇所懸垂で下りないといけない滝に出くわす。順番に懸垂した。最後の一人が降り始めたとき、落石を起こし、下で離れていた自分に落ちてきた。壁側にへばりついたが(どこかで方向が変わったのか?)右腕に当たり、右足アキレス腱に当った。真下側にいたら危なかった。当ったとき「運が悪い・・昨日今日は厄日か?」と思った。幸いにも岩をつかんだりするのに支障はあったが握力落ちる程度の打撲で済んだ。そのため、下降には支障がなかった。ガレを抜けるとゴーロが続く。
この頃から左足が思わしくない。先へ進もうと思うのだが、脚が出ない。ナメラ沢出合に近づくにつれて左岸の樹木は色づいていたが、残念なことにガスっていた。出合に17時頃到着。写真はフラッシュを焚いたので暗く写ったが、多少の明るさはあった。久渡沢を歩いているときはヘッデンを使用した。初日に登った4m滝はヘッデンを頼りに下降。峠沢を遡行して初日の入渓地点に到着。17時40分。このあと登山道を歩いたが、沢に比べて格段と歩きやすかった。駐車場の外灯下で片付けた。
久しぶりの遡行にしては充実しすぎるほどの内容であった。
無理しすぎたかな?とも思った。

駐車場で片付けた後、ほったからし温泉へ移動。終了時間近くまでゆっくりとした。
そのあと、以前寄ったことのある焼肉店に行き夕食をとって各自の家の近くまで送り届けた。(途中までは溝越君にお願いした)



遡行開始

ナメラ沢(1)

ナメラ沢(2)

東破風山

小荒川沢下降(ガレ上部)

小荒川沢ガレ場を振り返って

BP付近から小荒川沢を振り返って

大荒川沢遡行開始

大荒川沢の雰囲気

大荒川沢の雰囲気(2)

大荒川沢の雰囲気(3)

大荒川沢の雰囲気(4)

大荒川沢の雰囲気(上流部)

大荒川沢の雰囲気(三俣)

中ノ沢下降(ガレ部分)

ナメラ沢合流地点

入渓地に戻って

行動時間


29日
駐車場6:20→峠沢入渓地点7:00〜7:30→稜線11:50→小荒川沢下降点13:00→大荒川沢出合4m滝上BP17:00

30日
BP7:00→三俣11:40→稜線13:20→中ノ沢下降点13:30→ナメラ沢出合17:00→峠沢入渓地点17:40→駐車場18:20