奥秩父の金峰山から南に派生する尾根にある八幡山に突き上げる伝上沢を目指した。計画段階では知らなかったが奥秩父両神の沢に載っていたらしい。本では途中で引き返す記録であったが、我々は稜線まで進む予定。
8月4日
移動
中央自動車道を利用して、昇仙峡・荒川ダム方面へ向かった。クリスタルラインに出くわしたところでテント仮眠。翌朝森林浴広場へ移動。
8月5日
伝丈沢〜左俣遡行〜金石沢下降
広場には1台いた。釣り師の車だろうか?天気もまずまず。 ゲートから御岳林道を少し歩き、カーブの地点から山道を歩いた。右岸から左岸に渡り最後の堰堤を越えたところが入渓地点。ここまで30分ほど。 ゴーロの先に小滝が見えた。朝日が差し込んだ情景はこれからの遡行を約束してくれたみたいに思った。5分ほどで幅広のナメ滝に出会う。幅広なのだが手前を木の枝が覆っているので見栄えは良くない。釜を膝から腰下まで浸かって、傾斜のゆるい部分を登る。このあとにナメ部分が出てくる。苔むしていてなかなか良い。釜のある1mほどの滝のあともナメ。長さはないが適当な感覚で出てくる。そのあと中間部はゴーロになるのだが、白い花崗岩の岩・石、沢床も白い砂が敷き詰められていて、陽に反射してキラキラと美しい。金雲母?のような鉱物もありキラキラ感が増していた。再びナメが出てきて、メンバーの一人が倒木にあったヒラタケを見つけ収穫していた。大滝手前のナメ滝?を水流沿いに突破し、進むと2段30mの滝に出会う。 のっぺりとした大岩なので直登は出来ない。ガイド以外のルートで登れるところはないかと物色。左側の岩の大き目のクラックを利用して登れそうだったが、その上が下からだと登れるか分からないので右側から巻いた。落ち口に立つのに懸垂が必要と書いてあったが、小さく巻くとロープ無しで落ち口に立てる。拍子抜け・・・ここしかロープを使う場所がないはずだからだ。休憩時間を取って、狙っていた場所のどうか見に行ってみたら、階段状になっていて簡単だった。もったないことしたかなと思った。 ここから上部は記録にないので出たとこ勝負で、楽しみでもあった。この先もナメが出てきて気持ちよい。20分少々で二俣。右俣奥には滝が見えた。 左俣に入ってもナメ。苔むした感じはなくなり、規模は小さいが釜の沢の千丈のナメみたいだった。ここを過ぎると左岸から一枚岩の滝の支沢が出合い、上部の方にも滝らしきものが見えて支尾根に突き上げていた。先には青空が見えていて詰めてみたくなるところだった。この先、下草が増えて流れも細くなる。これが続くのかな?と思っていたら、滝が出てくる。5m・2mの2段の滝。続けて5m・5m2段の滝。このあと少し開けた感じの中に流れを作り、予想していない変化が出てきて楽しい。 思ったよりいい沢じゃない!と感じた。メンバーも「いい感じの沢だね」と言ってくれた。「明るいところは南アルプスの沢みたいだね」と話していた。右岸から八幡山の近くの岩峰群に突き上げるガレの支沢が出合うところから本流もガレっぽくなる。しかし、チョロチョロと水は枯れない。八幡山に突き上げる沢へ向かうが直ぐに樹林の中に入り、薮っぽいのでさほど考えもせずに少し戻り右側の沢を詰めた。ここは薮っぽくなく稜線に簡単に出た。出てから現在位置を調べようとして、一瞬ここはどこだ?となってしまった。考えもせず来たので八幡山の少し北側に出たくらいと思っていたのだ!実際はもう少し離れていて、北側の樹林越しに金峰山の五丈岩が見えて位置が分かった。 この後は踏み跡があるというが枝葉に隠されていて尾根沿いは薮。藪漕ぎをするようになってからは、それまで気持ちよさが飛んでいってしまった。何せ暑いからである。2088mの八幡山ピークから2035mピークの間も踏み跡が出たり消えたり、薮をこいだりした。2035mピークからは金峰山から瑞墻山まで見渡せた。この先は踏み跡がしっかりとあり歩きやすい。チョキというピークまで順調に行く。この先から金石沢へ下る踏み跡を探しながら歩いたが見つからない。稜線を進みすぎたようだった。仕方がないので尾根を下り金石沢を目指す。尾根には縦横無尽踏み跡があり、「仕事道か?」と言いながら下る。やがて沢に出合い、金石沢沿いの進む。こちらは大岩やデカイ堰堤が出てきて、その間を踏み跡が出たり消えたり。踏み跡を利用しながら下るが長く感じた。空模様も怪しくなり今にも降りそうな感じ。金石橋に着いたときはホッとした。装備を外して広場へ移動。10分ほどで到着。
今回選んだ沢は、アプローチが長いし下山路がないに等しいので行きにくいと思っていたが、遡行してよかったと思った。ただ、前日の日中に海水浴をしたので日焼けで体がヒリヒリするし、だるさもあったので、これからは遡行(登山)前日には海水浴はやめようと思った。
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