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つくづくやなタイトルだなぁ


もちぶぅ〜ん

  さすがの田舎でも、もう餅を臼(うす)と杵(きね)でつく家は少なくなって、かくいう我が家でも餅米は新米だが物置の床で餅つき機がぶいぃ〜んとついた餅を食っている。
  管理人も中学生の頃は餅つきを手伝ってうんとこしょと杵を持ち上げたものだが、臼と杵はまだあるものの、もはや持ち出すこともない。戸板に粉を蒔いて、四角くしたり丸めたりした餅を乾かす光景もいまや昔である。味気ないような気もするのだが(かき餅用に薄く伸ばしたものはいまでも天日で乾かしているが)、機械でついた餅の味はというとこれが案外に旨い。
  焼いた際の膨れ方はいまひとつだが粘りと伸びはなかなかである。雑煮に入れると杵つきよりなめらかだったりする。
  焼いてもまんべんなくなめらかで、もはや杵でついた餅の味を忘れかけているのもあってか頬がゆるむほど旨い。
  もはや餅が好きなだけである。焼き餅の方が好きなので、網の上で餅の焼けてゆくのが正月の楽しみなのは古典的なのかも知れぬ。炭火ではないが、七輪を出して炭火をおこすのも面倒になっていてコンロで済ませてしまう。
  慣れというもので何年もそうして機械づきコンロ焼きの餅を食っていると、杵つき炭焼きより旨いのでは、と思えてくるから不思議なものである。単に舌が細っているだけかも知れないのだが。
  まぁ、焼けてしまえば餅は餅である。今年の正月もほくほくと食った。
  我が家は元旦は餅を雑煮にする習慣なので元旦は我慢したが(どうせ仕事でいないのだけれど)二日からは晴れて焼き餅解禁であるので(別に禁じているわけではないが)、存分にちぎって伸ばして食った。
  熱々の餅を吹き冷まし、醤油にひたして口に入れるあの幸せ無くしてなんの正月か。
  むろん足許は炬燵に限る。炬燵はこのときのために開発されたと言っても過言ではない。その上で餅を食うためにあるだ、あれは。テーブルで餅を食すなど以ての外である。おせちの量は減らしても、餅と炬燵をはずしては正月が来ない(←田舎モンの発想)。
  ここ数年来、そうして餅を食う度に思い出すのは餅つきの光景である。
  その昔、年末年始というのは餅をつくために(むろんそれだけではないが)親戚一同が集まる日のあったもので、あちらの家こちらの家から親戚が寄り集まっては女衆が餅つきの準備をし、男衆がたばこを吸って準備の済むのを待ちながら世間話に興じ、子供たちが所在なげに走り回って遊んでは叱られ、やがて餅つきが始まると皆が臼の周りに集まってはやし、内心実ははらはらしながらつき手の落とす杵と、返し手の餅をひっくり返す手元を注視して押しだまり、つき手と返し手(最初は本家の主人夫婦)の掛け合う声だけが庭に響いていたあの光景だ。
  年末は勤めの疲れをいやすのに、あるいは年の瀬だというのに勤めに行くのに忙しくなって親戚の集まることもなくなった。女衆が事前に集まって餅つきの準備をすることもなくなり、核家族のかたまってテレビを見ているのが通例になって餅つきは大変なだけの作業になり、杵と臼は倉庫にあって出てくるのは餅つき機になった。
  杵と臼は取ってある。だが、近い将来、あるいは遠い将来にそれが再び使われる日はあるのだろうか、あるとすれば、それは「わたしが」使うのだろうか、親戚衆が集まって準備をしたり、交代で餅をつく(大半は休憩なのだが)日はあるのだろうか、と思うと、不思議な不安と、期待が湧くのである。
  それはわたしたちにできることなのだろうか、と不安に思う反面、いまも仲の良い我が家の(新しい)親戚同士なら(現代にあってさえ)それもできて、しかも案外に楽しいのじゃなかろうか、と期待する部分もある。
  かくいうわたしを含む現代の若い世代にそのような古い形の親戚づきあい、というか風習の本当にあり得るものなのだろうか、  しかしもしあり得たらそれはひょっとして幸福なのではなかろうか、と、奇妙に時代錯誤な夢を、餅を食って満足して後に思うのだ。
  個人の時代を目指した我々と、その少し上の世代が、結局夢見るのはそのような光景なのかと思うとすこし可笑しい。
  でも結局、忙しさを言い訳にした面倒さが勝って、今年も餅つき機のぶぅ〜んと餅をつくのを見るか、あるいはそれすら見もせずに仕事に出かけるのが、いつも後になってから少々寂しいのも可笑しい。
  さて、私たちの世代の創る新たな親戚衆が、並んで臼を見守る餅つきの光景は来るのだろうか、来ないのだろうか。
  来たらイイなぁ、と実は心の奥深くで思っている。


で、餅米ってどうやてつけるようにするんだっけか
(↑って知らねぇんじゃねぇかよ(笑)
(2004.01.04)



  

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