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屁理屈    「死と誕生」




  世界の、ひみつで書いたように、この世界がひとつの「在る」なのだとすると、われわれを含めた生物がどこから生まれ、どこへ死んでゆくのかはエライカンタンに知れる(世界の、ひみつを読んでない人は、もーしわけないがちょいと読んでやっておくんなせい)。来る場所も、行く場所も、ひとつしかないからだ。この世界そのものである。

  生物の誕生は、突き詰めれば化学反応による物質の合体・変質である。体内で合成された物質が、遺伝子の指示に従って体内で物質の吸収と解体、変質、生成を行うものだ。この遺伝子の指示とゆーやつは、もー謎で謎で謎で謎で謎で謎で、「なんだってそんなものがあり得るのか」、「なんだってそんなものが機能し得るのか」、「どーやって機能しているとゆーのか」、「なんだって情報が複製され得るのか」、ちぃともわからないのでちょいとあれなのだが、いずれともかくも、生命体を構成する身体は、この世界に存在する既存の物質から合成されるのであって、どこからともなくやってくるわけではないことは確かである。その証拠に、十分な栄養を摂れなかった母胎は子供を生成することができない。

  アレ(アレというのもなんだが)は物質が合成されてできるのだ。それが「機能し始める」ことによって生物という名で呼ばれるようになる。生物と無生物との差異は、観察した特徴に基づく名前の違いに他ならない。自発的に機能する無生物が、生物だ。その機能も、化学反応である。別段誰それの霊が宿ることで化学反応が始まるわけではないし(化学反応が始まった結果、霊が起動することは否定しないが)、いきなりなにもない腹の中で大きくなるわけでもない。ましてやトリさんは運んでくるまい。(だからこそ、「機能し始める」ような物質合成の指示を可能にする遺伝子の働きはおおいに謎なのだが)

  そうして生命は、「この世界から」生成される。どこからも来たりはしない。赤ちゃんはどこから来るのか?

  「ここ」から来るのである。何ほどのこともありゃしない。

  そして生命は機能する。つまり、生きる。生きていることは、生命という機能する無生物(細胞)の集合体の、「機能が総合的に働く」ことである。そうして一定の時期が過ぎると、耐用年数が過ぎて機能が衰え、機能する細胞達は活動停止に至る。つまり死ぬ。(活動が衰え、停止する原因は、いま考えられている限りでは、細胞に仕掛けられた再生産の回数制限プログラム、つまり遺伝子の時限装置であるらしい。つくづく遺伝子は謎が深い)

  人が死ぬとはどういうことか?

  「人」を構成する細胞が機能を停止する、即ち、機能の総体としての「人」が消失する。「機能の総体」は、もともと機能によって発生した「変化」であるから、停止した後は、「変化しないもの」、あるいは「別の変化」に変化する。それが死だ。(ちなみに、無生物を変化しないものと考えるのは誤解である。考えてみれば、素粒子でさえ、変化するじゃあござんせんか。ありゃたぶん、「空間の変化したもの」ですぜダンナ)

  「人」を「生命」と言い換えても同じことである。死は、生物から、生物でないものへの「変化」だ。それにともなって、われわれが「いのち」と読んでいる機能が、機能でないものに変化(消失)する。(これはまだよく考えていないのだが、機能の非機能への変化は、たぶん「連鎖した情報」から「連鎖しない情報」への変化をいうのだと思う←ちょっと自信ない)

  そして、生命は世界に還る。死んだ人はどこへゆくのか?

  「ここ」だ。死者は「ここ」へ還る。あの世に還るわけじゃない。

  この世界、いま、ここの他に、霊魂の行く世界や、降り来る源の世界を想定する必要はない。命はここから来て、ここへ還る。

(これはずっと他人にいいたかったことだ。普段は言いづらいし、ましてや葬式の席なんぞでは言いづらいのでいわなかったが、実にすっきりした。HPっていいなぁ)

  そうしてこの世界(を構成する物質)に還った生命(だったもの)は、やがてどこかで、生命を構成する物質、あるいはその一部となり、生命に還ってゆく。かくして、命は繰り返してゆく。「この世界」の一部として。いや、もっとはっきり言えば、この世界そのものとして。

  だから、たぶん、死は悲しむべきものではない。死者達は、人も動物も植物も、安らかにこの世界へ還るのだから。

  そして、たぶん、そいつは幸福なことなのだ。

  たぶんきっと。

2000/11/13

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