なお、記載されている内容については、私は一切保証しませんし、それに伴って発生した如何なる事故にも責任は負いませんので、あらかじめ御了承ください。
CPUボックスの新旧で見た目で変化があった部分は、
ヒートシンク追加後のレギュレータ(その2)
また、古いCPUボックスではヒートシンクで覆われていたチップセットの一部が見える状態になりましたので、以下に写真を掲載します。
この032は CPU Bus Frequency Test の状態で、CPUのバス速度には変化は起きていないはずなので、別の何らかの理由で止まっているものと思われます。
暫くその状態で放置して、実際にどの CPU が使われているかを調べてみると、ヒートシンクの温度からCPUボックスの最も奥に位置しているCPUが使われていることがわかりました。そこで、そのCPUだけを550MHz/1MBに変更して起動してみると「起動してくるときと032で固まるときがある」という状況になりました。
そこで、032で止まったときに再び放置して、どのCPUが使われているかを調べてみると、今度は奥から2番目のCPUが使われており、900MHzを使って起動しようとしていました。
ここまでの調査結果から、どうやら起動時に使用するCPUは1個だけで、そのCPUを固定できれば、032で固まらずに550MHzと900MHzを混在させて運用できることになるのではないか、と考えられます。
となると、次は「どうやって起動時に使用するCPUを固定するか」が課題になります。
しかし、今回のような状況になってみると「もしかすると、このジャンパは起動時に使用するCPUを指定するためのものでは?」と思い、再びジャンパを取り付けて実験してみました。
CPUボックスの上では手前から奥に向かって CPU1・CPU2・CPU3・CPU4 と並んでいるはずなので、CPU4 にジャンパを挿してみると、ほとんどの場合で032で固まることはなくなりました。ちなみに、ジャンパを設定していない状態でも、通常時は最も奥のCPUを使用して起動することが多いようなので、このジャンパの機能はよくわかりません。
実際のところは032で固まっても、本体後部のリセットボタンを何度か押せば起動してくれるので、それほど問題にはならないのですが・・・。
また「2つ搭載されているボックスのうちのどちらが起動時に使われるか」は決まっていないようなので、どちらのボックスも同じジャンパとCPU構成にしておく必要があります。ちなみに、片方のボックスを900MHzで統一すると、液晶表示が化けて固まってしまいます。
仕方がないのでSMIを無効にして起動すると、今度はお約束の「Unsupported CPU Detected」が表示されてしまいました。これは700MHz版と900MHz版のマイクロコードが180HaのBIOS内に存在しないことに起因するためなので、このメッセージは当然の結果といえます。
ただ、この状態であれば F1 を押すことで強制的に起動できるので、試しに起動してみると、Windows2000が無事に起動してきたので、とりあえずシステム情報を見てみました。
すると、900MHzが搭載されているにもかかわらず、550MHzと表示されてしまいます。
900MHzは倍率設定が固定(倍率設定ジャンパでの設定は無視されます)なので、おそらくはWindowsが動作周波数の取得に失敗しているものと思われます。逆にいうと倍率設定にジャンパを要求する700MHz版は、550MHz版と混在した状態では搭載できないことになります。
また、エラーを保持した状態で強制的に起動しているので、液晶画面にはB23のエラー表示が出たままの状態で運用することになります。
考えてみると、この 180Ha はVRMを3つ使ってCPUを2つをまかなう仕様になっています。ですから、CPUは2個単位で同じ電圧が供給されるわけです。ということは、現状の搭載方法では550MHz版のCPUに2.8Vが供給されてしまっていることになります。そう考えると、ヒートシンクが非常に熱くなっていたことも納得できます。
550MHz版の絶対定格は 3.0V なので、強制空冷をすれば使えるかもしれませんが、あまりにも危険が大きいので、CPUの搭載方法を変更することにしました。ボックスの最も奥とその手前には550MHz/2MBを搭載する構成に変更して、起動実験をしてみました。
すると、ヒートシンクが恐ろしく熱くなることはありませんでしたが、Windows2000の起動途中に本体がリセットされてしまう状況が発生してしまったので、試しに550MHz/2MBを550MHz/1MBに変更してみたところ、無事に起動できるようになりました。しかし、この「リセットされてしまう」原因についてはよくわかりません。
この状態でシステム情報を表示させると次のように表示されます。
また、HDBENCHの結果は次のようになりました。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.30 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name N8500-344(改) Express5800 180Ha
Processor Pentium III Xeon 901.10MHz[GenuineIntel family 6 model A step 4]
Cache L1_Data:[16K] L1_Instruction:[16K] L2:[2048K]
VideoCard NVIDIA GeForce FX 5600
Resolution 1024x768 (16Bit color)
Memory 2097,151 KByte
OS Windows 2000 5.0 (Build: 2195) Service Pack 4
Date 2004/12/05 15:03
MEGARAID LD 0 RAID 5 H79N
MEGARAID LD 1 RAID 5 H79N
MEGARAID LD 2 RAID 5 H79N
Adaptec AHA-2940U2/U2W PCI SCSI Controller
QUANTUM DLT7000 1E48
_NEC DVD_RW ND-2500A 1.07
TOSHIBA DVD-ROM SD-M14011010
Symbios Logic 8951U PCI SCSI Adapter
Symbios Logic 8951U PCI SCSI Adapter
Compaq StorageWorks 64-Bit/66-MHz Fibre Host Bus Adapter
ALL 35994 | Integer 132148 | Float 147528 | MemoryR 37290 | MemoryW 25979 | MemoryRW 42584 | DirectDraw 17 | ||
Rectangle 14752 | Text 26511 | Ellipse 2619 | BitBlt 2465 | Read 43371 | Write 24450 | Copy 2890 | Drive E:\100MB |
おそらくHDBENCHは4CPUまでしか認識できないので、本来のCPUの演算性能はこの2倍程度の値になっていると考えられます。
とりあえず、この状態でしばらく使っていましたが、特に問題は起きませんでした。
ただし、Windows2000のイベントログには次のメッセージが記録されるようになります。
製品名 | グラフィックチップ | メモリ容量 | メモリ接続幅 | 使用可否 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
inno3D GeForce FX 5600-8X | nVIDIA GeForce FX 5600 | 128MB | 128bit | 使用可 | |
inno3D GeForce FX 5700LE-8X | nVIDIA GeForce FX 5700LE | 128MB | 128bit | 使用可 | |
PowerColor RADEON 9200 PCI 256MB | RADEON 9200 | 256MB | 128bit | 使用不可 | カードを認識せず |
玄人志向 RD925-P256C | RADEON 9250 | 256MB | 128bit | 使用不可 | ドライバを入れると ハングアップ |
ATI RADEON 7000 | RADEON 7000 | 64MB | 64bit | 使用可 |
なお、今回のCPUボックスの交換ではNECフィールディング株式会社の玉川支店様に非常にお世話になりました。この場を借りて厚くお礼を申し上げます。