2002.08.11

SV-98^H^H^H^H^HExpress5800でファイバーチャネル

Written by かたあま☆彡  


前回までのお話

 前回の SV Magazine では、SV-98にファイバーチャネルの HBA を実装して、SUN StorEdge A5000 を運用していこう、ということでしたが、QLogic の QLA2200 は BIOS を無効にした状態では WinNT 4.0 ではドライバが読み込めないため使用できず、Compaq のものは最初から BIOS が搭載されていないのでドライバは読み込めるものの、認識したドライブはすべてオフラインになってしまう、というなんとも悲しい結末でした。
 このままではせっかくの StorEdge A5000 がゴミになってしまいそうだったので(笑)、今回は動作確認の意味を込めて NEC の Express5800 で使用できるかを実験してみました。

 本稿は、その接続実験の結果をまとめたものですが、記載されている内容については、私は一切保証しませんし、それに伴って発生した如何なる事故にも責任は負いませんので、あらかじめ御了承ください。
 なお、接続実験に使用した OS は WindowsNT 4.0+SP6a の組み合わせです。


用意したハードウェア

 というわけで、以下のハードウェアで動作実験を行うことにしました。

実験に使用した Express5800 140Ma(左上)と Sun StorEdge A5000(中央下)。

 上記の通り、前回の動作実験で使用したハードウェアと違うのは本体が SV-98 model3 から N8500-379 になったため CPU やオンボードで搭載されている SCSI インターフェースが違うところなどです。
 なお、前回の実験で使用した Sun SPARC Storage はハードウェアが不良だったので今回は用意しませんでしたが、将来的には HYPER98 氏が所有しているもう1台のSun SPARC Storage を手配して実験を行ってみようかと思っています。


本体へのカード実装と配線

 本体への実装および配線手順については、前回とほぼ同様なので割愛します(ぉ。今回の本体にも 64bit PCI は存在しないので、PCI のスロットから増えた分のコネクタがはみ出した状態で実装されます。ただし、今回はカード上に BIOS が実装されているものについては、BIOS を有効にした状態で実装しました。


カード実装時の本体裏側。オレンジ色のファイバーケーブルが見える。


QLogic QLA2200 の場合

 前回の実験ではBIOSを無効にして実装したため、いわば門前払い状態でした。今回はBIOS も有効にしてあったので、大丈夫ではないかと思われたのですが、結果からいうと前回と同様で使用することは出来ませんでした。
 このカードにはBIOSが搭載されているため、本体の起動時にメニューを出すことによってディスクの物理フォーマットなども行えるはずなのですが、ユニットに実装されている個々のディスクを認識しませんでした。また、WinNT 4.0 上ではドライバも正しくインストールされ、送受信のインジケータも時たま点滅するのですが、ぶら下がっているはずのデバイスは依然として見えない、という状況に陥りました。

 その時のログをイベントビューアで確認してみたところ、ホストバスエラーが発生していましたが、これは Compaq の HBA でもファイバーチャネルのデバイスをひとつも接続していない場合には発生していたエラーなので、ディスクを認識しない原因は他にあるのかも知れません。
 調べてみたところ、Sun が使用を推奨している HBA は QLogic QLA2100 であり、私が使用したのは QLogic QLA2200 だったので、その違いで動作まで至らなかったのかもしれません。ですから、今後 QLogic QLA2100 が入手できれば、そちらの方でも動作を試験してみたいと思っています。


Compaq CPQFC の場合

 前回の実験で SV-98 model3 に実装した場合に使用したドライバをインストールしてみたところ、SCSIアダプタの一覧では問題なく読み込まれているようでした。






 そこで、今度は StorEdge A5000 を接続して、ディスクアドミニストレータを起動してみたところ、以下のウィンドウが表示されました。


 この表示が出るということは、ディスクとして認識しているはずです。すると、予想通りディスク14以降まで「署名がない」旨が表示されたので、ひたすら「署名する」を選択しました。その後でようやくディスクアドミニストレータが起動しました。



 どうやら、ディスクは正常に認識されているようでした。しかし、このままでは単にディスクが個別にぶら下がっているだけの状態なので、ソフトウェアで RAID を構成してみることにしました。
 本来ならば、ここで Veritas Volume Manager などを使いたいところなのですが、残念ながら当方は所持していないので WinNT 4.0 に最初から搭載されているものを使用して RAID を構成しました。



 この時点での RAID の構成は以下のとおりになっています。

・SeagateST19171FC×8 RAID 0(72G・Drive G)
・SeagateST118202FC×3 RAID 5(36G・Drive H)
・IBM-PSG(Seagate) ST136403FC×3 RAID 5(72G・Drive I)

 これで、とりあえずは使えるようになったので、ディスクのベンチマークなどを行ってみました。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種 Express5800 140Ma(N8500-379)
Processor Pentium !!! Xeon 500.4MHz [GenuineIntel family 6 model 7 step 3]
解像度 800x600 65536色(16Bit)
Display Matrox Millennium G450
Memory 2097,151Kbyte
OS Windows NT 4.0 (Build: 1381) Service Pack 6
Date 2002/ 7/23 22:55

atapi Device
RICOH DVD+RW MP5125 1.13

Symbios PCI High Performance Driver
SEAGATE ST39103LC 0001

Symbios PCI High Performance Driver

Symbios Logic C810 PCI SCSI Host Adapter
TOSHIBA DVD-ROM SD-M14011007

Symbios Logic C810 PCI SCSI Host Adapter
QUANTUM DLT7000 2560
HP C6280-7000 2.10

Mylex DAC960/Digital SWXCR-Ex Raid Controller
ESG-SHV SCA HSBP M6 0.61
MYLEX GAM DEVICE

Compaq StorageWorks Fibre Channel Host Controllers
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SEAGATE ST19171FCSUN9.0G147E
SEAGATE ST19171FCSUN9.0G147E
SEAGATE ST19171FCSUN9.0G147E
SEAGATE ST19171FCSUN9.0G147E
IBM-PSG ST136403FC !#B324
IBM-PSG ST136403FC !#B324
IBM-PSG ST136403FC !#B324
SEAGATE ST19171FCSUN9.0G147E
SEAGATE ST19171FCSUN9.0G147E
SEAGATE ST19171FCSUN9.0G147E
SEAGATE ST118202FC FD9E
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SEAGATE ST118202FC FD9E
SEAGATE ST118202FC FD9E
SEAGATE ST19171FCSUN9.0G147E
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
SUN SENA 1.08
COMPAQ SCSI COMMUNICATE0001

Compaq StorageWorks Fibre Channel Host Controllers
Compaq PSEUDO 0100

ALLTextScrollDDReadWriteMemoryDrive
250694137036232496285133369248423527541288438573G:100MB

 ・・・が、使用したベンチマークソフトが HDBENCH なので、レイによって正しい値は表示されていないものと思われます。なので、ディスクの速度については、次回までに WinBENCH などを使用して計測してみたいと思います。


これからの展望

 さて、今回の実験から CPQFC を使用した場合には、ドライバが正常に読み込まれてエラーが出ていなければ StorEdge A5000 は正しく認識される、ということが分かりました。
 こうなってしまうと、前回の SV-98 model3 での実験結果である「個々のドライブは認識されるが全てオフライン」というのは SV-98 での「正常な動作状態」ということではないか・・・と思われます。

 しかし、これではお話にならないので、次回は別の HBA を使用して再び SV-98 での動作試験を行う予定です。次回の実験で使用する予定の HBA は EMULEX LP7000(32Bit PCI) で、この HBA は、いわゆる A/T 互換機だけでなく、UNIX サーバなどでも動作が保証されており、BIOS は搭載されているものの、PLCC ソケットに実装されているので、容易に BIOS なしの環境を実現することが可能なため(デフォルトの状態では BIOS の内容が空になっています)、実験することにしました。

 なお、当方の環境には既にファイバーのスイッチが導入されているので、仮に SV-98 でもファイバーチャネルが使用できるようになれば、StorEdge A5000 を使って共用ディスクの実験などもできるのですが・・・。

 というわけで、今後の展開にご期待下さい。


連絡先

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