また、ファイバーチャネルにはスイッチングハブが用意されていますので、逆に言えば複数の機械から特定のディスクユニットに対してのアクセスが可能な造りになっているということになります。ですから、これを使うことによって通常のネットワーク経由ではない接続方法、つまり HBA からの直結でディスクを複数の機械で共用できるということになります。
今回の実験ではスイッチングハブは使用せず、Sun StorEdge A5000 に搭載されているコネクタを使用して、双方の機械からのケーブルを接続しました。
そして、そのディスクが使えるようになった段階で、いったん SV-98 の電源を落とし、今度は Express5800 側からどのように見えるかを試験しました。
本来ならば、これだけでも共用ディスクとして認識するはずですが、ディスクアドミニストレータで見てみると、次のような表示になっていました。
これでは見えていても使えるはずはないので、今度は Express5800 側でストライプセットを作成し直して SV-98 から見てみると、ドライブの一覧では確かに認識されていました。
しかし、ディスクアドミニストレータで見てみると、次のような画面になってしまいました。
この状態ではアクセスできないのはわかっていますが、試しにアクセスをしてみると次のようなウィンドウが表示されました。
ということで、どうやら NT40 のソフトウェア RAID を使用したストライプセットは SV-98 と Express5800 とのような、いわゆる異なるアーキテクチャ間での共用ディスクとしては使用できないようです。しかし、同一機種間であれば共用できる可能性があるので、これは次回までに調査してみたいと思っています。
この場合は単純にディスクアドミニストレータでディスクを単体で NTFS でフォーマットするだけで、共用ディスクが作成できます。
ということで、最初に SV-98 側でディスクを初期化しました。そして、そのままの状態で Express5800 側で見てみると、ドライブとして認識していましたので、ディスクアドミニストレータでも表示させてみたところ、今度はちゃんと NTFS としてドライブを認識していました。
そこで、今度は逆に Express5800 側でディスクを初期化して、SV-98 側で見てみると、これも問題なくドライブとして認識していて、ディスクアドミニストレータでも NTFS として問題なく認識しており、双方でのファイルコピー試験も成功しました。
ということで、どうやら単体のディスクであれば異なるアーキテクチャ間であっても共用ディスクは可能であるということがわかりました。
ただし、ストライプセットの構成情報がどちらかの機械に残った状態でそのドライブにアクセスしようとすると、前述の「ディスク構造が破壊・・・」のウィンドウが出ますので注意して下さい。
また、この方法で共用ディスクを作成した場合には「同一のファイルに対して複数の機械から同時に変更があった場合にはどうなるのか」という問題があります(これはネットワーク環境においても同じ問題は発生すると思いますが)。おそらく、通常のアプリケーションのデータなどであれば、最後に保存されたデータが生きてしまうのではないかと思いますし、
リアルタイムで変更を随時保存するようなデータベース系アプリケーションのデータの場合は不整合を生じてしまう可能性があります。
そのため、ファイバーチャネルの HBA の中には、そのようなデータの不整合が発生することを防止するためのドライバ(フィルタドライバ)が用意されているものもあります。
こちらが今までに見てきた中では、Compaq StorageWorks 64-bit/66-Mhz Fibre Channel Host Adapter にはフィルタドライバが用意されていました。しかしながら、実際にそのドライバを組み込むとどのような動きに変わるのかは不明なので、次回以降に異なる HBA との接続を検証する際に、その結果をレポートできるのではないかと思っています。
まず、少ない容量で表示される Express5800 側でディスク容量いっぱいの 17359MB を確保しました。
次にその状態で SV-98 でそのドライブをディスクアドミニストレータで見てみると、次のような表示になりました。
容量としては 17359MB が確保されていて、さらに空き容量があることがわかります。
そこで、今度はその空き容量分も含めて SV-98 側でディスク容量いっぱいの 17366MB を確保して、それを Express5800 側で見てみると、今度は 17366MB として認識されました。
ということで、どうやら SV-98 で確保した方がほんの少しだけ容量を多くとれるということで、ドライブとしては 17366MB の容量を持っている、というのが真相のようです。しかし、どうしてこのような表示になってしまうのかについては不明なままです。