デュアル CPU 化
はじめに
この PC-9821 Rs20 は、サーバとしての使用を考えられている機械のためか、デュアル CPU にすることが可能です。また、最初からマザーボード上に 2nd CPU 用のソケットが用意されているので、SV-98 model 3 などとは違い、比較的容易にデュアルプロセッサシステムを構築することができます。
デュアル化に必要な材料
この改造には、以下の材料が必要です。
- P6(256K/512K) または Pentium II ODP
同ロットのものを2つ用意してください。というのは、PC-9821 Rs20 は完全な対称型マルチプロセッサシステムなので、ステッピングリビジョンまでチェックしている可能性があるためです。なお、当方の環境では SL22V+SL22V および SL22V+SL22T の組み合わせでは、問題なく起動しました。
ただ、エラーメッセージ一覧を見ると PROCESSOR STEPPING ERROR という記述があるので、確実に動かすためには、同ロットで揃えた方が精神衛生上、好ましいと思われます。ちなみに、P6(1st/SL22V) と PentiumII ODP(2nd/SL2KE) の組み合わせで実装した場合、電源を投入しても沈黙したままになります。
- VRMユニット
2つめの VRM ソケットに実装します。主な調達方法としては、ジャンク屋で「それらしい VRM ユニット」を買ってくるか、NEC のメンテナンス部に頼んで取り寄せるか、という方法があげられます。
増設の手順
基本的にはマニュアルに記載されているとおりです。本体のカバーをはずし、ハードディスクを取り外します。続いてメモリボードを取り外すことで、2つめの CPU ソケットと VRM ソケットが見えるはずです。あとは、それぞれのソケットに部品を搭載して終了となります。
おわりに
デュアル化した CPU に対応している身近な OS は WinNT ですが、CPU が1つの時から使用していた場合には、2つになった時点で再インストールが必要になります。
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