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初めてご覧になる方は、こちらをご一読下さい。

 phase.0 開封・パーツ確認

気に入ったガレージキットを手に入れましたか?
それでは、開封しましょう。

中には、ビニール袋に入ったパーツと取扱説明書、完成写真が入っていると思います。

パーツの袋の開封は、小さな部品もありますので気をつけてください。
パーツを広げ、取扱説明書に書かれているパーツリストを見比べ、欠損がないか確認しましょう。

パーツの不足があった場合、メーカーもしくは作者に連絡を取り、送ってもらいましょう。
連絡先や連絡方法は、取扱説明書に書かれています。

 phase.1 パーツの洗浄

ガレージキットは、プラモデルと違い大量生産しないために作製に「金型」を使用せず、多くは「シリコン型」により生産されています。

シリコン等を利用しているために、型には「離剥材」が塗られています。
そのためにパーツにも「離剥材」が残っています。
「離剥材」は、塗装の妨げになるために取り除かなければならず、残してしまうとせっかくの塗装が簡単に剥がれてしまいます。

塗装のための重要な処理だと考えてください。

フィギュアを販売しているお店では、「離剥材落とし」も売っていますが、私は中性洗剤+クレンザージフを混ぜた物を歯ブラシでゴシゴシする方法をとっています。

髪の毛や装飾部分など細かい部分は特に丁寧に磨きましょう。

水洗いをして、独特の「ぬるぬる感」がなくなればOKです。

 phase.2 湯口の処理

湯口とは、型にウレタン樹脂を流しこむ穴と空気の逃口の穴があいているためにできる突起物です。
基本的に1つのパーツに2カ所有ります。
複雑な形をした物は2つ以上ある物もあります。
ニッパーやラジオペンチ、カッターなどで切取ります。
パーツの本体を切ってしまわないように、完成見本と見比べながら処理してください。
接合部分などは、接続指示のマークなどもありますので、注意しましょう。
あと、切取りすぎないように気をつけてください。
少し残すような感じで、残りは紙ヤスリなどで整えるのがベストです。

隣接パーツとあわしながら作業をすると、間違いが少なくてすみます。

 phase.3 パーティングライン消し

まず、各パーツの左右に区切り線(ライン)があると思います。
これは、型抜きの際にできる隙間の線です。
仕上がりに影響があるので、きれいに消しましょう。

消し方は、粗めの紙ヤスリ(#200程度)で大まかに消します。
全体を見ながら、スポンジヤスリ(#400程度)で整えます。
ライトにかざしながら回すと、処理の出来ていないところがわかりやすいです。

あと、髪の毛などの細かい部分には、紙やすりが有効です。
二つ折りにして、櫛のように使うとうまく行きます。

 phase.4 気泡の処理

気泡とは、型にウレタン樹脂製を流し込んだ際に空気が含まれていてそれが穴のように残ってしまう状態です。
小さくいくつもの穴がある物や大きな穴がある物まで様々です。

気泡の大きい順に使用するパテを並べると、
ポリエステルパテエポキシパテ
ラッカーパテ
溶きパテ

基本的にラッカーパテで埋めるのが良いと思います。
球状になっている気泡の場合は、カッターなどで穴を広げてからやるとうまくいきます。
ラッカーパテは、体積が減るので多めに盛るようにしましょう。

細かい傷のような気泡には、アルテコ瞬間接着パテが効果があります。
少し高価なのが、欠点ですが・・・

本当に細かい気泡なら、サーフェイサー(塗装下地)を塗ることで消えますけどね・・・
#念のために処理した方が吉だと思います。

気泡の処理の判断および処理方法は、経験がものをいいます。
いろいろ試してみましょう。

パテを使用する時は、換気に注意してください。
換気の無い狭い部屋で使用すると、気分が悪くなることがあります。

 phase.5 表面処理

塗装する前にサーフェイサー(塗装下地)というものを塗り、塗装しやすくするのですが、
サーフェイサーが付きやすく(「食いつきをよく」とよく言う)するために表面を加工しましょう。
スポンジヤスリ(#400程度)で全体を撫でるようにしてください。
ライン消しの時と同様、細かい部分には紙やすりが有効です。

 phase.6 軸打ち

仮組みへの最終コーナーです。
難関でもあるのですが・・・

各パーツを繋げるために真鍮を通します。
細かいパーツなどは軸打ちをせず、瞬間接着剤を使い接着するのでそのままでいいです。

真鍮棒は0.8mm、1.0mm、2.0mmの3種類ぐらいあれば対応できると思います。
1.0mmだけでもいいと思いますが、パーツにより強度が必要な部分は2.0mmなど使い分ける方がよいと思います。

軸打ちは、補強および仮組みの準備と考えてください。
方法論としては、軸打ちせずに作成することも可能です。
私の意見としては、軸打ちする事をお勧めします。
仮組みの時の調整も容易になりますし、塗装の時、長めの真鍮を挿すと乾燥させる時に便利ですし・・・

真鍮棒に合った太さのドリルを用意します。

まずは、一般的な方法から。

(1)軸打ちしたいパーツ同士をくっつけます。
(2)上下左右の任意な場所に鉛筆で印をつけます。
(3)パーツを離します。
(4)各パーツの上下左右に印がつきましたよね
上下の印を繋ぐ線を鉛筆で書きます。左右も同じようにしてください。
パーツの接着面に十字が出来たと思います。
もうひとつのパーツにも同じ作業します。
(5)各パーツの十字の交差点が穴をあけるポイントになります。
(6)接着面に対して垂直にドリルを当て、穴をあけます。
(7)もう片方も同様に処理します。
(8)穴に真鍮を押し込みます。
(9)長めに真鍮を切り、もう片方に差し込みます。
(10)長さを調整し、接合面に隙間がなくなればOKです。

私がやっているいる方法。

(1)小さい方のパーツ(ドリル穴が短くなる方)の接着面で出来るだけ深く取れる部分にドリルで穴を開ける。
#ドリルは、接着面に垂直に当ててください。
#極端に端のほうは避けたほうがいいです。出来るだけ中心に。
(2)その穴に真鍮棒を強く差し込む。
(3)2から3mm程度を残し、切る。
(4)先にサインペンに色を付ける。
(5)大きいほうのパーツを合うように押し当てる。
(6)すると、大きいほうのパーツにポチットしるしが付くので、それを中心に垂直にドリルをかけてください。
(7)小さいほうの軸を抜く。
(8)どちらでもいいので、穴に真鍮棒を強く差し込み、適度な長さ(想定よりも少し長めで)で切る。
(9)もう片方にさし、強くあわせる。
(10)隙間の長さを覚え、抜き、その分だけ切る。

気をつけないといけないのが、(2)の時に弱い力で差し込んでいると、(5)のときに軸が埋まってしまうという悲しい事態になるので、ご注意を。

どちらの方法が正しいというわけではありません。
自分にあった方法でトライしてください。
初めての時は、基本的な方法のほうがいいかもしれません。

ドリルでパーツを貫通させないように気をつけてください。
貫通してしまった場合は、気泡の処理と同様、パテで補完してください。

 phase.7 仮組み

軸打ちしたものをすべて繋ぎ合わせてみましょう。
パーツとパーツの接続に問題ないか?
バランス的におかしなところがないか?
確認してください。

パーツ同士に隙間がある場合、ポリエステルパテで隙間を埋めましょう。
方法は、接着面の片方にメンタムもしくはワセリンを塗ります。
これは、パテの離剥材の役目をします。
もう片方は、粗めの紙やすりで擦っておきましょう。
パテの食いつきがよくなります。
少しの多目のパテを盛り、あわせます。
ポリエステルパテは、20分程度で硬化します。それまで理想の形を保持してください。
はみ出していても気にせずそのまま硬化を待ってください。
ポリエステルパテは、硬化後の削りがしやすいです。
大まかに削り取り、あとは表面処理の時と同様に表面を仕上げてください。

バランスがおかしいなと思った場合は、軸打ちが正常にいっていないことがあります。
原因は、軸がずれている場合が多いです。

<<処理の図を挿入>>

問題がなければ、次に進みましょう。

 phase.8 分割パーツの接着

同色で分割されているパーツは、仮組み終了時点で接着しましょう。
よくあるパターンが、スカートが前後に分かれているパターンです。
髪の毛のパーツなどは分割されていますが、間に頭のパーツがはさまるので、最後に接着したほうがよいことが多いです。

接着には、エポキシ系の接着剤を利用します。
接着の際に出来た隙間はアルテコ瞬間接着パテで埋め、あとは表面処理の時と同様に表面を仕上げてください。

 phase.9 サーフェイサー吹付けの前準備

すべてのパテ・接着剤が乾燥し安定していることを確認の上、再度、洗浄作業します。
(phase.1)と同様の作業になります。
洗浄後は、キッチンペーパーなどで水分をふき取り、よく乾燥させましょう。
念のために、スポンジヤスリ(#400程度)でこすっておくとより効果的です。

 phase.9.5 閑話休題

ここから先は、有機溶剤との戦いです。
十分な換気の準備をし、ヘビースモーカーな方は、一服してください。

この先、禁煙です。-t( ^o^)。o 0

 phase.10 サーフェイサー吹付け

いろんなサーフェイサーが発売されていますが、
分類すると、まず色は白、グレー、肌色があります。
特徴的には、
白・・・塗装の発色がよくなる。
グレー・傷などが発見しやすい、厚塗りになりにくい。
肌色・・肌色の発色が特によくなる。

どれか一本というなら、白色のサーフェイサーを使いましょう。

私自身が過去に使ったことがあるサーフェイサーを紹介すると・・・
・Mr.サーフェイサー1000(白・グンゼ産業)
・SurfacePrimar(グレー・田宮模型)
・GKサーフェイサー(肌色・造形村)
の3種類です。

私が取っている方法は、

(1)GKサーフェイサーで一度目の全体吹付けを行います。
#塗装面が乾けば次のステップへ。
(2)傷や新たな気泡を見つけた場合は、それぞれの処理(4.気泡の処理)(5.表面処理)を行います。
処理した部分にもう一度、GKサーフェイサを吹付けます。
(3)肌色の部分は、GKサーフェイサーで二度目の全体吹付けを行います。
(4)その他の色の場合、Mr.サーフェイサー1000で二度目の全体吹付けを行います。

吹付けの際、厚塗りにならないように気をつけましょう。
もし、垂れた状態になってしまった場合は、乾燥してから削るか、うすめ液でサーフェイサーを取り除き再度処理してください。
削る方法は、あまりお勧めしません。
サーフェイサー吹付け後、吹付け面に触ったり、物に当てたりしないように気をつけましょう。
乾燥前に表面が傷ついてしまった場合は、うすめ液でサーフェイサーを取り除き再度処理してください。
取り除かずにサーフェイサーを上塗りしても、傷が残ってしまうことが多いです。

あと、サーフェイサーは意外と広範囲に飛び散ります。
というか、エアブラシで吹付けた塗料と違い粒子が飛び散るイメージでチリのように広範囲に被害が出ます。
防塵マスクは、していたほうがよいと思います。決して体にいいものではないので・・・

塗装ブースがあればベストなのですが・・・

簡易塗装ブースの作り方。

百円ショップで、A4のファイルケースを買ってきます。
#厚紙で出来た【画像アップ予定】こんなの・・・
箱の前面を切り取ります。
すると、ゲームマスターのようなついたてが出来ると思います。
これにいらない紙袋を下に引きガムテープ等で隙間がないように留めます。
内側にキッチンペーパーなどを貼り付けておくと効果的です。

次のフェーズはやっと塗装です。
お待たせいたしました。
フィギュア=塗装というイメージがあるかもしれませんが、本当は塗装に至るまでの処理が重要です。
いくら塗装技術があっても、ここまでの処理がいいかげんだと台無しです。



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