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III. 日本の一般消費者のインターネット利用の状況

3. インターネット利用者の加入状況と利用の現状

  • 概要

    郵政省に届け出されている日本のISPは3,300社を越えている。このプロバイダーは次のような3種類に大分類できる。

    • キャリア系:大手通信会社の直系ないしは子会社が運営している会社:OCN,ODN,DIONなど。
    • パソコン通信やコンピュータ会社が運営している会社:アットニフティ,BIGLOBE,So-netなど。
    • 独立系:その他のプロバイダーで,この中には無料インターネット会社なども含まれる。

     

    以下では,これらのプロバイダーの登録加入者数統計値と実際の利用者数の比較,プロバイダーの評価と評価尺度などを検討する。また,公表されているネットワーク情報から,どの程度のバンド幅が供給されているかの実数を比較し,一般加入者がどのような傾向でプロバイダー間を移動する可能性があるかを推定する。

  • 加入者数

    加入者数の公表値は,郵政省が上位15社の月次の加入者数の遷移を公表しているが,個別会社の加入者数が公表されていない。そのため,以下ではサンプリングで収集している数値を用いる。2000年の調査で統計の取り方が変わったので,パソコン通信系の会社の加入者数が大幅に伸びているが,OCN,ODN,DIONなどのキャリア系の伸びも大である。また,以前の統計で現れていないマスターネット(iモードへの転送サービスを提供)やisao.net(旧セガ・プロバイダー,99年10月事業開始)などの新サービスを提供するプロバイダーが急速に加入者数を増加させるなど,ISP業界は波乱含みである。

図5.プロバイダーの加入者数(日経MA,2000年4月発表)

  • 実際使われているプロバイダーと登録加入者数の比較

    登録ユーザ数に比べて,実際に使われているユーザ数(利用の割合:%値)の異なるプロバイダーが多い。図6に,上位15社を中心に,登録加入者数と実利用者数を数値がある会社についての総計が100%となるように正規化したもの(%値)を比較のために図示する。最も差が大であるのが@nifty(28.8%-->12.4%)とBIGLOBE(22.8%-->8.0%)である。これらは,共にパソコン通信を基本として登録ユーザ数を稼いでいるが,これらのパソコン通信のユーザが全てインターネット接続を利用しているわけではないので,大きい差異になってきている。

    登録ユーザ数に比べて,実利用のユーザ数が多いプロバイダーはODN,OCN,DION,などである。これらは,新規にユーザ獲得に乗り出しているキャリア系のプロバイダーである。また,大規模プロバイダーのうちではSo-netの実利用者数が大であり,実利用者数の比が大であるプロバイダーは,DTIとNewebである。このようにキャリア系の大規模プロバイダーに対抗して,独立系などが種々なサービスを提供してユーザ数の獲得に動いているのが現状である。

図6.プロバイダーの加入者数,実利用者数とその差異の分析(正規化データ)

 

 

表1.プロバイダーの加入者数,実利用者数とその比較(正規化データ)
N.A.はデータがないものを示す。

  • インターネットの利用目的

    II章「日米のインターネット市場の比較」でも説明しているが,日本におけるインターネットの利用目的は,電子メール,およびソフトのダウンロードが主体で,米国で利用されているインターネットの先進的な利用方法と傾向が異なる。7図は「通信利用動向調査」の報告を同じく比較のために正規化したものであるが,個人および仕事に用いる情報の収集がトップで,次いで,特定相手のコミュニケーション(電子メールなど),各種の娯楽,およびソフトのダウンロードが続いている。オンラインショッピングは未だ5%であり,銀行取引は2%強にすぎない。HPを通じての情報発信も3%強を数える。本章の4節で,利用目的の観点からISPの評価を行う。

図7.一般利用者のインターネットの利用目的: 郵政省「平成11年度通信利用動向調査」

  • 一般利用者向けの電子商取引の現状
    • PCや家電品の販売ルート

      今年2月にソニーが自社のPCおよび家電品をウェブサイト「ソニースタイルドットコム」経由で販売すると発表した。また,家電最大手の松下電器も今年4月に同じく自社の家電品をウェブサイト「パナセンス」経由で販売する計画を発表した。これらの2社に追従し,他の家電メーカやコンピュータメーカがウェブ経由での販売を発表しており,既にいくつかの会社がPCなどのウェブ販売を開始している。

      現在の販売方法は,ソニーと松下で違う。ソニーは2,000店のチェーン店経由での販売は約50%弱であるのに対し,松下は約50%を20,000のチェーン店経由で販売している。このため,ウェブ経由の販売でもその方法が異なる。

      ソニーはウェブ経由で受注した商品は,ソニースタイル経由で顧客に直送するのに対し,松下は,パナセンス経由での受注した商品はチェーン店経由で配送する。そのため,松下は従来のチェーン店の機能をそのまま温存することにより,顧客に密接した製品計画の立案が容易になるのに対し,ソニーでは,ウェブ経由での情報のフィードバックが必要になる。果たしていずれの方法が有利であろうか。今後の動きに注目する必要がある。

    • 電子商店(モール街)サイト

      4月19日に電子モール(電子商店街)を運営する「楽天」(1997年に設立)が,東証の店頭株式に公開した。公開価格は3,300万円/株であり,総資産は2,455億円に達した。株価は公開直後に40%下落したが,5月19日現在で3,700万円であり,株価が乱高下し,多くのネット関連会社の株式が下落しているが,楽天は好調組みである。やはりこの分野でのリーダであり,多くのユーザをつかんでいることがその理由であろう。

      楽天は,そのサイトに2,000店以上の商店をテナントとして出店させている。出店料は事業規模に関係なく5万円/月である。中にはオークションサイトで詐欺事件が発生するなど問題もあるが,順調なすべり出しであろう。

      しかし,特定の業種(CD,書籍,車,衣料品など)のトップ1〜2社くらいしか電子モールで10億円以上の年間売上げを上げるのは困難である。これがトップを走る電子モール会社,一般消費者向けの電子商取引の実情である。

 

    


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