日本におけるISPのサービスは,近年になって大きく変化している。すなわち,パソコン通信(電話線を経由してサービス会社のホスト計算機と直結して専用のメールサービスや会議室サービスを提供するサービス)を主体として利用されてきた日本の通信サービスも,インターネットを中心としたサービスに移行を完了し,キャリア系,コンピュータ会社系,独立系の3系統のISPが登場し,これらのISP間での統合・分立が進んでいる。また,最近では,CATVなどの地域に特化したサービス回線を有する会社がISPとして先進的なサービスの提供を開始していると同時に,ドリームキャストなどのゲーム機を通じて接続するサービス,iモードなど携帯電話やPHSを通じてインターネット接続サービスを提供する会社,また,安価もしくは,無料のサービスを提供する会社なども出現している。
しかし,CATV会社を除き基本的に地域回線が接続時間に比例する料金体系を取っているため,ユーザ平均で接続時間が130分/月であり,支払う電話料も14,000円強/月である。ISPの料金は大変に複雑であるが,徐々に低額になりつつあり,平均して2,000円/月程度の支払いとなっている。このように,ISPの料金に比べて電話料金が7倍も高額であることから,インターネットの利用に積極的なパワーユーザは,ISPの料金が安価なプロバイダーよりも,少々高額でも,ビジー状況が無い(繋がりやすい),回線の速度一杯に使用できるプロバイダーを選択する傾向にある。このパワーユーザは現在最高速が実現出来るISDN(64Kbps)または,2回線を使用しての128Kbpsの接続を利用する傾向にあり,ISPもこれに対応する会社が出現している。