この図は,1999年9月28日の日経新聞に掲載された“社長1OO人アンケート、「景気下げ止まり」78%”のまとめの図です。(554レコード)(リサーチャと産業界の反響)(453レコード)です。すなわち“「来年上期までに上昇」大半
景気はすでに下げ止まり、来年上半期までには上昇局面に入るとの見方が大半−−。日本経済新聞社が二十七日まとめた有力企業の「社長(頭取)百人アンケート」(回答者百十五人)で、今年七−九月期までに景気が下げ止まった(最悪期を脱した)と回答した経営者が約八割を占めた。すでに景気が底離れ(上昇局面に入る)したとの見方は二割にとどまったが、来年上半期までに底離れするとみる経営者が八割強に達した。しかし、公共投資の息切れや円高による業績回復の遅れ、株価の軟調への懸念もあり、九九年度第二次補正予算による追加景気対策を求める声が一段と強まっている。”だそうだ。
これにさらに面白い図を2001年12月6日付けの社長100人アンケートからの引用で掲載しよう。[この部分は2001年12月17日に追記したものです。]
底入と,底離れとどう違うのかは分からないけど,社長は1999年9月にも2001年12月にも“来年後半には良くなる”,と言っているようですね。ちょっと前の図が随分前のものなので同じ社長が言ったのかは分からないけど,要するに,現在は駄目,だけど,近い将来すなわち,1年後にはしかも,下期には回復している,と言いたいのだ。これは何と,1999年9月と全く同じ言分ではないか。これでは社長は要らない。ロボットさえ飼っておけばいい。今年は駄目だけど来年の後半には景気は回復する,良くなる,だからそれまで待ってね。...ってテープ録音された回答をしゃべるようなロボットを。特にS●N●社製のAjpouとか言うやつをね。[正確に記載すると訴訟されるから,これって2ちゃんねる風の表記法ですよ。]
この図を見るかぎりにおいて,社長は景気が回復すると信じているようである。しかし,極めて慎重に,今年一杯は回復しないであろうが,来年の下期には回復するであろうと言っている。これは極めて自然な思考,反応過程である。と言うのは,社長は自分が預かっている会社を「経営」しているのであり,現在はいざ知らず,近い将来に向けて「利益」が出るように努力をしなければ,株主,投資している企業から「クビ」を宣告されるわけですから。でも本心は,決してそうではないのですね。複雑な心境ですね。
とにかく,今後どうなるか。
民間企業は ずっとこれの繰り返しですから耐性はできています。 しかし,自分のHPでも繰り返し言っているように,景気が回復している
なんで,政府と日経新聞の嘘八百です。本格的に回復するには,数年はかかるでしょう。とにかく,銀行の利息が0%であるかぎりは,銀行が回復して
いない証拠だから駄目ですね。
しかも,昨年末になって,政府は例の「ペイオフ2001年4月」を「1年先送り」にしました。そして,恐ろしいことに,さらに延長する可能性を否定していない。今までもそうですが,政府は「やらない」「中止する」と言っていた政治資金の個人向けの献金も結局は継続できるようになったし,...「否定しない」事は明確に「実行される」事を意味しているでしょう。と言うことは,金融機関はそのような措置をしないかぎり「際限なく」黒に近いと言うこと,すなわち,「危険」であることを自らから証明していることになります。
これで銀行は大助かりなんですから。それ でも,危ない銀行がどんどん出てきているし,その内,ゼネコン辺りも
危なくなります。何しろ,あれだけ優勢を極めた三菱重工も日立も駄目なんですから。今良いのは,ゲームや,サラリーマンローン(商工ローンも),それと
何でしょうか。介護用品かな。 一般消費支出も駄目ですし,それから,企業の設備投資も駄目。輸出が多少良いかもしれないけど,政府の財貨購入(これには地方自治体の購入分も
含まれる)も駄目ですから。
今,もちろん企業の「在庫」も削減に向かって必死ですし。そうすると,GDP
を構成する全て(輸出を除いて)が減少ですから,今年のGDPがプラスなんて全く信じられないのが本当のところ。
企業の経営者は,半年先はお先真っ暗だけど,1年先には回復すると言って いないと,首が危ないからそういっているだけ。半年先はお先真っ暗,というのは,賃上げができないぞと,労働組合に対しての「年中行事」です。
でも, 本当のところ,健康保険も,厚生年金も,退職金積み立ても,さらには,
失業保険も,どれもこれも運用利率が5%位を見越して計画しているから,これが精々1%だと,大変な差額(利息が不足)になるわけですね。
日本企業は,米国の「レイオフ」みたいに社員の首は切れず,IBMがやったように,退職金の積み増しによる「希望退職」を募るくらいが関の山で,どこの会社も
リストラ計画は,向こう「5年間」に,自然減を埋めない,新規採用を見送る,などで,現在の従業員数のやっと「10%〜15%」を削減できるだけ。
だから,リストラが完了したなどと言う経営者はいない。リストラには手を付け始めたが,今後継続して,リストラを行なってゆく,という話になるわけ。
それで,結局はどうなるの?[2001年12月17日現在であっている項目を◎で囲んでみよう]
- 景気は回復しない。 [◎]
- 政府は転覆しないし,自自公もしぶとく生き残る。[◎]
- みんなの給料は改善しない。[定期給与は増加しているらしいけど][◎]
- だから[民間]消費支出は増大しない。[◎]
- だから,民間企業は設備投資をしない[出来ない]。[◎]
- だから,GDPは伸びない[最終需要の2つまでが増えないのだから]。[◎]
- だから,税収が上がらない。[◎]
- だから,消費税などを上げるし,それ以外の税収を増大しようとする。[◎]
- また,健康保険,厚生年金保険,失業保険,健康保険の自己負担などの準「税金」を増大させる。[◎]
- そうすると,益々,個人の可処分所得が減少する。[◎]
- そうすると,益々,[民間]消費支出は減少する。[◎]
- 企業はリストラに励む必要がある。[◎]
- みんなのクビが危なくなる。[◎]
- 失業率が上がる。[◎]
- それなのに,金融機関のみが「ぬくぬく」としていられる。目出度い,メデタイ。おめでたいのは,この現状を認識しない「あなた以外の」一般の人々。それと,今,日本の株式を購入している,「外国の投資機関」および,「この投資機関に投資している,一般の人々」[◎]
- それと,ソニーの株式を購入している「馬鹿な」人々。何でヤローネ。こんな会社が良いなんて考えている人は。[◎]
[◎]印をみてみよう。小林の言っていることはなんて正確でしょう。この記事が2000年1月1日に記載されたなんて誰が信じるだろうか。??
それで,結局は,社長が「景気の低迷が終了」し,「2000年には底離れする」と言っても,偉いさんの「世迷い言」で,2000年に景気は回復しないし,向こう5年間[利息が0%であるかぎり]は景気は回復しない。これは確実。だから,皆さんはしっかりと「稼ぎ」に精を出し,「無駄な消費」はしないように。身を守って「リストラ」に遭わないように注意をして下さい。[ご愁傷様です]
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