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基本的に「....である。」調で訳してください。部分的に「...だ。」を入れることは可です。句読点は「、」「。」を使用する。全般的に「....だ。」と言う強い口調でなく、「...である。」『...であろう。」などの多少婉曲的な表現の方が、読者に訴える力が強い。ですから、「....だ。」を連続させるのではなく、特に強調する必要がある項目で「....だ。」を使用し、その他の部分では、「...である。」『...であろう。」などの多少婉曲的な表現を使用してほしい。
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ほとんどの場合、体言止めをしない。すなわち、名詞で終了させない事。
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文字数が多くなっても良いので、少々軟らかめの表現を希望します。下の項目と反する表現を求めているけど、硬からず、柔らかからず。難しいですが。要は、想定読者には入り込みやすい表現を使用してほしい。彼等は、断定的な表現を他人から言われるのをあまり好まないのです。実際おかしいのですがね。
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読者は、会社幹部、上級技術者である。そのため、これらの「想定読者」が慣れ親しんでいる、熟語などの半専門用語を用いて、硬めの文章で訳すこと。決して、口語調では訳さないこと。
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もちろん、IT分野の専門用語は適切な訳語をあてること。日経新聞、日経コンピュータ、その他の日経関係の雑誌で日本語の訳語が当てはめられている専門用語は、それらの用語を用いる。未消化の新しい技術に関する用語は、最初の出現時に、そのカタカナ、もしくは、略号の記載に続き、分かりやすい説明を( )内に入れること。その後は、カタカナ、原文の略称を用いても良い。
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専門用語に関しては、「日経BPデジタル大事典」を正とするのが望ましい。
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通信分野に関しては、日経BP社の「通信・ネットワーク用語ハンドブック」の最新版を参照頂ければ有り難い。
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IT分野以外の専門用語、日常語に関しては、基本的に“英辞郎”を参照するのが望ましい。
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原文の流れに従って訳すことを基本とする。すなわち、2~3行に亘る長い修飾語[または、文]がある場合、語順は原文の流れ、順序を尊重すること。後ろから前に戻って訳すことはしないこと。これより短い修飾語の場合は、日本語として読みやすく順序は入替えて下さい。
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原文に、( )内に説明があるようになっていない文章では、日本語に訳した場合も、( )内に説明分を挿入するような訳文を作らないこと。あくまでも、原文通りの流れを尊重すること。「である。すなわち,・・・」のようにする。
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あくまでも、原文に無い注釈を付加する場合に限って( )を使用することも可。[ ]は、原文に無い、もしくは省略されている文章や、主語などを補う場合に使用すること。
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人格を持たない言葉、語句を主語に持ってくるような訳はしないこと。通常は、受身で訳すことが適切な場合が多い。「このようなシステムは、xxxのような問題を持っている。」ではなく、「このようなシステムでは、xxxのような問題がある。」などの、日本語らしい文章を考えること。
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動詞は、自動詞と他動詞がある。日本人は、どちらかというと、他動詞には馴染があるが、自動詞になると変な訳になる場合が多いので、要注意。同じ動詞でも自動詞と他動詞では、全く意味が異なる場合が多いので、自分の知っている訳をそのまま自動的に当てはめないで、おかしいなと思ったら、辞書を参照すること。必ず、自動詞の適訳がでている。
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分詞構文は、意味を考え、適切な言葉を追加すること。「だから..」「しかし...」など全く逆のことがありえるので、文脈に添って選択すること。逆説、順接、同値、同格などの用法があるようです。
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命令文の場合:IT関連のマニュアル翻訳では、「このボタンを押す。」などの表現がありえるが、技術報告書ではこの表現は不適切で、命令形でに翻訳をして欲しい。Select
the solution.これは、「このソリューションを選択する。」ではなく、「このソリューションを選択すること。」か、「このソリューションを選択するのが望ましい。」だろう。
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英語の単語をそのまま日本語の置換えたような翻訳調は厳禁。
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専門用語も、カタカナ・カタカナ・カタカナと言うふうに置換えるだけで良いように思わないで下さい。できるかぎり適切な用語を選択して下さい。中黒(・)も余り多用しないようにしてください。
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カタカナの用語は統一すること。プロバイダー、やプロバイダなど、「ー」の有無は統一すること。また、中黒(・)を入れる部分も統一すること。日経BPのIT辞典の用語では中黒が多用されていますが、これは多すぎる[と思います]。熟語をつなげる場合は中黒が入ります。「ツールの表現の揺らぎチェックを必ずかけてチェックし、表現を統一すること。」
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貨幣の単位は、万、億、兆を使用のこと。XX千ドル、YY百万ドルなどとしない。また、換算を間違えないこと。円価の付与は不要。