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  TEPシステムズの会社案内サービスの種類と価格表翻訳の方法NEW技術翻訳の用語集NEW通信関連技術の用語集NEWRead Mailの紹介

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筆者小林健三からの特別のご案内:
筆者の著作「SEの35歳の壁」〜その乗り越え方〜が4月25日にソフト・リサーチ・センターから出版されました。
あの有名なアマゾンのサイトで、下記の書物のレビューが掲載されています。また、日経コンピュータの書評欄にも掲載されました。
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このサイトの記事の版権はTEPシステムズにあります。本サイトに掲載している内容に関して、無断の使用はお断りいたします。出版物、その他のいかなる形のメディアでも、本サイトの内容を使用することは、版権の侵害に当たります。

更新:2002年12月9日
最終更新:2003年4月9日
最終更新:2003年6月27日追記

英日技術翻訳の方法

企業向けの戦略レポートを翻訳する人へのTEP システムズとしてのアドバイス

  • このアドバイス、および、用語集は、単に参考用として掲載しているものですから、内容に関してはご自身の判断でご使用ください。辞書に文句をつける人がいないのと同じで、このアドバイスなどは、使用する貴方に、使用することを強制しているものではありません。辞書と同じです。しかも、無料で提供しているものです。
  • この翻訳に当たってのアドバイスは、このサイトのオーナ(小林健三)が、翻訳の現場で出会った「翻訳例」を、下訳をお願いした翻訳者の翻訳例を対象として、果たしてこれでいいのだろうか、一体どのように翻訳するのが、私のクライアントにとって良いのだろうか、と苦悩し、ウエブサイトをリサーチしたり、筆者に問い合わせしたりして、整備しているものです。
  • だから、やはり、私自身の仕事として、最終翻訳を適切にするための方法、それが、結局は翻訳者にとっても、「良い翻訳」を提供する時のヒントになるのではないかと考えて、恥ずかしながら提供しているものです。
  • これは、苦労して、苦悩し、その結果が、このアドバイスです。この「アドバイス」「用語集」は、設計翻訳工房(有)TEPシステムズが希望する「訳例」で、「試訳」です。学問的に正確かどうかは、保証の限りではありません。お間違いの無いように。
  • このアドバイス、用語集に文句をつけることは、辞書に文句をつけることと同じです。使うか使わないかは、ご自身が判断すればいいことです。ですから、責任は「採用する貴方」にあります。ご理解の上、アクセス下さい。
  • Googleなどの検索エンジンを使用する時は、用語をダブルクオート「"this is what I want"」のようにくくると、その用語全体を含むサイトが検索可能です。また、用語の頭に「+」を付加すると、必ずその用語を含むサイトを検索可能です。逆に「-」を付加すると、用語を含まないサイトが検索出来ます。つまらない事、初歩的な事ですが、皆さんが検索されている状況(履歴)を見ると、そのような事をご存知ない方も多いようですので、追記しました。非常に初歩的ですが、必須です。
  • この「翻訳上のアドバイス」は、有料で翻訳を受注されるような方、私の会社や、翻訳仲介の会社経由で翻訳を有料で受注される方は、このような事にご注意下さいという意味です。この程度の内容を保持していただかないと、ワード単価で18円〜20円を支払って居る側にとっては、たまらないです。3章にある「簡単な文法」やその他の章の「アドバイス」にも寄らない、ひどい翻訳を返されると、発注者側としては、5万円〜10万円をドブに捨てるようなものです。翻訳を始めからやり直さなければならないのです。LogoVistaあたりを使って、自分で翻訳するほうが、このような「アドバイス」に準拠しない、6章の「誤訳の例」に掲載されているような翻訳をすると、私は「愚痴」も言いたくなりますね。何のために、どのような「行為」に対して、この人はお金をもらっているのだろうか?ってね。
  • ですから、これは、有償で翻訳する人(ワード単価12円〜20円をもらっている人)は、このようなアドバイスに従って欲しいという事です。)翻訳仲介の会社が入ると、約25%は持って行かれますがね。

1章 翻訳を受注するに当たっての原則 (あくまでも、TEPシステムズとしての希望です)

  • 訳者は、自分の翻訳した文章の意味が理解できていることが原則です。翻訳はしたけれど、内容がわからない、と言う場合、適切な翻訳などできるはずが無いのです。内容を理解できない物件を受注してしまったら仕方がないので、それは、お返しするべきでしょうね。理解できない項目が一つの物件中に10以上もでるようであれば、受注するのが間違っていることになるので、減点です。「余り良くない」、ないし、「大変に良くない」となります。
  • ただ単に英語の単語をそのまま日経IT辞書に載っている用語をそのまま当てはめてほっと一息という気持ちはわかりますが、プロである翻訳者は当然関連のウエブにアクセスして、その分野の知識を習得して欲しい。すると、適切な「注釈」も付加が可能であろうし、それによって自分の理解度も進むようになること請合い。
  • そうすると、 次回は、評価は格段に上るでしょうし、指名も増えることになる。だから、訳語を当てはめでそれで完了とはしないように。

2 章 一般、想定読者レベル、専門用語の取扱、訳文の作成など(あくまでも、TEPシステムズとしての希望です)

  • 基本的に「....である。」調で訳してください。部分的に「...だ。」を入れることは可です。句読点は「、」「。」を使用する。全般的に「....だ。」と言う強い口調でなく、「...である。」『...であろう。」などの多少婉曲的な表現の方が、読者に訴える力が強い。ですから、「....だ。」を連続させるのではなく、特に強調する必要がある項目で「....だ。」を使用し、その他の部分では、「...である。」『...であろう。」などの多少婉曲的な表現を使用してほしい。
  • ほとんどの場合、体言止めをしない。すなわち、名詞で終了させない事。
  • 文字数が多くなっても良いので、少々軟らかめの表現を希望します。下の項目と反する表現を求めているけど、硬からず、柔らかからず。難しいですが。要は、想定読者には入り込みやすい表現を使用してほしい。彼等は、断定的な表現を他人から言われるのをあまり好まないのです。実際おかしいのですがね。
  • 読者は、会社幹部、上級技術者である。そのため、これらの「想定読者」が慣れ親しんでいる、熟語などの半専門用語を用いて、硬めの文章で訳すこと。決して、口語調では訳さないこと。
  • もちろん、IT分野の専門用語は適切な訳語をあてること。日経新聞、日経コンピュータ、その他の日経関係の雑誌で日本語の訳語が当てはめられている専門用語は、それらの用語を用いる。未消化の新しい技術に関する用語は、最初の出現時に、そのカタカナ、もしくは、略号の記載に続き、分かりやすい説明を( )内に入れること。その後は、カタカナ、原文の略称を用いても良い。
  • 専門用語に関しては、「日経BPデジタル大事典」を正とするのが望ましい。
  • 通信分野に関しては、日経BP社の「通信・ネットワーク用語ハンドブック」の最新版を参照頂ければ有り難い。
  • IT分野以外の専門用語、日常語に関しては、基本的に“英辞郎”を参照するのが望ましい。
  • 原文の流れに従って訳すことを基本とする。すなわち、2~3行に亘る長い修飾語[または、文]がある場合、語順は原文の流れ、順序を尊重すること。後ろから前に戻って訳すことはしないこと。これより短い修飾語の場合は、日本語として読みやすく順序は入替えて下さい。
  • 原文に、( )内に説明があるようになっていない文章では、日本語に訳した場合も、( )内に説明分を挿入するような訳文を作らないこと。あくまでも、原文通りの流れを尊重すること。「である。すなわち,・・・」のようにする。
  • あくまでも、原文に無い注釈を付加する場合に限って( )を使用することも可。[ ]は、原文に無い、もしくは省略されている文章や、主語などを補う場合に使用すること。
  • 人格を持たない言葉、語句を主語に持ってくるような訳はしないこと。通常は、受身で訳すことが適切な場合が多い。「このようなシステムは、xxxのような問題を持っている。」ではなく、「このようなシステムでは、xxxのような問題がある。」などの、日本語らしい文章を考えること。
  • 動詞は、自動詞と他動詞がある。日本人は、どちらかというと、他動詞には馴染があるが、自動詞になると変な訳になる場合が多いので、要注意。同じ動詞でも自動詞と他動詞では、全く意味が異なる場合が多いので、自分の知っている訳をそのまま自動的に当てはめないで、おかしいなと思ったら、辞書を参照すること。必ず、自動詞の適訳がでている。
  • 分詞構文は、意味を考え、適切な言葉を追加すること。「だから..」「しかし...」など全く逆のことがありえるので、文脈に添って選択すること。逆説、順接、同値、同格などの用法があるようです。
  • 命令文の場合:IT関連のマニュアル翻訳では、「このボタンを押す。」などの表現がありえるが、技術報告書ではこの表現は不適切で、命令形でに翻訳をして欲しい。Select the solution.これは、「このソリューションを選択する。」ではなく、「このソリューションを選択すること。」か、「このソリューションを選択するのが望ましい。」だろう。
  • 英語の単語をそのまま日本語の置換えたような翻訳調は厳禁。
  • 専門用語も、カタカナ・カタカナ・カタカナと言うふうに置換えるだけで良いように思わないで下さい。できるかぎり適切な用語を選択して下さい。中黒(・)も余り多用しないようにしてください。
  • カタカナの用語は統一すること。プロバイダー、やプロバイダなど、「ー」の有無は統一すること。また、中黒(・)を入れる部分も統一すること。日経BPのIT辞典の用語では中黒が多用されていますが、これは多すぎる[と思います]。熟語をつなげる場合は中黒が入ります。「ツールの表現の揺らぎチェックを必ずかけてチェックし、表現を統一すること。」
  • 貨幣の単位は、万、億、兆を使用のこと。XX千ドル、YY百万ドルなどとしない。また、換算を間違えないこと。円価の付与は不要。

3 章 文法的な注意: [初心者向けのコメントです。この程度も理解できていない翻訳者がいることは残念です。] (あくまでも、TEPシステムズとしての希望です)

  • 重要:動詞の現在形は、いつも実施している事項を説明している場合が多いので、日本語に訳す場合は、「...する。」ではなく、「...している。」と訳すほうが適切な場合が多い。必ず、先ず、このような訳を試みて、不適切な場合は考えること。例:A company manufactures products B.「A社は製品Bを製造している。」です。「A社は製品Bを製造します。」ではありません。だから、This vendor provides a tool supporting clientsユ issues.は「このベンダーは顧客の問題を支援するツールを提供する。」ではなく、「このベンダーは顧客の問題を支援するツールを提供している。」となります。20,000文字を超えた訳文の中で、「...する。」と訳された全ての動詞の現在形を、「...している。」と修正しなければならないクライアントの気持ちもわかって欲しい。全文チェックなど出来ない。
  • 冠詞をきちんと理解すること。A companyとthe companyは違う。一般的に、companiesと言う場合も異なる。The companyは明らかに、この企業は...である。A companyとcompaniesは似ている。どちらも企業はですが、複数の場合は、より一般的にどの企業も...となる。定冠詞は必ず、前の文章の中に対応する事項があるので、このシステムは、とか、この方法は、と言うことになる。これを必ず区別すること。
  • セミコロンとコロンの違い:セミコロンは、「そして、...」に近いニュアンスで訳す。だから、セミコロンの前で、「。」で文章を切っても良い場合がある。コロンは、「すなわち」に近いニュアンスだから、このような事実があるが、それはすなわち、...」などと続ける方が良いことが多い。

4 章 その他、記述法、レイアウトなど(あくまでも、TEPシステムズとしての希望です)

  • 企業名は、原語の通りで可。[日本語に訳す必要はない。]「A社」と「社」を入れる必要はない。余り知られていない企業の場合は、「B社」とする場合もあるが。有名な会社は決して「社」は入れない。[例:マイクロソフト、Dell、Oracle、IBMなど]
  • 原文の段落、インデント、書式などはそのままでお願いします。ゴシックの指定も、原文通りでお願いします。[書式の変更はしないようにしてください。][ゴシックはMSゴシック体、明朝はMS明朝体を使用して下さい。マックであれば、平成角ゴシック、平成明朝を御利用下さい。決して、太文字すなわち「B」を選択しないように。]
  • 改行を余分に追加しないように。レイアウト上その方が好ましく見えるかも知れませんが、レイアウトは当方で、標準のスタイルを使用して段落設定などを使用して行います。余分なスペースなども追加しないように。
  • 箇条書、段落番号の入っている原文では、同じ形式で良いが、面倒な場合、これらを外してもらっても結構です。また、レイアウト上は原文以上の修飾を加えないように。
  • Exhibitは図と訳して下さい。Exhibit 1は「図1」です。この場合、数字は、全角を使用して下さい。文中では、「 」は不要です。例えば、図1を参照。とします。
  • 原文中のaa is bb (xxx is yyy and so on..... ) as....などの( )は、なるべく、( )内に入れて訳さないようにしてください。日本文では、( )は注釈のつもりで使用しますので。Several members from this pilot team (the people who developed the technology) formed Syncra Systems. このパイロットシステムの技術を開発したチームのメンバーの数人が、Syncra Systemsを創業した。
  • 数字は、桁数の多いものは半角ですが、1〜9までは、全角で入れて下さい。
  • 一度、一個など、通常の変換で漢字で出てくる数字は、漢数字を使用すること。二度、三度も同じですね。一回、二回もそうだし、一周、二周もそうです。第一、第二もその通り。その場合も、3回,第4など、3以上9までは全角数字、10以上は半角数字を使用して下さい。大きい数字は、西暦年号を表す以外は2,000円、35,000社などで表示下さい。一方、1つ、2つなどは全角数字を使用して下さい。
  • (注釈)などのカッコは全角を使用して下さい。?などの記号、符号も全角を使用して下さい。
  • 文中に無い注釈や、話者を入れる場合、「[A氏は]そのようなことはない、と言った。」のように、[]で囲って下さい。この目的では( )は使用しない。
  • 段落の頭に全角の空白を入れないようにして下さい。レイアウトは一切、変更しないで下さい。ブレットの太文字は、そのままで結構です。その後の「ピリオド」は、全角のコロン「:」で置き換えて下さい。

5 章 翻訳の質の判定基準(あくまでも、TEPシステムズとしての判断基準です)

  • 読みやすく、原文の意味との差異[間違い]が無いものが基本点です。構文上、文法上の誤訳は厳禁です。
  • 専門用語、半専門用語などの適切な使用により、特典が加算されます。
  • 原文の意味を取り違えている場合、すなわち、構文上、文法上の誤訳は1件につき10点の減点となります。
  • ごつごつした直訳文は、不合格です。[50点以下になります。]
  • 専門用語など、分からない場合は、蛍光ペンツールを用いて、印をつけるか、コメントを挿入して下さい。これは、余り減点の対象にはなりません。
  • 期限は厳守でお願いしたいです。1〜2日の遅延は理由が許せば、可能ですが、お支払なども考慮します。当方の評価は理由が了解できれば、特に問題とはしません。厳しい期限でお願いしていることが多いので。

6 章 誤訳の例(あくまでも、TEPシステムズとしての判断です。英文学者はどういうかは知りません。私の埒外です。お間違いの無いように。)

  • not to mention: 通常の辞書には、「言うまでもなく」になっている。でも、そのまま訳してはまずいよ。The company has over 3、000 dealers alone in its networks、 not to mention suppliers.の場合、ディーラだけで3,000社を越えており、サプライヤは含まれていないはずだと思うが。それをサプライヤを含めて良いのだろうか。私が間違っているのだろうか。この場合、「ディーラだけで3000社を越えており、これにサプライヤが加わる。」が正しいような気がするが。
  • suite: 通常は、ソフトウエアなどの統合製品を指すことが多い。これを、「製品スィート」などと訳さないで欲しい。「スィート」はホテル業界では通るけど、ソフトウエア業界では通らない。「ソフトウエア製品群」も可。「パッケージ製品」も可。
  • hold on to existing customers: これは、「顧客にすがりつく」ではなく、「既存の顧客を繋ぎ止める」ではないかな。「すがりつく」では、大企業の取る態度としていかにも情けないし、非現実的。
  • It consolidates software initiatives on HP OpenView, positioned as a suite of service and infrastructure management software.これを、「一連のサービスとインフラ管理ソフトウエアとして位置づけられるHP OpenView上のソフトウエア・イニシアチブを統合する。」と訳しては意味が全く通じないだろう。ただ単に英語の単語を日本語に置換えただけではないか。これは翻訳とは言わない。少々意味が難しいが、HP OpenViewは各種のソフトウエアをその上に載せて統合的に動作する「ネットワークやサービスの管理ソフト」である。だから、その機能を考慮して、「一連のサービスとインフラ管理のソフトウエアと位置づけられているHP OpenView上に導入するソフトウエアを統合整理する。」ではどうだろうか。余り変わらないような気もするが。
  • enterprise mobility:企業の流動性とは言わないであろう。ソフトウエアが実現する企業の流動性とは何であろうか。少なくとも、「企業のモーバイル性」程度の訳は欲しい。そして、「社員が社内、社外、出張先、国外にいても企業のネットワークに接続して業務を遂行できるようなソリューションを提供すること」、程度の注記は欲しい。
  • mail/messaging: これを、メール/メッセージと訳したら、一体何を言っているのだろうか、訳者は分かっているのだろうか。メールは良いとしても、メッセージングをメッセージと訳したら全く意味をなさない。例のインスタント・メッセンジャー(IM)などを意味することは当然。
  • pricing structure: 「価格決定の体系」とは言わないだろう。通常は「価格体系」で全てを言表しているのではないか。
  • competition grappled with over the last years:「最近の数年間で掴んだ競争」は良くない。「競争を掴む」という日本語はない。「ここ数年間で挑んだ競争」とか、「ここ数年間掛けてA社と戦ったが....」のように訳すべきであろう。
  • IBM's technology push: 「IBMのプッシュ型技術」とは何だろう?「IBMの技術的な圧力」「IBMの技術的進歩」の方が適切だろう。要するに、「プッシュ型技術」などの翻訳が出てくるのは、日本語がわかっていないからではないか。そのような日本語があるかどうかで「翻訳が正しいかの」判断が決まる。
  • offer:通常は、「提案」かも知れない。The product will be offered from both companies.を例にとると、「この製品は両社から提案される。」ではなく、「この製品は両社から提供される。」だろう。このような細かい表現までチェックする必要が必要な下訳は、意味を持たない。無意味ですよ。
  • appliance server: 「応用サーバー」では何ですか?と聞かれるだろう。「アプライアンス・サーバー(用途を特定したサーバー機)」とするべきだろう。
  • Compaq's tools have had significant improvement in recent years, with HP's technology being added in the next version.ここでは、2つの文章があるが、事象を良く考えて欲しい。前の文章は完了形である。だからこのCompaq製品の格段の向上は既に実施されたもの。しかし、HPに合併されて、そのHPの技術(テクノロジー)を適用して次バージョンで新技術が付加されるだろう、と言っているのだと思う。この事象を一緒くたにして、「Compaqのツールは近年、中心をなすHP技術のいくつかが次期バージョンに加えられて、著しい改善をみせてきた。」と訳してくれたら、これって何と聞きたい。文法を知っているの?
  • Compaq ProLiant Clusters will be the clustering plafform for the HP ProLiant line: どこから「Compaq ProLiant Clustersは、HP ProLiant系列に対してクラスタを変更したプラットフォーム」何て変更した訳がでるのだろうか。「Compaq ProLiant Clustersは、HP ProLiant系列のクラスタープラットフォームとなるだろう」と言う程度に訳して欲しい。
  • nearline storage: これは、元々がオフライン・ストレージである磁気テープ・ストレージをオンラインに近い形で使用できるようにした製品のこと。
  • utility computing: これはコンピュータユーティリティとは全く異なる概念である。ガスや電気、水道のように、利用量ベースで計算機のあらゆる機能を利用すること。ユーティリティの用に計算機を使用することを意味する。
  • remain behind:「こだわっている」ではないと思うが。「遅れている」ですね。
  • qualified IT staff: 「qualified」は確かに、「資格のある」と言う意味もあるが、このような文脈では、「能力の高いIT部門の技術者」と言う意味ではないですか。最近の人は「資格」の有無にとらわれがちですが、仕事は「資格」で行うのではないのです。能力で行うのです。
  • With the increasing standards support in the Linux and Macintosh desktop environments,...:ですが、どれが動詞でどれが名詞かを判断しましょう。Standards(複数形)これが名詞で、目的語です。そして、supportが動詞で、他動詞です。主語は省略されており、多分、theyです。「LinuxとMacintoshのデスクトップ環境でサポートされる標準が増加していることと、」と訳しましたが、どうでしょうか。難しいですが。
  • leverage: テコ入れ、強化、活用などの意味がある。しかし、どうも通常は、「テコ入れする」がふさわしい場合が多いようだ。Microsoft has leveraged applications and developer support very well.この場合、「Microsoftはアプリケーションと開発者支援を活用した。」という訳は無理がある。「Microsoftはアプリケーションと開発者支援を強化した。」ないし、「Microsoftはアプリケーションと開発者支援をテコ入れした。」要するに、どちらがどちらを利用するかである。Microsoftが開発者支援を利用するのではなく、開発者支援がMicrosoftを利用する、すなわち、Microsoftにテコ入れして貰う、Microsoftを活用することになりそう。
  • copy: copyをコピーと訳してしまいがちだが、ソフトウエアの場合、コピーとは販売されている製品そのものを指す。もちろん、違法コピー商品のことではない。All shipping copies of Microsoft Office for Mac OS X are file-compatible with...は、当然、「Microsoft Office for Mac OS Xの出荷製品はファイルレベルで互換性を有している」ですね。これをコピーと訳さないこと。
  • supply chain integration: サプライチェーンの統合(サプライチェーンによる統合ではない)
  • Supply chain authority is seldom as concentrated as in the automotive and aerospace industries.:残念ながら、全く逆の意味に訳されてしまっている。すなわち、「自動車産業や航空宇宙産業においては、サプライチェーンに影響力のある企業は、ほとんど集中化されていない。」となっているが、これは全く逆。「サプライチェーンに影響力のある企業は、自動車産業や航空宇宙産業ほどには集中化されていない。」ということ。自動車産業と、航空宇宙産業だけが特殊ということ。この後に、このコンテキストを受けた文章が続く。
  • quality information:「高品質の情報」ではなく、単に製品、部品に関する「品質情報」であろう。
  • Consultants and spreadsheets, traditional spend visibility tools, are expensive: ここで注意が必要なのは、" traditional spend visibility tools"がコンマで区切られていることである。これは、Consultants and spreadsheetsすなわち、traditional spend visibility toolsは、と言っているのである。前の句とコンマで囲まれた句が同値であることに注意が必要。「コンサルタントとスプレッドシートのような、既存の経費可視化ツールは高価である。」が正しい訳であり、「コンサルタントとスプレッドシート、その他の既存の経費可視化ツールは高価である。」は間違い。
  • Companies will walk away with a less than acceptable deal.:「受け入れ可能な契約より不利な条件で契約の席を離れてしまう」ではないであろう。「受け入れ可能な契約より不利な条件で妥協してしまう。」walk away with~には、「〜に楽勝する、〜を持逃げする」という意味がある。walk away from には確かに、「〜から逃げ出す」、「〜から逃れる」と言う意味があるが、これは多分間違い。よく知っている人でも、辞書を参照しなければならない事例である。
  • out-of-the-box:いろんな意味がありそうですが、英辞郎には「創造的な、独創的な」と言う意味が当てられているが、ソフトウエアなどでは「インストールしてすぐに使用できる」が適切です。例:The out-of-the-box order management software vendors are still striving to provide .....これは、「インストールしてすぐ使用できるような種類のオーダー管理ソフトウェアのベンダーは....」ですね。決して、「独創的なソフトウェアベンダーは....」ではありません。
  • order expedition: <expedite。「オーダーを促進する」、「はかどらせる」です。通常、オーダーの履行が遅れた場合、メーカーに対して特急処理を要求します。これはコストがかかります。「オーダーの移動」ではありません。
  • enterprise software vendors have neglected this part of roducts: 「ソフトウェアベンダー企業は...」ではなく、「企業向けソフトウェアベンダーは...」である。

2003年4月9日追加:

  • A, a: =anyです。A wireless operator must coordinate a customer's service request. 移動体通信事業者は顧客のサービス要求に対応しなければならない。主語の位置に来たとき、「....というものは、」と言う意味になることもあるので要注意。これを、「ある移動体通信事業者は、.....」などと訳さないように。
  • Across distributed physical networks of partners: 「パートナー企業の分散物理ネットワークを横断する...」って、何だろう?physical networks of partnersとは、パートナー企業が物理的に散らばっている、これらを結合するネットワークです。だから、「物理的に部産しているパートナー企業を接続するネットワークを横断して...」という意味ですね。このような訳を見ているとがっかりします。「分散物理ネットワーク」と言うのは日本語だろうか?
  • complex internal IT infrastructure: 「内部のITストラクチャ」で問題はないのだが、内部と言うのは、何かの内部です。それを確定しないと、正しい訳とは言えない。すなわち、非常に簡単です。「社内のITストラクチャ」で良いのです。「内部の」となると、読者は、「何の???」と頭が真っ白になります。externalも同様、「外部の」では駄目です。「社外の」でなければなりません。もちろん、コンテクストに寄りますが。
  • inter-enterprise order problem: 「企業内でのオーダー処理の課題」ではありません。なぜ、inter-が「内」になるのでしょうか。inter-netはネットをまたがった「インターネット」ネットワークですね。intra-netは企業内のネットワーク。inter-とintra- を区別出来ないようでは困ります。「企業間をまたがるオーダー処理の課題」です。全く関係ないけど、英辞郎にもinter-enterprise credit : 企業間信用、なんて例もでている。internationalは、国際です。このような間違いをされると、翻訳者として信頼を勝ち得ることが出来ないですね。
  • internal and external order complexities: メcomplexityモは複雑な様相をしたもの、「複合体」です。「複雑さ」ではありません。「社内外の複雑なオーダー処理の複合体」、「社内外のオーダー処理に必要な複雑な仕組み」などのことです。
  • varying order capture environments: 「変化の多いオーダー取得環境」って何だろう?「種々な受注環境」というふうに、簡潔に訳せないのだろうか。オーダー取得環境は変化するものだろうか?そんなふうに考えたら、この訳がおかしいことがすぐ分かるだろう。
  • Companies only have a partial view into their businesses: 「どの企業も自社の業務に関して不十分な考え方しか持っていない。」と訳されているが、今論議しているのは何か?を考えるとこの訳が間違っていることが分かるだろう。何も「考え方」を論議しているのではない。分散オーダー管理システムの必要性を論議している。そして、企業は、自社のビジネスに関して、十分な「視認性」ないし、「可視性」を持っていない、ということを論じているのだから、このモviewモ は明らかに「視野」とか、「可視性」などを意味している。その文章だけを見ていては駄目です。まわりの文脈を読まないと、誤解してしまう。
  • to manage order flows for its direct and indirect distribution and production partners: 「直接および間接に、流通と生産のパートナー企業に関するオーダーフローを管理する」とはどういう意味であろうか?「流通パートナー、生産パートナー企業との、直接、間接のオーダーフローを管理する。」とでも訳したらどうだろうか?
  • late deliveries to customers: 「顧客への最新の配送」なんて訳がどうして出てくるのだろうか? late deliveryとは、「納品遅れ」である。「late=最新」、なんて公式を頭に入れていては、正確な訳なんて出来ない。