BARは勝利を目指す 2005/4/3

 3戦が終了して、ノーポイントのチームはBAR、ジョーダン、ミナルディのみとなった。 佐藤琢磨は28ラップブレーキトラブルでリタイヤ。ジェンソン・バトンもピットストップ時にクラッチトラブルが出てリタイヤしている。

 バトンは「ペースは悪くなかった。チームに必要なのはマシンの信頼性を向上させることだ。来週のテストで大事な仕事が待っている。イモラにはもっと強いマシンを持ってくるよ。今はただ信頼性のために仕事をしなければならないところだと思う」とコメントしている。

 シーズンのスタートは不調だが、チーフのニック・フライは「BARは勝利を狙っている」と語る。「ジェンソンとタクがポイントを取れるポジションで走れたことには勇気付けられたよ。ピットストップレースでもフェラーリに打ち勝てた。2人がリタイヤしたのは非常に残念だが、いいポジション狙えていた」。

 「イモラの前に、エアロダイナミクス・パフォーマンスの向上と信頼性の評価については再編成する必要があるだろう。BARにはヨーロッパ・シーズンに向けての計画がある。チームはまだ、我々のゴールである優勝を目指している。


 M・シューマッハー、「後悔はしていない」 2005/4/3

 ミハエル・シューマッハーは、バーレーンGPで、マシントラブルとしては98戦ぶりのリタイヤとなった。しかしシューマッハーはニューマシンF2005の投入は後悔していないとコメントしている。

 フェラーリは、ニューマシンの投入をスケジュールよりも2戦早めてF2005をバーレーンに持ち込んだ。結果このギャンブルは外れ、12ラップでリタイヤした。

 MS:「熟考したうえでの決断だった。我々は取れる最良の選択だったと思っている。だけどアロンソの後ろにいて、何かサーキット上の破片を拾ってしまったんだ。次のグランプリ(サンマリノ)まで3週間ある。心配していないよ」。


 J・トッド、「マレーシアで目が覚めた」 2005/3/21

 フェラーリのJ・トッドは、マレーシアで苦しんだことでチームがパニックに陥っている、または危機に瀕していることを否定している。また、ニューマシンF2005の導入スケジュールはまだ未確定であり、今週のテストで2人のレースドライバーの判断を待ちたい、とコメントした。

 「確かに(マレーシアGPの苦戦は)我々のモティベーションを増すことになったよ。もちろん、チームはこの状況に満足などしていない。あれがフェラーリの基準ではないし、単に我々が望んだほど十分にクイックじゃなかったということだ。どうやって状況を改善するか、360度見渡してみなければならないだろう」。

 また注目が集まるブリヂストンのパフォーマンス不足についての推測は否定した。「多くの理由があるだろう。空力やグリップ不足、トラクション不足・・・多くの作用が集まって大きな差異を生んでしまったと考えている」。

 「正直に言って、あれが今シーズンのワーストレースになると断言するのは都合が良過ぎるだろうね。今後も苦戦のレースはあるだろう。マレーシアGPが現在我々がいる位置だと言うべきだね。この状況を打開しなければならない。我々が少し眠っていたとするなら、目を覚ますにはちょうど良かったと思うよ」。


 ホンダ、BARに謝罪 2005/3/20

 BARのエンジンサプヤイヤー、ホンダはマレーシアGPの結果を受けて、チームに謝罪したという。BARはルノーやマクラーレンに及ばないマシンのパフォーマンスを補完しようと、新しいエンジンを使用する作戦を取ったがこれは裏目に出てしまった。

 開幕戦でBARはレギュレーションの抜け道を突いて、2戦目でエンジンを交換するために、意図的にリタイヤしている。これにもかかわらず決勝までエンジンがもたなかったことでホンダエンジンの信頼性に注目が集まった。

 「エンジンに問題が起きたことでチームとドライバーには申し訳ないことをした。バーレーンGPには問題を解決して臨みたい」ホンダのエンジニアリング・ディレクター中本氏はコメントしている。

 佐藤琢磨の代役としてBARをドライブしたアンソニー・デビッドソンは来週から、またテストドライバーに戻ることになる。「BARでの初めてのレースがこんなふうに終わるなんて、ひどくがっかりしている。仕事がたくさん待っている。バーレーンまでには問題を見つけて正しい方向へ向かわないと」。


 アロンソ、タイトル争いへ 2005/3/20

 第2戦マレーシアGPはポールポジションからスタートしたフェルナンド・アロンソが勝利した。途中、ドリンクボトルが使えなくなった以外にはトラブルもなく優勝を果たしている。

 2戦で16ポイントを獲得し(2位と優勝)、スペイン人で初めてチャンピオンシップをリードするドライバーとなった。ルノーの好調は偶然ではなく、確実なアドバンテージをもってシーズンをリードしていくとみられている。

 FA:「2レースが終わっただけだよ。まだ何も言えない。だけどひとつ言えるのは僕のキャリアの中でベストポジションに居るということだ。2003年は、ある場所では良かったけどそうでないレースもあった。2004年は、序盤はコンペティブだったけどチャンピオンシップではBARに負けて3位に留まった。今年は、まだ2レースだけど、これまでのベストの状態だと言えるだろう」。

 「スペイン人初ということだけではなく、チャンピオンシップのトップにいるというのは素晴らしい気分だ。フォーミュラワンのチャンピオンシップでリードするということは、あらゆるドライバーの夢だと思う。僕はまだ23歳になったところ。ただいいポジションでレースをフィニッシュしたいだけなんだ。チャンピオンの為に出来る限り戦うだけだ」。


 佐藤琢磨、マレーシアGPを欠場 2005/3/19

 BARの佐藤琢磨は、明日のマレーシアGPを欠場することを明らかにした。代役にはチームのサード・ドライバー、アンソニー・デビッドソンに決定している。

 佐藤は金曜の夜に熱を出し、セパン・サーキットのメディカルセンターを訪れた。その後回復に向かったが、土曜の朝になって再び熱を出したという。チームは医師をアドバイスを受け、肉体的に過酷なマレーシアのレースを考慮して土曜以降の全セッションで欠場することを決定した。

 アンソニー・デビッドソンのF1出走は、2002年の終わりにアレックス・ユーンの代役としてミナルディをドライブして以来となる。


 ブリアトーレ、「まるでタクシードライバー」 2005/3/13

 「ミハエル・シューマッハーは簡単に勝ち過ぎる。だが他のドライバーが彼にプレッシャーをかけるようになるのは時間の問題だろう」。フラビオ・ブリアトーレは語った。

 「我々がミハエルにとって簡単な状況を作ってしまったんだ。彼はタクシードライバーのようにリラックスして・・・腕を突き出して、あとはただ割り込むだけじゃないか。誰もミハエルに対してリスクを冒して対決しようとしない」。「我々はミハエルにプレッシャーをかけなければならないんだ。彼はプレッシャーに苛まれた時にミスを犯すだろう・・・」。

 またブリアトーレはオーストラリアGPを振り返り、勝つ見込みを失った局面でニック・ハイドフェルドと接触、リタイヤしたミハエルを"非難に値する"と表現した。「アクシデントを避ける努力をしなかったように見えたね」。


 フェラーリ、F2005は今週デビュー 2005/3/8

 開幕戦は昨年型のマシンF2004の改良型、F2004Mを使用したフェラーリだが、今週スペインのヘレスで行われるテストでニューマシンF2005を使用することをあきらかにした。

 ジャン・トッド監督は、「全てがうまくいけばデビューの予定が確定するだろう」とコメントしている。当初F2005のレースデビューはスペインGPとされていたが、テスト次第では投入が早まり、第3戦バーレーンになるといわれている。

 またトッドは、「とはいえF2004は昨年の18レース中15レースを制したマシンだ。オーストラリアでのコンペティブなパフォーマンスには確信を持っている」とし、全てのテスト項目において確信が得られることが条件になっている。


 M・シューマッハー「あれは誰も非難出来ない」 2005/3/6

 ワールドチャンピオン、ミハエル・シューマッハーはオーストラリアGPをリタイヤ、ノーポイントで終えている。M・シュマッハーのリタイヤは昨年のモナコ、ペースカー先導中にモントーヤに追突して以来となった。

 給油を終えてコースに戻った46ラップ目。ターン3でイン側から進入してきたニック・ハイドフェルドと接触、2台ともグラベルに入りハイドフェルドはその場でマシンを降りた。シューマッハーはオフィシャルの手でコースに復帰したが、そのラップにピットに入りマシンを降りている。

 レース後、ハイドフェルドはシューマッハーを非難したが、シュマッハーは「この手のアクシデントでは、いつも多くの異なった意見と見方がある。誰も我々のどちらかを非難することなんて出来ない」とコメントしている。

 またシューマッハーは接触時の状況について、「ピットから出たとき、彼が後ろから来ているのが見えた。当然僕は自分のポジションを守らねばと思っていた。だけどある地点で彼をミラーから見失ってしまったんだ。コーナーに入っていったはときには接触していた。ビデオを見たけど、彼(ハイドフェルド)は芝に乗っていて完全にはコントロール出来ていなかった。僕をオーバーテイクしようとしていた彼を非難することは出来ないけど、もうマシンはダメージを受けていてレースを続けても入賞するのは不可能だったんだ」と語った。

 シューマッハー:「我々はコンペティブだったし、昨年のマシンにも関わらずルーベンスがスーパーレースをドライブしてくれた。多少はポジティブな気持ちでいるよ。良いペースだったし、そのことには満足している。全て終わったわけじゃない」。


 開幕戦はフィジケラがポールトゥウィン! 2005/3/6

 開幕戦オーストラリアGP決勝はジャンカルロ・フィジケラがポールトゥウィンを果たし、自身2勝目を記録した。

 前回の優勝は2003年のブラジルGP。多重クラッシュが起きたことによる赤旗中止となり、その時点での順位で成績が決まった。当初マクラーレンのライコネンが優勝とされたが、レース終了後の裁定でフィジケラの優勝が確定したため、表彰台の中央に立ったのは今回が初めてとなった。

 フィジケラ:「素晴らしいレースだった。週末を通して良い流れだったし、スタートは僕のキャリア中でもベストだったと思う。第1戦で優勝出来るなんて素晴らしいよ。本当にハッピーだ」。

 「これほどのポテンシャルを持ったマシンをドライブしたのは初めての経験だった。マシンは始めから終わりまで、ずっとクイックで確実だった。今年はちょうどでF1で10年目の年。素晴らしいことだよ」。

 「今までは自分の才能を発揮することは出来なかった。良いマシンに恵まれなかったからね。2年前のブラジルで優勝はしたけど、シーズンの残りはずっとフラストレーションが溜まっていた。今年は良いマシンもあるから、チャンスを見逃さずに自分の才能をみせつけて他のレースでも優勝したい」。


 J・ヴィルヌーヴ、「ドライタイヤはギャンブルだった」 2005/3/5

 開幕戦の予選1回目。ジャック・ヴィルヌーヴは、ドライタイヤを選択するというギャンブルに出た。アウトラップでスピン、ストップしたにもかかわらず賭けは当たり結果は4位。そのままの順位で予選を終え2回目の予選に臨む。

 Q:「4位の結果は嬉しいですね」。

 JV:「今日はラッキーだったね。フィジケラと僕が走った間トラックはドライかほとんどセミドライの状態だったから。仕事が報われたよ。普通のコンディションで予想していた結果を上回ったからすごくハッピーだよ。昨日は十分に走れなかったから、マシンのセットアップは確かじゃなかった。ドライタイヤを選んだのは大きなリスクだったけど、判断は正しかった」

 Q:「タイムのギャップから察すると、日曜の予選がドライでも順位が落ちることはなさそうですね」。

 JV:「そう、有利なのは燃料の搭載量もノーマルでいけることだ。心配なのはルノーかな。彼らの燃費は良いからね。おそらく決勝はワンストップ作戦を取るだろう。エンジンがブロウアップしなければ彼らが勝つかもしれない。」。

 Q:「後ろから来るドライバーを抑えながらタイヤをセーブするのはどれくらい難しいですか?」

 JV:「タイヤを気にする必要はない。ただプッシュするだけだ。現代のテクノロジー本当に素晴らしいよ。スリックだと、だたダメージが増すだけなんだけど、グルーブタイヤで走っていると、それ自体が途中で回復していくんだ」。

 Q:「今年の新しいレギュレーションについてはどう思いますか?」

 JV:「今日に限っては好きだよ!僕に合っていたから」。