挿し絵4

アーン、アーン、アーン、アーン…
うっ、愛ちゃんが出掛けて10分も経ってないのに美晴ちゃんが泣き出しちゃった。 …それに泣き出してから結構時間経ってるんだ。 最初、おしっこかなと思って具合を確かめてみたんだけどそんな感じじゃないし。 …じゃあ、おなか空いたのかなと思ってミルクを作ってみたんだけど 飲みたがってくれないし…おいしくないのかな?
ゴクゴク…、うん、いい味……ってそうじゃなくて。

…………結局、美晴ちゃんは単に構ってもらいたかっただけみたいで 私が少しあやしてみると嘘みたいに機嫌を直してくれた。 ……うーん、赤ん坊って難しいなぁ。
でも何とか機嫌も直してくれて、少し落ちついたなって感じて、 あらかじめ敷いてあった布団に美晴ちゃんを寝かせて せっかくだから少し整理でもしてみようかなと思ってみる。
「やっぱり、汚い部屋よりは綺麗な方が気持ちいいよね。 愛ちゃんも帰ったら片付けるつもりだろうし、やっといてあげよ」
  そう考えて私は周りに散らかってるものなんかをまとめようと思って、 部屋の整理を始めようと立ち上がると、玄関から大きなチャイムが鳴り響く。
ピンポーン、ピンポーン
「すいませーん、宅配でーす!」
チャイムの音の後、大きな声でおそらく宅配の人、声からして男の人がそう言う。
宅配を持ってきてくれた事を私に知らせてくれたのは嬉しいんだけど、 大きな声を出すから美晴ちゃんがまた泣き出しちゃった。
「…せっかくさっき泣き疲れてしばらく大人しくしてくれると思ったのに」
私はそう言って誰にともなくグチを言いながら 美晴ちゃんを優しく抱きかかえて玄関へと急ぐ。
私も愛ちゃんの家に来たときはノックにして チャイムの音で美晴ちゃんを刺激しないように気を使ってはいたんだ。
「はーい、今行きます!」
少し大きな声で自分が居る事を宅配の人に知らせる。 早く返事しないともう1度確認のためにチャイムを押されかねないからね。


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