挿し絵6

アーン、アーン
「こら、美晴ちゃん。私と同じ名前で美晴って名前なのにいつまでも泣いてたらダメだよ。 …私の見晴は少し違うけど 「みんなが晴れやかな笑顔で私を見てくれる」そんな子に 私もなりたいし 美晴ちゃんもいつまでも泣いてたらお日様みたいに綺麗になれないよ」
わたしが配達のお兄さんとやり取りしている間、ずっと泣き続けていた美晴ちゃんに そう言って私は泣き止んでもらおうと思ったけど効果はないみたい。

「もう、…仕方ないね」
そう言って私は美晴ちゃんを優しく抱きながら まだ少しぐずっている美晴ちゃんを連れてリビングに戻る事にする。 それからも美晴ちゃんのおしめを代えたり、 ミルクを欲しがったので急いでまた作りなおしたりと忙しさは結構続いた。
  「ふぅ……、結構疲れるね。こりゃあ昨日愛ちゃんが 私にあんなに必死で頼みこんだのもわかる気がするな」
私はそう言いながらようやく少し眠ってくれた美晴ちゃんの顔を見ながらつぶやいてしまう。
そうだよね。将来私が誰かと結婚して、子供が出来たら 毎日こう言う事をしなけりゃいけないんだよね。でも嫌いじゃないよ、こういうの。 …美晴ちゃん、あなたはすぐに忘れてしまって憶えていないかもしれないけど 私はあなたにこうして会えてとても嬉しいよ。
赤ちゃんに接する楽しさ、赤ちゃんに私が何が出来るのかを教えてくれた喜び、 そして今の美晴ちゃんの安らかそうな寝顔が私にとっては何よりも嬉しいよ……


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