会いたくて 会えない夜
        想いを空に広げて

永久に。(2)  
      −T side−
これでいいのか、と。
魂の片割れが嘆く。
何故、良くないなどと言えるだろうか。
混在する記憶の中で。
確かに、多くの者の命を奪ってきた。
この星が滅ぼされて逝くのを、静かに見つめていた。

偶然などではなく、確固たる意志で。
何度も。何回も。失われて逝く魂を見続けてきた。
必然の、成り行きとして。
全ては、彼女を葬り去る為だけに。
そして、この期を逃さぬ為に。
彼の大切な者達までも。利用、した。
知らなかった、では済まされない。

裁ききれない罪を この 身  に 背負った。

「楊・・・ぜん・・・。」
夜空に降る一千の輝きを見つめて。
一段と、大きな白い光を見上げた。
この、宇宙の空の中に。彼がいる星が、ある。
目に映る大きな、美しい光は同じ。
けれど、同じ景色を刻むことはもう出来ない。
力を使えば一瞬の距離でも。
あまりに、遠すぎて。
あの頃とは、あまりに違いすぎて。

―――――泣くかと、 思った。

「弱く・・・なったものよのう・・・」
誰に、言うでもなく呟く。
ふっと自虐的に笑ってみせた。

おもえばおもう程、想いは強くなり。
泣き叫んで。助けを求めれば誰か救ってくれるのだろうか。
彼は、もう一度でも。一瞬だけでも振り返ってくれるのだろうか。
例えその先にある瞳が。
どんなに暗く冷たいものであっても。

そんな事を考える自分に、苦笑した。

今、この身に当たる風。
ずっと味方でいてくれたソレさえも。
今は、お前が悪いのだ、と。
まるでそう責め立てるかのように、冷たく吹き抜ける。

――――――いっそ 消えてしまえば良かったのかもしれない。
この星となった、彼女のように。
ジョカと共に。あのまま。
もう、自分の役目は終わったのだから。

・・・それでも。きっと、消滅しきれない。

ただ、もう一度だけでいい。
彼に会いたいと。
そう、残留思念のように残る想いがある。

けれど。だけれど。何が、出来る。
王天君と融合した時点で。伏羲となった時点で。王奕に戻った時点で。
否、本当は。ずっと以前から。
自分には、そう想う事さえも許されはしない。

苦しくて。苦しくて。苦しくて。切なくて。
頬を伝うものを拭うことすら。ままならない。身動きできない。
「―――――楊ぜん・・・っ・・・・・。」

想いは―――――――消えて いない  から

――― To be continued ―――

久崎 歴さまより頂きましたV

<作者さまのコメント>

第二段目でございますー・・・。(滝汗)
い・・いかがなものでしょうか・・・(ビクビク)
今回は、あえていつもと書き方を変えているので、
余計に微妙かつ訳不明な話しに・・・ごほっ。

次から、やっと話が進むと思いますが、(遅)
何故か少女漫画・・・(痛)

さ・・・最後までお付き合いくださると嬉しいです――――・・・(控えめ)

第二段、師叔編です。

……お互いに後ろ向きな楊太さんというのはその実ツボです(笑)
互いを思うが故に、逢えない、逢うわけには行かない、と「思い込んでる」二人が。
あと、実は楊ゼンさんの事が大好きな師叔。「実は」がポイント(笑)

歴さん、素敵な小説をありがとうございました!(>_<)

柚木拝 02/08/06