尋問 |
一方、遺跡の楼閣ではカ・フンショウたちが帝国軍の尋問を受けていた。 「さて、そろそろ吐く気になったかな?諸君。」 シイタケ大王は十字架に貼り付けられグッタリしたカ・フンショウたちに言った。 「わ・・・我々は学者だ・・・・遺跡の調査は学術的な興味からにすぎん・・・」 そのままガックリとうなだれるカ・フンショウの顎をしゃくりあげて大王は再び問いつめた。 「ほぅ、なかなか強情だな、ではここで何を探していたのかな?」 「くっ・・・古代の遺物は・・全て調べる価値がある・・・・」 「ふん、おおかた財宝でも探して資金源にでもするつもりだったのだろう。」 「お・・お前たちにこの学術的な価値が・・・解るものか・・・」 「ガハハハハ、まぁよかろう、吐かせる方法はいくらでもある、楽しみにしておれ。」 そう言うと大王はフンショウの顎から手を離すと部屋を出て行くとエノキンを呼び寄せた。 「エノキン!エノキンはおらぬかっ!」 「いかがなされました?大王様。」 「すぐに手隙の者を集めて遺跡を捜索しろっ、古代の遺物とおぼしき物は全て帝都に持ち帰るのだ。」 「畏まりました大王様、早速手配いたしますじゃ。」 エノキンが部下を呼ぼうとしたその時、遺跡を包囲していた帝国軍に一通の知らせが届いた。 そしてその知らせを読んだエノキンの表情が一瞬険しくなった。 「ご苦労、追跡は続けろと返事をしておくのじゃ。」 エノキンは不満げに返事をすると伝令を下がらせた。 「どうしたエノキン、悪い知らせでもあったのか?」 「はっ、実は大王様、エミールどもの追跡を命じておいた別働隊がドコサヘキサエン山の麓で奴らを見失ったようですじゃ。」 「かまわん、好きにさせておけ。」 その知らせを大王はまるで気にも留めない様子で言った。 「ですが大王様・・・」 「ほぉっておいても奴らはどうせここへ来るのだ、案ずる事は無いわ。」 「ふむ、それもそうですな、どうせこちらには人質もおりますゆえに。」 「そう言う事だ、しかしこのまま何もせんのは奴らに失礼だな、エノキン、歓迎の宴を開いてやれ、趣向はまかせる。」 「承知いたしました、盛大に歓迎して御覧にいれましょう、ひゃっひゃっひゃ。」 そう言うとエノキンは部下に何事か指示を出した。 |