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第十三話「直線が続いてて気持ちイひ〜〜っ」
1999年8月7日05:00 日本 長岡
長岡ジャンクションまではそう遠くなかった。
延々と見通しのよい直線路が続いた後で、朝もやの向こうに分岐点が見えてくる。
団長は疲労のためか、助手席ですやすやと寝息を立てていた。
「だれか濡れゾ〜キンかなんか持ってねぇ〜?」
そう言いながらル〜ムミラ〜越しに後部座席に目をやると
headsだけが起きていて、MBXもあつこも寝ていた、headsだけが悪巧みを考えてるのか、遠いカンボジアに
思いを馳せてるのか定かではないが、瞑想に耽っていた。
ゼンソン号は長岡ジャンクションを優雅なカ〜ヴを描いて進路を西にとると一気に北陸道に入り、快調に距離を稼いでいった。
6時を回ると一気に日差しが強くなり、トンネルをひとつくぐると風も空も輝き始めた。
ゼンソン号は緑萌ぇ〜萌ぇ〜な田園地帯を突き進み、見渡すかぎり直線の三車線であった。
ミケくんは眠たいコトもあってぐんぐんとアクセルを踏み始めた。
緩やかな下り気味の勾配も手伝って加速し始めるゼンソン号。
それにつれて振動が大きくなってくる。
面倒臭いのでアクセルを踏みっぱなしだった。
景色の流れが速くなり前にも後ろにも車影はなくなってきた。
萌ぇ〜萌ぇ〜の水田が初夏の日差しに照りかえってこれまた燃え燃え〜になって異常に眩しかった。
「夏だねぃ〜headsちゃん」ミケくんは窓を開けながら暢気に話しかけた。
「おぉお〜」寝ていると思っていたMBXがheadsと一緒に応じた。
そりは絶好のカニカニ日和だった。
気づくとスピ〜ドメ〜タの針は150Kmを越えようとしていた。
早朝の北陸自動車道が朝日を浴びてどこまでも延びていた。
headsが前に乗り出している。
「直線が続いてて気持ちイひ〜〜っ」心なしか声がひっくり返っていた。
やや下り勾配のこのあたりではゼンソン号のレスポンスがすこぶる良くなる。
「どんくらいまで行くんやろ・・・」
そう云うとミケくんはアクセルを踏み込んでみた。
160を超えジリジリとメ〜タ〜の針は上がってゆく、ひときわ振動が大きくなる
「165・・・おおケッコ〜いけるじゃん」
ついに針は170をやや越えたところで動かなくなった。
吠え立てるエンジンの音がゼンソン号を揺らす
顔を突きだすようにしていたheadsが口を開いた。
「コラさん、カメラありますよ、こ〜ゆ〜トコは絶対」
その言葉にギクっとしたミケくんが前方に目をやると速度を落としているらしい先行車が見え始めていた。
すぐさまガクンと動力を失って惰行するゼンソン号、スピ〜ドもズルズルと落ちてきて120Kmで安定した。
短いトンネルをいくつかくぐると、イキナシ目の前に海が広がってきた。Ψ(`o´)Ψぅうおおおおお
今年初めての日本海であった。妙に懐かしく心ウキウキ常夏ヴァケ〜シィヨンであった。


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