第六十伍話「恐怖(<●> <●>;)梅の間物語」 1999年8月8日23:00 日本 珠洲 狼煙館其の柔詩 |
その部屋は廊下の薄暗い角に位置しており、歩くと軋む板張りの廊下に深い灰色のスチ〜ルドアを構えて静かに待っていた。 「・・・なんかココみたいなんだケド・・・(;^_^A アセアセ なんか妖気がぁあああ」KMが神妙な顔つきで振り返った。 「いやだぁ〜〜ヤメてよぉ〜そんなコト言うのはぁあああ」あつこが泣きそうな面持ちで喚いた。 なんだなんだと他の部屋から団員達がゾロゾロと集まってきた。 グギぃいギギギ・・・不気味な音とともに梅の間は彼らの前にその姿を初めて現した。 真っ暗な室内はブラックホ〜ルの様に見るもののエネルギ〜を吸い込んでいるかのように静かに横たわっていた。 ほの暗い部屋の突き当たりに他の部屋を同じような姿見が闖入者を拒むようにこちらを睨んでいた。 「ここに泊まるのぉお〜〜ウソでしょ〜コワいよぉお」Hirokoが後ろから覗き込むようにして囁いた。 「ど〜考えても何にも無かったとは言わさないで〜っっこのフイイキはぁ(<●> <●>;)」ミケくんが追い討ちをかける。 ここに泊まる予定の女性二人は、すでに廊下の向こうに居て完全にビビっていた。 「絶対なんか居るよね?この部屋って」そう呟きながらも誰一人梅の間に入って行こうとしない。 口々に怖ぇ〜〜と言いながら、後ずさりするようにして一人一人去っていった。 結局女性陣はあつこが昨晩泊まった「松の間」に荷物を置き着替えていた。 遅れて来た団長は梅の間が割り当てられたのを知らずに暢気な顔をして廊下に現れたので 「ちと団長来てみ、面白いぞ(=^.^=)/」ミケくんが団長に手招きして梅の間に連れていった。 「なんですかぁ〜どれどれ、へぇ〜ココに決まったんですかぁ〜」団長は部屋の中を覗き込んでいた。 「だろ〜だろ〜〜なんか陰気な部屋だべ(* ̄∀ ̄)ニァ」ミケくんは一言云い放つと 団長を真っ暗な部屋の中に思いっきし突き飛ばして、スチ〜ル製の重たいドアをバタンと閉めて押さえ込んだ。 「おわぁ〜〜あああ〜〜!何すんですかぁ〜開けてくださいよぉ〜(j_j)」中から団長の悲鳴をも思える団長の叫びが聞こえてきた。 「なんかさっき白い布みたいのが飛んでてよぉ〜幽霊が出るらし〜ぞぉ〜(=^o^=)」 「げげっっ〜〜マジですかぁ〜怖いよぉ〜暗いよぉ〜〜(T_T)開けてくださいよぉ〜」 「うははぁ怖いかぇ〜?暗いかえぇ〜?♪幽霊さんに挨拶せんかいぃっっ」ミケくんはチョ〜シにのって喚いていた。 「なんか居る気配か?団長」 「いや、なんいも見えないですよ〜(T_T)」団長の涙声がドアを伝わって来た。 「こ・・・こえぇ〜マジで、これはヤバいっすよ」30秒くらいしてから開けたら脱兎のごとく飛びだしてきた。 あつことHirokoも竹の間に集まっていた。 二人して走って部屋に戻ってきてからもその話題で賑わった。 「本当にあそこに泊まるの?大丈夫?」怖そうな表情でクロネコが二人に向かって云った。 「ええ〜〜絶対に嫌っぁ〜っっ」女性陣は声を揃えて梅の間に泊まる事を拒否する意思表示をした。 「いやぁ、あれは絶対になんか出ますよぉ〜マジで、ボク変なの見ましたもん」監禁されてた団長が涙目で訴えかけた。 「んじゃ〜〜ど〜しよっか?部屋割り」Maroが笑って、その巨体を布団に沈めた。 まぁ〜取りあえずという感じで、大脳が全く機能しないカニカニ団であった。 「おっっっもう11時でだぁ〜IRCに誰か来てるカナ」haedsが寝そべりながら呟いた。 「あああ、本当だわ、っってもIRCのメンバ〜ってばミンナここに来ちゃってるじゃんよ」たつゆきが叫んだ。 「どれどれ、様子を見てみるかいのぉ〜♪」Maroは慣れた手つきでPB2400を取りだすと膝の上で器用にセットアップしていった。 「さとみちんといぬっちとビヴァかぁ、なに話してるんだろねぇ、ノ〜ト持って来ます」団長が立ち上がって云った。 「おお〜〜ココまで来てもやるんかいっっっ?」ミケくんが顔を上げるようにして寝返りをうった。 「お・・おれも、持ってこよ〜っと」前言を翻すとミケくんも立ち上がって後を追った。 「ほぃほぃ〜んじゃ、こっちは先に繋いでるよん」とMaro ミケくん、あつこ、Hirokoの三人が待つの間に到着した時、団長は早くも携帯にモデムカ〜ドを接続していた。 ひと足早くIRCに接続した隣の竹の間から笑い声と歓声が上がる。 何か起こっているようだった。 「よしっっっ、OK」団長が叫ぶと、画面をHirokoとあつこが覗き込んでいた。 ミケくんの興味津々の呈で覗き込んだ。 「おお〜いぬっちが来てるねぃ」 液晶の画面に次と吐き出されていく黒い文字、いぬっちの挨拶に即効で返事を打ち込む団長。 なんと史上始まって以来の隣の部屋同士のチャットであった。 今日能登遠征だという事情をよく知らないいぬっちは、なんかおかしいと思いながらも、会話が進んでいった。 「ちと、団長おでにもやらして」うなずくと団長はログアウトしてミケくんにPBを渡した。 ログインするときにハンドルネ〜ムを打ち間違えてnikekunになってしまったのに気づかず会話が始まった。 すぐさま隣の部屋から「ミケくんハンドル間違ってるよぉ〜」くぐもったMaroの声が聞こえてきた。 [ナイキくんで〜〜す、ハジメマシテぇ〜(●^_^●)/ヨロピクぅ」間違いに気づいたミケくんは咄嗟にゴマカシに入った。 まるで、知らないフリをして隣のMaroと会話をする、 「どもども〜今、ドコにいるのぉ〜?Maroちゃん」 「えっと、ちと外出ちう〜♪」といぬっちをダマしに入るすっとぼけた二人。 「そなんだ、おでも今旅行中なんよ。」イイ加減な言葉がウインドウにあふれ始めていった。 すでに花火の事は誰も彼もの遠く記憶の彼方に追いやられていた。 |