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第六十七話「梅の間心霊ツア〜にようこそ(* ̄∀ ̄)ニァ」
1999年8月9日00:00 日本 珠洲 狼煙館其の柔録
ようやく午前を廻ったころチャットはお開きになった。
たつゆきのだしたデジカメが、彼らの興味に取って代わった。
さっそくSakaとMaroが代わる代わる手に取って、ファインダを覗いていた。
目ざとくをれを見つけたミケくんが閃いた。
「ちと、そりを貸してくり、梅の間を撮ってくる」
「うはぁ〜なんか写ってるカモ〜(<●> <●>;)」MBXが布団の上で明日の朝刊を配ってきたような面持ちで云った。
「よっしゃ〜」いうが早いか、タバコを乱暴に灰皿でもみ消してミケくんが立ち上がった。
デジカメを受け取るとドアへと走りながらお約束を叫んだ
「たっちゃん、押すだけ?こりってば」
「そうそう、コラさん」
聞こえるが早いか、ミケくんは梅の間のドアを開けていた。
真っ暗な梅の間の姿見に自分の姿が映っているのを見て一瞬ドキリとした。(゜o゜;) はぅっっ
カビくさいような、なんとも言えない匂いが部屋中に満ちていた。
歴史ある古い狼煙館の壁には、至る所に割れ目状に染みが走り、奥の掛け軸まで繋がっていた。
部屋の中で何かが動く気配がした。はっきりとわかる白いものが素早く部屋の奥へと後ずさった。
「おわぁ〜〜っっっっっ(@_@;)」ミケくんは慌てて身をかがめると、手探りで部屋の灯を点けた。
間もなく部屋中に溢れた眩いばかりの蛍光灯の光に目をしばたいた。
その中に何者かが蹲るよにして顔を伏せていた。それは先ほどの男だった。
「脅かして済みません、お布団を敷いておこうと思って・・・」カタコトとも思えるような日本語で男は呻いた。
「ビックリしたぁ〜、驚かさないでくりくり〜(<●> <●>;)死むかと思ったわ」ミケくんが立ち上がって男を見た。
「もう敷き終わりましたので、わたしはこれで」そう云うと男はその年齢にそぐわない素早さでミケくんの傍らを音もなく擦り抜けて行った。
あまりの事に豆鉄砲を持ったハトヤ消防隊のような面持ちでミケくんは、1歩も動けなかった。
恐る恐る廊下を振り返ると先ほどの男は跡形もなく消えていた。
「なんなんだお〜あの旅館のオヤジ、ビックシしたわぁ〜(;^_^A 」ミケくんはひとりごちると、要所要所に向かってカメラを構えた。
ものの1分ほどだったろうか。5,6枚をカメラに収めると足早に梅の間を後にした。
ミケくんはカメラを高く翳し竹の間にドタドタと飛び込んできた。
「撮ってきたぞ〜!!あ〜〜怖かった」
「おおお〜!待ってたよ〜〜〜ん♪」Maroが既にフォトショップを立ち上げてスタンバっていた。
さっそく記憶カ〜ドをPB2400に差し込んで、HDにコピ〜し終わると、カ〜ドをたつゆきに渡した。
最近Macをいじり始めたエアロビ東が興味深そうに一連の作業を眺めていた。
画像ファイルを一つ一つ慎重にフォトショップで開いていった。
「おおぉお〜なんか映ってるってばぁ〜〜これってなんか怪しいぃ」Maroの指さす先には先ほどの壁の染みが不気味に写っていた。
「どれどれぇ〜?」headsとクロネコが食い入るように画面を見つめていた。
二重三重にモニタを取り囲みMaroがズ〜ムアップしては、「おおぉお〜」 反転させては「ショ〜〜ック」と叫んでいた。
段々ふざけ始めて、今やMaroの操るポインタがツ〜ルボックスの上を激しく動き回っていた。
「うわぁ〜なんか怪しい〜この鏡んトコ(゜o゜;) 」画面には当初のデジカメ画像とは似ても似つかない絵が写っていた。
Maroが鬼のような特殊効果をかけるたびに回りから爆笑と歓声が上がった。
そこに一風呂浴びてきたあつことHirokoが何も知らずに竹の間にやって来た。
「おおっっ、これ見てみて、梅の間に行って撮ってきたデジカメ写真なんだケド」ミケくんが手招きをしてる。
二人は人だかりを分け入ってMaroのPB2400の画面を覗き込んだ、その瞬間に洗い立ての髪がみるみる逆立った。
「きゃぁあぁああああ、なにこれ〜!?」悲鳴を揃えて後ずさりする二人。
そこには、薄汚れた壁にハッキリと怨念の顔のような模様がが浮かび上がっていた。
合成なのだが・・そりはプロの合成だった(`_´)!
「私、絶対梅の間に泊まるのイヤぁああ〜〜(><;)/」すっかりうろたえた女性陣は、すでに顔面蒼白状態だった。
かくして梅の間幽霊伝説が捏造されたのであった。


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