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第六十八話「団長の2400のタメに今年は糖度を落としました」
1999年8月9日01:00 日本 珠洲 狼煙館其の柔貭
さらにMaroの操るポインタは時に指の形になり、また木琴のバチの様な形になっては容赦なく画像の上を忙しなく掻きむしる。
みるみるうちに、画面の壁には世にも恐ろしい『へのへのもへじ型自縛霊2号』が出来上がったいた。(<●> <●>;)
「なぁ〜にこれ〜ウソでしょ〜こんなのヽ(^。^)ノ」あつこが笑って画面を指さした。
夜も更けてきたので男性陣も風呂の入りに行くことになった。
大きな風呂場ではないので数人ずつ1階の風呂場に降りていった。
特に温泉地でもない狼煙岬ではミネラルに富んだ地下水を汲み上げ暖めることで温泉に近い風呂を設えていた。
交替交替に団員達が体中から湯気を上げてメインル〜ムになっている竹の間に戻ってきた。
連日の強行軍のせいかクロネコは疲れて早く寝たいとのことで、荷物を持って竹の間を出てった。
「さてKMさんのペットでも聞きにいくかぁ〜狼煙岬に」Sakaが冗談を飛ばした。
「( ̄◇ ̄; やらないやらない、も〜やらない」KMがコワばった笑顔で速効で応える。
一時半を廻るころには12帖ほどの竹の間には全員が揃い、満を持してKMとたっちゃんのお土産Part 2である吟醸酒が出てきた。
「団長のPB2400の用意はいいかぁ?(=^.^=)/」KMが去年の能登遠征時に起こった悲惨な事件に言及する。
「今回は、団長のMacのことを気づかって糖分控えめの辛口を持ってきました( ̄◇ ̄;」すかさずたつゆきが追い討ちをかける。
「え?カンベンしてくださいよぉ〜マジで(ioi)」団長が去年の事件を思い出し胸に熱いものが込み上げてきた。
MaroとMBXが手分けして先ほどコンビニで買い求めたプラコップを車座になった真ん中の畳の上に並べた。
「おれの分はちょっとでいいから、気持ち付き合いで」酒の全く飲めないSakaが慌てて云った。
了解と頷くとKMは12個のコップになみなみと地酒を注いで廻った。
酒がみんな揃ったところで、乾杯ということになった。
「みなさん、仲良くね!(ハァト)。カンパぁ〜〜い」恒例となった団長の音頭で一斉にコップに口をつけるカニカニ団。
「ウマいっっ、こりゃイケる♪」headsが唸った。酔いが回るほどに、再び梅の間の話に花が咲いた。
怖がり始める女性陣をしり目に、段々大げさなヨタ話しになり、梅の間物語はどんどん膨らんでいった。
話しは次第に梅の間から一般の怪談に移り、いよいよ夏の風物詩である百物語であった
「ちと、明るすぎるなぁこの部屋。電気消そう電気」ミケくんが立ち上がって照明のスイッチを切った。
「(@_@;)うわあ、、、真っ暗。ダメだよ〜これじゃ、いくらなんでも」暗闇でタバコの赤い点だけが動いていた。
「(^_^;)ゞうはは、こりはちと、暗すぎるおね、そだそだ松の間に灯籠みたいなモンがあったわ」
いうやいなやドアを開いて松の間に飛んでいくミケくん。
すぐに古めかしい電気灯籠を手にして竹の間に戻ってきた。
部屋の隅のコンセントを差し込むと、ボンヤリとしたイイ感じの黄色い灯が拡がった。
「んでは、電気消しますよ〜」部屋の中では灯籠を中心に皆の顔がボンヤリと浮かび上がっていた。
「さて、では・・・始めようか・・・(* ̄∀ ̄)ニァ」灯籠の光に照り返されたSakaの笑顔が不気味に輝いていた。
酒を飲みながら次々と団員たちの口から恐怖の体験談が飛びだしてくる。
波のような(<●> <●>;)ひえぇえ(゚〇゚;)うひゃ〜の驚愕と寒気の連続であった。
忍び寄る夜気とともにミケくんは背後に空気の動く気配を感じた。
冷気のような者がうなじを撫でたように思った。
振り返ったニケくんの目には薄く開いた障子の隙間に何かが動いたように見えた。
手が強張り、目を凝らすと背中に汗が吹き出てきた。
庭先の遠くで水の滴る音が聞こえた、山鳥が羽ばたいているような、それとも啼いているような
ミケくんがゆっくり立ち上がると、佳境に入ってきた怪談話の落ちに、部屋は水を打ったように静まり返っていた。


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