あさばあのインドア最速理論

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ここでは、インドアレーサーヨンサンの室内での実走データをもとに、セッティングの研究をしていきます。
このコラムを読む前にヨンサン入門編を読むことをお勧めします。


最速理論その1 フローリング編

前回フローリングでの基本的なタイヤセットがわかりましたので今回は更にタイヤセットを煮詰めていきます。
今回走行するコースも前回とまったく同じコースになります。

さて、フローリングでグリップするタイヤがラジアルパターンを削ったスリックタイヤだということがわかりました。
前回は表面を削るということをメインにしていたので詳しく書かなかったのですが、自作スリックタイヤにはスペック2のタイヤベースのものと、スペック1のノーマルタイヤ(太)ベースのものの2種類があります。

タイヤデータ
ノーマル
SPEC2:幅6.0mm:径16.0mm
SPEC1:幅6.5mm:径16.0mm

スリック
SPEC2:幅6.0mm:径15.5mm
SPEC1:幅6.5mm:径15.4mm

違いはデータでもわかる通り1つ目は幅です。
もう1つは、コンパウンドです。
ゴムの質が違うようです。

リアタイヤはこの2種類を使用します。
フロントタイヤにはSPEC2のノーマル&SPEC1(細)の2種類を使用します。
今回使用するシャシーは<SPEC2(どノーマル)>です。

走行テスト開始
まずはSPEC2のテストなのでSPEC2のタイヤを前後につけて使用します。
前回このセットで好フィーリングを見せていたので、いきなりタイムアタックに入ります。

結果
ベストラップ: 4秒85
10周タイム:51秒09

むむ、遅い。
前回のタイム
ベストラップ: 4秒41
10周タイム:46秒58
にまったく届きません。
しかも、アンダーステアや、テールスライドど言った不安定な挙動を見せました。

マシンを調べてみると、タイヤにべったりとほこりがついています。
路面が1日で汚れてしまったようですね。
そこで、フローリングクリーナーを使用し路面を磨きました。
すると、うそのようにグリップするようになりました。
やっぱり、横着はいけません。
走行する前には必ず拭き掃除が必要だということがしみじみわかりました。

タイヤも毎回拭くことにしました。
今回はフローリングを拭いた雑巾でタイヤを拭きましたがかなりのグリップ回復をみせました。

気を取り直してタイムアタックです。

結果
ベストラップ: 4秒75
10周タイム:49秒96
安定感は増しましたがタイム的には今ひとつ伸びませんでした。

次にリアタイヤをSPEC1(太)に変えてトライします。

結果
ベストラップ: 4秒71
10周タイム:49秒40
SPEC1(太)のタイヤの方がグリップが良いようです。
タイム的には大きな差はないように感じますが、SPEC2のタイヤのときに見せていたテールスライドがかなりおさまりました。

しかし、現在のセットはアンダーステアがひどくコーナーごとにコース幅をいっぱいに使って走行しています。
ボディを変えたり、ラインを変えたりいろいろ試してみましたがタイムに大きな変動はありませんでした。

そこで今度はフロントタイヤをSPEC1(細)に変えてトライします。
このタイヤはかなりグリップが良いようです。
かなりの手ごたえを掴みました。

結果
ベストラップ: 4秒28
10周タイム:45秒28
なんと!いきなりラップで0.5秒も縮める事ができました。
走行した感じも非常に走りやすいですね。
ライン取りもかなり楽になりました。

この後のタイムアタックで
ベストラップ: 4秒21
10周タイム:44秒28
ここまでタイムをつめました。
このタイムを出したときはランエボのボディを使用していましたが、試しにハコスカのボディを使用したところ、

結果
ベストラップ: 4秒24
10周タイム:44秒49
とほぼ同タイムを出す事ができました。

今回の結論
同じスリックタイヤでもグリップに差がある。
(今回はSPEC1のタイヤの方がグリップが高かった)
コースによってフロントタイヤも使い分ける。
(フロントタイヤもSPEC1のタイヤの方がグリップがよかった。)

フローリングで走行するときは、直前にフローリングクリナーなどの床専用洗剤(300円〜400円程度)を使用し汚れをふき取る。
可能な限りタイヤも毎回汚れをふき取る。

最後に今回のタイヤセットのデータ&結果を書いておきます。
参考程度にどうぞ。
Fタイヤ Rタイヤ ベストラップ 10周タイム
SPEC2 SPEC2スリック 4秒85 51秒09
SPEC2 SPEC1スリック 4秒71 49秒40
SPEC1(細) SPEC2スリック 4秒60 48秒41
SPEC1(細) SPEC1スリック 4秒21 44秒28


今回はコースが狭くタイトコーナーが多かったためアンダーなSPEC2のタイヤを使用したセットではタイムを出すことが出来ませんでした。
また、リアタイヤについてはSPEC1のタイヤの方が安定感が高くグリップも良かったです。
ただし、タイヤセットは路面との相性やコースレイアウトや個人の好みもありますので、このデータ通りすればよいというわけではありません。
このデータを参考にしながら自分好みのマシンに仕上げるのが正しいセッティングです。
いろいろ試してください!


俺の最速理論に揺るぎはない!

フローリング編 第2章完


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