アニマ・アニムス・その姿は


<傾聴>

今回はオムニバス形式で書いてみたいと思います。


薄い記憶で恐縮ですが

ある日の新聞の記事で東大合格者の共通点という

アンケート調査が載っていた。

みればほとんどの項目で決定的な共通点

はなかったと書いていたようですが

一つだけ明確に有意差(誤差や偶然では説明がつかない値)

があった項目がありました。


過半数を大きく超える親が実践していたことです。


それは小さい頃から子どもの話を興味をもって

聞いてあげるというただそれだけのことでした。


私が新聞を見て興味をもったのは東大ではなく

子どもの話を興味をもって聞いてあげる傾聴という

カウンセリングの重要な姿勢が東大合格者の親に

知ってか知らずか自然にあったことです。

カウンセリングで相手の話を聞くという大切さは

ユングもカールロジャーズも同じことを

いっています。

あなたのことちゃんと認めているよと

無言のメッセージです。

これだけで子どもの心が安定し

自己肯定感が生まれる可能性が高まります。

専門用語は極力ひかえてください

そして心の自然治癒力も高まります。

ただ人の話を聞くということは大変疲れます。

聞く側によほどの心の余裕がなければ続かない

ことでしょう。


<共感と理解>

カールロジャーズ(1902-1987)米国の臨床心理学者

カールロジャーズといえば共感と理解そして自己一致

を基本姿勢にしています。


そして彼のすごさは理論ばかりでなく

その積極的な現場での実践だと思っています。

全米中の問題児を総て集めたかのような

数千人の問題児の相談や解決へ至る実験を続けて

いました。しかしすべては解決しません。

そんなときある親のカウセリング依頼から

気づいたみたいです。

子どもの問題にとって親子関係はとても重要だと。


またベトナム戦争での傷ついた若者の心の問題に

取り組み全米の多く人々に影響を与えた人です。


<普遍的無意識>


推測ですがユングに言わせれば子の問題は

元型(集合的(普遍的)無意識のなかにある

人類共通のイメージ)

例えばシャドー、アニマ・アニムス・

大母・老賢人、他 や

家族の集合的無意識・民族・学校・仲間・

取り巻く社会もみなそれぞれ

集合的(普遍的)無意識を形成している。

それらが星雲のようにうずを成し問題を

複雑にしている。

ただ元型には時空を越えての類型が多い。

個人なんて地下茎でつながった竹林の一本の竹と同じ

みんな地下でつながっているんだよと



繋がっているのにそれに無関心に

貧しさが悪いとかあれだけ愛していたのにとか

ほしいものはなんでも買ってやったのに

どうしてこんな子になってしまったんだと

思っても結局自分は外側の意識でいる。

因果律で考えて大変な時間と労力と費用をかけ

たとえそれが解決できたとしても別件で

無情にもまた次の山がやってくる。



今(2021年)地球上にはおよそ80億人の人がいるのに

そのうち個人が一生に縁を持つことができるのは

とうりすがりの微細な縁をいれても知れている。

夜空の星を見ながらそれにむかっていっぱい手

を伸ばし伸ばしきった先に指で小さな円

を作るとそこに幾つかの星がはいる。

それが広大な夜空に散らばる無数の星の中で

自分が一生のうちに濃厚な縁をもつ人達です。

あしたのごはんなにゅかな・・

その小さな円の中だけの星の縁を意識して考え

ていても自分もその縁の一人だという

ことはにはなかなか思い及ばない。

まして指で作った円の中の星との縁を意識

すればするほど円の外にある無数の星々との

縁は意識の中にはない。

意識、無意識、集合的無意識に似ている。

おもろない、もう寝よう



<何者かがいる>

目の前の心を見るなその背後に潜んで操って

いる奴が何者か気配を感じろと

奴は意識の生まれる前からお腹の中の

言葉(大人)も意識もない暗い深海の中をただよい

無意識の中に宿りじっと出番を伺っている

奴は時々夢の中に現れ何かを暗示して去ってゆく

そして休まない意識を攪乱して去ってゆく

誰がこんな姿にしたんだー
頑張っている者ほど休め

奴は気まぐれだ

意識が型どうりのありきたりの努力を繰り返していると

人生のキーパーソンになる誰かにめぐりあわせてくれたり

見るに見かねていかにも努力の結果ですと

いうように見せて天賦の才を暗示して

どこかに消えてしまう。


そうして意識は言葉(大人)を使って言わせるだろう

家族のおかげですとかみんなのお陰ですとか

運がよかったとか努力は報われるとか

神様ありがとうとか


決して死に至る病(絶望)なんて思わない。

しかし死に至る病からの人生もあるんだよ

キェルケゴール「死にいたる病」

悩み苦しみ対極との統合への道

まぶしい心をみるな闇に潜む奴が見えなくなるぞ

奴はどこに行ったんだ 気配がないぞ

えっ奴が動き始めたって、なんに姿を変えたんだ!

投影法を使って探せ !

俺のことか ?



<カウンセリングの革新者ロジャーズ>

両者の共通点は目の前の問題の

指示、強制的解決ではなくて

クライエント(依頼主とか相談者)

に寄り添い手助けをしながらなにかを目指そうと

その本人が成長し、もしくは変容して大人としての

解決を自ら目指せるように援助していくことを

目的としているようです。



<コンプレックス>

心の中にある強い感情をともなったこだわり

(専門用語では心的複合体)をコンプレックスと

名付けたのはユングです。


このコンプレックスはやっかいなもので

自分にもあるなんて気付かずにいれば・・


誰のことかは知りませんが


一例を上げれば少年Aは少しの言葉じりで

父や先生に反抗したり

こどもの頃の万能感(自分はなんでも出来る、

やれると思う心理学用語)

さながらに体が倍ほどある奴と

決闘して目のふちとかパンダのような顔に

なって帰宅したり。



少年Aはあげくの果てに

雨上がりの体育館の二階から

連れの前でカッコつけて

持っていた傘を指さしこの傘

落下傘になるんだぞと言い

傘を開いて手すりに手をかけ・・・



もうお分かりでしょうか・・・


傘は決して落下傘のようには出来ていません。
(よいこは絶対にマネをしないでください)

下からの風圧に傘の骨は耐え切れず

雨降りの写真通りの正しい傘の絵図ではなく

こんな→が、こんな→Tになり

やがて→Yになり

途中手放した軽い上靴とガリレオガリレイが

ピサの斜塔で予言した通り同時に・・・

彼はもう少しで捻挫するところでした。

こんな彼の心の底流にあるものはおそらく

昔気質の仕事や家庭に厳しい父への

ファザーコンプレックス(父親や権威ある人

や先生、先輩に対する反発心と

承認されたい気持ちの複雑な葛藤)です。

年頃の反抗期と括っても実際は底流に

人それぞれなにかあるものです。


少年Aの話には続きがありました。

運命の出会いがあったのです。

奴が別の姿で現れたのです。


この続きはまた今度にいたしたいと思います。



ここまでの長話をじっと読まれて

くださいました方は最高のカウンセラー

だと思います。

ほんとうにありがとうございました。
今度こそはいつも変身して捉えどころの

ない奴を相棒として捕まえたいと思います。


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