ユングから嘘発見器へ


<嘘(うそ)発見器>

様々な世界に影響を与えたユングに

ついては興味深いことが多い

そのなかでも今日は嘘発見器とユングの繋がり

について考えてみました。


嘘発見器ってコンピューターがピコピコ点滅して

この人、嘘ついてますと判明するものと思って

いました。

「いいえ!!!」


うんうんやったんだな ? (半落ちの猿刑事)

ボス、ごはんの時間です !

ほれ食えや。うめえぞ

空腹が空腹が悪かったんだ バン!バン!


ボス今日はやっと巣に帰れそうですね


しかしその実態はは当事者しか知りえないことを

質問したり重要な単語を聞かせそのときの

脳波や血圧や心拍数、発汗の反応を

同時にポリ(多くの)グラフにして

なんか反応しているとそれを参考に関連性を

推測し調べるただの検査機器のひとつです。



ユングは精神病棟のなかの実験室で

被験者と言語連想をしていました。


「山」と言えば「川」、「母」と言えば「女」とか

問題とするのはその投げかけた言葉に帰ってきた

言葉の意味ではなく

返答時間を計ったり、瞳孔の開き具合を調べたり

体に生じる反応をみていたようです。


そしてある単語に反応する時間が他の単語より時間が

長かったり体の反応があった幾つかの刺激語を集め

ユングはそこに何かしらの

コンプレックス(無意識の感情を伴ったこだわり、情念)

があると関係の意味するものを考えたようです。


ちなみに日本に伝わったコンプレックスというのは

ユングの使うコンプレックスとは別物で

自信のなさとか自分がホトホトいや

とかの劣等コンプレックスのさらに他者との比較

からくる劣等感(比較劣等意識)でしょうか。



そして有名なコンプレックスでは

マザーコンプレックス(成人しても母との依存関係
が続いている)

ファザーコンプレックス(父親や権威ある人、先生、先輩
に対する反発心と承認されたい気持ちの複雑な葛藤)
(女性では父や父への思いから転移した年上の男性への憧憬)

カインコンプレックス(アダムとイブの二人の息子
カインとアベルの互いの競争、敵意など兄弟の葛藤)

シンデレラコンプレックス(いまに王子様が現れて自分を
救って幸せにしてくれると思う依存型変身願望)

メサイアコンプレックス(劣等意識のある人が
その反動で自分を救世主のように感じ不幸な人を
救わねばという思い)

他にもたくさんあります。

学歴コンプレックス、容姿のコンプレックス、年齢

お金コンプレックス、ロリータコンプレックス

デモステネス・コンプレックス(吃音で苦悩したが後に努力で

雄弁家になったギリシャの人。アドラーだったら

ケーススタディにしそうな人です。)etc



おおよそコンプレックスのない人なんていないと思います。

それが成長の糧になるんだよ

薄い記憶ですがユングはこのようなことを言ったそうです。

優れてなんの問題もない健康的と

思われる人を連れてきてください

私がそのコンプレックスを治療しますからと。
(ククッと笑えました。)




さて言語連想の話のことですが

日常で似たようなことがあります。

友人や知人と軽快に喋っていたものが

ある言葉で相手が少し黙ったり顔が曇ったり

ちょっと考えこんだり下を向いたり急に怒りはじめたり

を経験されたことがあるでしょう

そのような現象の意味を反応があった言語どうしの

関係性で導きだそうとしたものです。



例えば夜空に打ち投げられた光のしずくのような星々。

一見好き勝手にひしめいているようですが、

曇りのないギリシャの詩人がそれをみればすらすらと

星と星を線で結びそれは瞬く間に偉そうな

巨人オリオンになり違う星々も線で結ばれ

それはサソリになりました。

なにか気配のある星と星は線で結ばれ平面となりそれが

想像の力でコンステレーション(今回は布置ではなく星座)

となったのです。

そればかりかその星座に物語まで与えられました。

おらおらおら
傲慢ちきな野蛮人オリオンに怒った女神ガイヤが

刺客を向けたのです。その名はサソリ。


巨人オリオンが血相を変えて逃げ回っている姿が

目に見えるようです。


サソリはその手柄により夜空に上ることになりました。

そうして毎晩、傲慢なオリオンは天敵サソリが現れると

どこかに逃げていくんだとさ。


この星座と星座の物語が成立するには

アフォーダンスのようですが

同時刻に散らばる星々から何かの意味をくみ取れる

詩人がいなければ成立しません。

もしその詩人を言語連想をしているユングに

置き換えてみてください。



他にも無意識の中にある普遍性を見る心理検査は

色々あるのですが幾つか載せておきます。

インクのシミのような左右対称の図柄の

ロールシャッハテスト(投影)やTAT、バウム

箱庭、クレペリン検査、他沢山あります

(ロールシャッハさんは確か漫画家志望だったん
じゃないかな)


ロールシャッハテストはユング心理学の河合隼雄氏は

よく当たるという表現を使われていましたが

人により見方が変わってくるので他の検査を含めて

すべてを解明するというものではなさそうです。

なぜならば河合隼雄氏でも心理は

自分と向き合い自分を知るヒントになっても

他人の心を知ることは難しいと

おっしゃっています。


早くしゃべっちまえ !!


そして何が言いたかったかといえば

ユングの言語連想検査が源流となり

今では脈拍や脳波、血圧などより多種の反応を取り入れ

コンピューターで分析する世に言う代名詞「嘘発見器」

となったようです。


やっと吐いたな さて落ちるか



長々と書いてしまいましたが

それでもここまで読んでくださり

ありがとうございました。

そしてお疲れ様でした。

今後とも心理話にお付き合いいただければ
幸いです。

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