天才と謎の存在、10




先日
2024年度大学入学 共通テスト問題が
新聞に公開されていた。
ただ眺めていた
ある問題に目がとまった。
以下の2行はその引用です。

倫理

第二次世界大戦の経験を踏まえて、フランクルは、
( a )し、ヴァイツゼッカーは ( b )。

ヴィクトール・フランクルがただの四択組み合わせ問題に
なっていたのが少し寂しかった。
(あっそうなんだそれが正解なのねで終わってしまうので)

v.e.フランクルことヴィクトール・フランクルは
ウィーンに生まれ(1905年)フロイトとアドラーに師事して
精神医学を学びました。
若い精神医学者としてウィーンで研究を続け美しい妻と二人の
子どもに恵まれ平和な日々を送っていました。
(夜と霧より引用)

時は第一次世界大戦の後ヴェルサイユ条約(1919)で
敗戦国ドイツは天文学的な
賠償金を科せられ輪ゴムでできているようなヨーロッパの国境線は
(なお賠償金を完了したのは紆余曲折して大戦より92年後らしいです)
くにゃくゃと形を変えドイツの領土は小さくなりました。


おまけに世界大恐慌(1929頃より)の
波にのまれたドイツ国民は生活もままならない
状態に追い込まれます。

国民の不満は頂点に達します
そしてヒットラー率いるナチスの台頭を許してしまい
知性も高く金融従事者(金貸し)(差別から仕事が限定される)
の多いユダヤ人は悪者にされ
次々に囚人としてすべてを奪われただの囚人番号として
アウシュヴィッツに送られたのです。
アンネの日記が記されたのもこの頃です


フランクル達(家族親戚)もユダヤ人というだけで
ゲットー(ユダヤ人居住街)で夜や霧が人の姿を消し去るように
連れ去られアウシュヴィッツに送られ駅に立った選別官の指一つで
ガス室か強制労働かに分けられました。
(その指は生殺与奪の決定をあらわしている。)
(フランクルの妻は別の鉄道線に)

その恐怖の醒めぬうちに
ダッハウ収容所(そこにはかまどがない-この意味がお分かりですね)
で囚人として命つきるまで強制労働を強要されました。
ここでは彼の囚人番号119104これだけで心理学者などなんの意味も
ありませんでした。

働けなくなればガス室に送られる運命への恐怖や心の崩壊、発疹チフス、
そして絶望のなかでも人生の意味を見出した人や
(自分はがまんしてでも弱っている人に分け与える人生の意味を見つけた)、
悪い人になる人と精神科医として
心理学者の立場として淡々と綴った

夜と霧(ヴィクトール・フランクル著)は
多くの人に読み継がれている
世界的名著でアウシュヴィッツ、次にダッハウ収容所での地獄、
人々の阿鼻叫喚を記録したものです


<人生へ期待した人>

そんな絶望的な状況でも人は人生に勝手に期待します。
次のクリスマスには自由になれるとか
ここを出れば愛する人が待っているとか
(でも同じユダヤ人、多くはアウシュヴィッツの・・・)


<人生へ期待した結果>

そしてそれがかなわぬ次の瞬間に前にも増して絶望に陥ります。
(セリグマンの犬のように絶望を学習してしまう)
そうして次々に亡くなっていきました。

それ以上に辛い絶望はなんだったのかも記されています
(これはいじめを受けた者は知っている)
しつこく、この状況がいつ終わるか先がみえない。

そんな中、心に見えたもの心がつぶやいたもの
また不思議な体験では深層心理から今まで知るよしもなかった
文字がなにかメッセージのように意識に浮上してきたり
(フロイトに師事していただけにそれを分析もしています)

困難を耐えるために必要だったもの(例えばユーモア)

そして重要なこと
生きる者と死んでゆく者を分けたもの
がなんであったのか記されています。

夜と霧、の記録者フランクルはロゴセラピーの創始者です
人々がすべてを失なったとき、苦しく辛くもう生きている意味がない
と絶望に陥った時それを一人ひとりの人生から
それぞれが自分で自分の人生の意味を見出せるようにと
手助けすることでした。
日本でも震災のときに多くの人に読み継がれました。


そして何点とれるか問題ですが4択組み合わせの選択項目の

ア、人生が私たちに何を期待しているかを重視してどのような状況でも
未来への希望をもって生き抜くよう努力することの意義を説いた。

この話はその著書(夜と霧)のなかに類義や体験として
語られている一部です。


この人生の意味につながる体験ですが
その生死の間際に見えたフランクルの「生きる意味」と共に
もう少し語りたいと思います、
(アドラーより先になってしまいました)
次は明るい話になってゆきます。
よろしければ次回も聞いてやってください

またつづきを語ります




<疲れたのでteetime>


ルンルンルン


今日は天気がいいし一人でうまいもん食べにいこう
久しぶりに孤独のグルメだフフフ


あっそうだまずはATMでお金引き出さなきゃ


監視者 Y ;  誰かあの人を見張っててください


承知しました



変装しているな





確か今月残金沢山残ってたよな ルンルンルン


ATMに到着

ピポパポ ホイホイ

えっ56円しか ない あーーショック 絶望だ
帰ろ



カチャカチャ おーい帰ったぞ


監視者 Y ; あなたどこいってたの

いやどこも寄らなかったよ

監視者 Y ; 目撃者がいるのよ

ATMの前にいたでしょ


監視者 Y ; もうとっくに私が使ったわ



ATMになにかを期待してはいけないわ
ATMが私たちに何を期待し(問う)ているかを重視してどのような状況でも
未来への希望をもって生き抜くよう努力することね

ああっそうか働いて増やせばいいんだ

ATMを学校に替えても仕事に料理に替えてもいいんだ


いつまでもこんなところですが
またよろしければいつでも
お越しください、お待ちしています

ありがとうございました


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