2005年2月、山口県下関市と福岡県北九州市門司区とをつなぐ海底トンネル、 国道2号線関門トンネルを通ってきました。 徒歩で。どういう事かというと、この関門トンネルには、 自動車専用の車道部分の隣に、人と自転車(もちろん曳行)専用の人道 があるので、そこを通ってきたのです。
関門トンネル人道の、山口県側の入り口へは、JR下関駅から路線バスで15分くらいの バス停「御裳川(みもすそがわ)」で下車します。
この真下を国道2号線の車道と人道が通っているわけですが、真上には、 有料道路の九州自動車道・関門橋が架かっています。そして、肉眼でも 対岸の町並み−門司港地区−を確認できます。
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またこの辺りは、歴史的事件が2回も起こった場所だそうです。1回目は、 源平合戦のクライマックス、『壇ノ浦の戦い』。つまりこの辺りの浦を壇ノ浦といいます。
2回目は、幕末史の中の一事件、長州藩による外国船砲撃事件。そのため、 海側の広場には、そのころを再現したと思われる大砲のレプリカがありました。
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さあ、実際にトンネルを通って向こう側へ行ってみましょう。トンネル入り口は、 海側ではなく、山側にあります。
入り口には、料金箱がいくつか置かれています。歩行者は無料ですが、 自転車を曳行するばあいは通行料20円が必要みたいです。驚いたことに、原付も一部OK (もちろんエンジン切った上で曳行ですが)らしいです。
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さて、ここから関門トンネル人道へ降りていくわけですが、その方法は、スロープ? 階段?いえいえ、なんとエレベーターなのです。地上階は、海をイメージした ペイントが施されています。
中に乗り込んでも、普通のエレベーターの函です。向こう岸までの所要時間が 記載されている点が、唯一特異なくらいです。
そして地下階へ到着。地上階と違って、金属やコンクリートの壁そのままです。
エレベーターを降りたらすぐ人道、というわけではなく、エレベーターホールというか、 待合室というか、そういった空間が設けられています。長州の志士のイラストが、 ちょっと微妙ではありますが。
エレベーター待ちをする人が大勢あふれかえっても、地下通路に列を為すことの 無いように、こうした結構広めのスペースをとったのでしょう。
で、いよいよその、向こう岸へと渡る通路なのですが、明るさも広さも意外と 十分で、壁の一部と床は灰色ではないので、閉所感は無いです。ですが長さは…
終点が見えないくらい長いです。地上にいたときは、 対岸がすぐに思えたんだけど、おかしいなぁ。
気を取り直して、人道を進み始めます。といっても、ひたすら歩くだけ。 この日は休日だったのですが、すれ違う人もまばら。さすがに、山口県と福岡県を 行き来するなら、自家用車か列車でしょうからね。本当に歩くだけ。たまに、 名産ふぐ型の緊急インターホン案内をみかけるのですが、その数を数えるくらいです。
そしてたどり着いたのが、中間地点(?)の、山口・福岡県境。「地上に国境線は無い」 なんてことを言いますが、地続きではないこの両県の県境線は、しっかり引かれています。
では、福岡県への一歩を跨ぎます。