ブレーキキャリパのオーバーホール


 特に目立った問題はなかったけど、9年目になるカタナのフロントブレーキのオーバーホールに手を出した。部品自体は他の整備で急に部品を注文したときにあわせて頼んでおいた。シール類はセット(59100-35820)で部品が出ている。

 ジェベルの時の経験を基に、まずブレーキホースを取り外して一通りフルードを抜いた後ぼろ布を詰めた袋をホースの先に被せてテープで固定する。マスターからホースまではそのままにしておくので、抜けきらないフルードが零れたりしないようにするためだ。その後キャリパを取り外す。今回の失敗の経験から以下の2点は忘れずに前もってやっておこう。

 ここからはキャリパだけで作業が出来るので、自分のように整備する場所を持たない人間にとっては車体から外して出来る整備は多少難しくてもやる気になる。話を戻して、ピストンを外すためにまずキャリパを割らなければならない。一応万力はあるのでそれに固定して(と言っても万力自体がどこかに固定されているわけではないのでそれ程トルクをかけられない)ハウジングボルトを緩める。片側のキャリパは固かったが全部外れた。もう一方で同じようにやったらネジをなめてしまった。固いと感じた時に一回止めて、叩くなり潤滑油を吹くなりすれば良かったんだが、なまじ片方が問題なく出来てしまったのでつい無理をしてしまった。

 キャリパをバイク屋に持ち込んで、ネジを外してもらう。バイク屋でもその場ではどうにもならず、5-56をたっぷり吹いて一晩置いたが外れず、結局ネジの頭を飛ばして外したそうだ。ハウジングボルトを注文して、とりあえずキャリパの整備を続ける。

 前と同じやり方で外そうと思ったが、ジェベルは2ポットでも片側だけでカタナは対向ポットなので両側にフルードを通す穴が2箇所あるため空気入れでは十分な圧力をかけられず(それでも小さい方のピストンは外したが)ピストンが外せなかった。ストレートでピストン外し工具を買って外す。専用工具って素晴らしい。この工具は写真のようにキャリパを内側から挟んで外すもので、2000円程度で買えます。

キャリパ外し
キャリパ外し工具

 ピストンを外したらキャリパに付いたままのシールを竹串で引っ掛けて外す。キャリパはアルミでできているので千枚通しとかアルミより固い鉄の工具を使ってしまうとキャリパに傷をつけてしまうので竹串を使ってる。シリコングリスを馴染ませた新しいシールに交換してキャリパを元通りに組む。ハウジングボルトにトルク(25N)をかけるのは結構大変なので仮組みしてバイクに取り付けてから締めた方が吉。

フルードを入れる
これを口で吸う

 取り付けが終わり、フルードを入れる。専用の工具は無いのでエア抜きの要領でフルードを入れるが、バラした後はリザーブタンクからフルードが入って行かないのでブリーダを少し緩めてホースを咥えて吸い込む。これで負圧がかかるのでフルードがホースに入って行く。フルードは飲んだりしなければ大丈夫だが無茶苦茶苦いので注意。

 後はしつこいくらいにエア抜きを繰り返してレバーをあおっても気泡が出なくなり、レバーを握り込んだときにしっかり抵抗があればまず大きな気泡はなくなっているので作業をいったん終了する。後は実際に乗ってブレーキを十分に確認して問題が無ければ作業完了。もちろん効きが悪ければエアを噛んでいたりシールがきちんと取り付けられていない(あるいはズレてしまった)可能性があるので再整備が必要だ。



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2009年03月08日作成
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