1泊2日の夏休み


2000年8月5,6日

8月5日

 夏になるとやたらと強い日差しと入道雲の下を旅したくなる。そこで福島の南西部を廻ることにした。
 福島は何遍も行っているけど、この辺は中途半端な距離で、目立った観光地もないのでのんびりと楽しめそうだった。

 今回はキャンプをする事にしたので一泊だけど少し荷物が多い。しかし銀マットを積んでいるといかにもツーリングという感じでなかなか気分がいい。
 マフラーを交換してからキャブの調整をしていないので、3500回転以下はいまいちだけど、そこから上は気持ちよく吹け上がってくれるのでついつい東北道をいい調子で走ってしまう。
 事故渋滞ができているらしいので宇都宮で降りR293を東へ向かい、県道63号へ。一部街中を通るけどほとんど畑の中を通る快適な道。山手になると一車線になるけれど、深い緑の中を走っていける。豊月平牧場の辺りでは何か工事をしていたため、ここからR121まで路面に砂が浮いていた。そのせいもあるだろうけど、日光に引き続きどうも上手く乗れない。乗れてないんじゃなくて乗れない。
 R121に入り北を向くと雲の下に入っていた。

 雨にぬれた対向車がちらほら出てきたのでカッパを着る。どうせ一泊のキャンプだから雨が強かったら帰る予定だったので、ブーツやグローブカバーは持って来なかった。
 ここからのR121は信号がほとんどなく、木が緑のトンネルを作っていて流れのいい道。「道の駅たじま」に着いたときは小降りになっていたけど、依然雨雲が空を蔽っている。もう濡れてしまったし、ここで帰るのももったいないので予定通りR352から会津高原方向へ行く。
 晴れていたらかなりいい景色だろう道を、車が少ないのを幸いにアクセルを開けてカウルにふせて走る。メッツラーはグリップの限界は高くないかもしれないけど、その固めの感触のせいかすべりはじめが分かりやすいので雨でも無理をしなければペースを上げても不安はそれ程感じない。

雨が許せるとき

 R352は新潟へ抜けるんだけど、残念ながら峠を越えて新潟側は2輪車通行止めなので、R401を北上する。この分岐ポイントは川がきれいで、結構降っているのに水も濁っていなかった。
 北上していくうちに雨が止んできたけど、空は相変わらず雲が厚い。どうしようか迷ったけど、この先にある只見青少年旅行村キャンプ場にはバンガローがあるのでとりあえず行ってみる事にする。キャンプ場へ行く途中で、この雨は夕方には止むとガソリンスタンドのおっちゃんが言っていたので予定通り泊まることにする。

 只見青少年旅行村キャンプ場[1]はテントサイトは一面芝できれいに整備されていた。夕日は薄く差しているんだけど、雨脚は一向に弱くならず、仕方なく設置されているテントを借りる事にしたら雨が上がってきた。夕方に雨が止んでくれると夕日がすごくきれいに見えて、それだけで雨の鬱陶しさを許してしまう。おまけにこの日は虹まで見せてくれた。
 予定では近くの温泉に行くつもりだったけど、雨がぐずぐず降っていたのでコインシャワーで諦めた。一回カッパを脱ぐと動きたくなくなりますよね?


8月6日

 ツーリングの朝は早い。遅くまで騒いでいたとしても、わくわくして目が覚めてしまう。借りテントのおかげで撤収の必要もなく、雨で朝食を確保していなかったので5時過ぎには出発できた。自分のテントだったら夜露を払うのにもっと時間がかかったろうなぁ。昨日の雨の影響か山手の方は結構ガスっていたけれど、空はご機嫌に青かった。


隣の写真はここから撮りました 三途の川みたい
国道252号 霧の只見川

 R252で六十里越を目指す。平行して流れる只見川には蓋をするように霧がかかっていた。田子倉ダム付近からいきなりヘアピンの続く山道になる。所々視界が開けていてなかなかいい景色。Rのきついコーナーではステップが擦っていると思ってたんだけど、どうやらセンタースタンドが擦っているようだ。特に左側はストッパーがあるんで擦りやすいみたい。田子倉ダム沿いになると、霧がひどく一帯が路面改修工事のためゆっくりと走るしかなかった。
 トンネルを抜けて新潟県にでると、からりと晴れていた。ちょっと余韻に浸ってからもときた道を引き返す。霧がだいぶ晴れていたので、ここがいい景色とワインディングである事がわかった。この工事が終わる頃にはきっと面白いルートになると思う。

 R252を戻り沼沢火山のカルデラ湖である沼沢湖に向かう。沼沢湖の辺りで只見川はダムとして堰き止められている。けれどダム湖にはなっていないので、川でもなく湖沼でもない独特の風景が楽しめる。
 金山村役場の手前でR400へ。ここから分岐している県道237号が沼沢湖へ続いている。県道に入るといきなり急勾配かつ急コーナーで一気に外輪山を登っていく。こういう場面ではカタナの太いトルクがありがたい。火口に入ると普通の町並みが続き、見落としそうな小さな看板が沼沢湖を指していた。
 沼沢湖はキャンプ場があるところが砂浜になっていて、湖水浴(?)場や店などがある。カルデラ湖だから湖水は雨水だけできれいだし、周囲を外輪山で囲まれた景観もなかなか良い。残念ながら車両は周遊道には入れない。湖を北に抜ける道をとり、再びR252に戻った。

 お酒を買うために会津若松駅に向かう。この辺からは何遍も来ているので大体道がわかる。途中、コンビニで朝食を摂る。山の中とは言え線路沿いのルートをとって来たにもかかわらずこれまで1件のコンビニやそれに類する店がなかった。恐るべし福島(福島の人ごめんなさい)。
 駅で「名倉山」[2]という日本酒を購入。前に来た時にお土産と言って友人と飲んだんだけど美味かったのでまた購入。今度は自分の為だったりする。

 目的も果たし、R401を南下する。途中、なぜかテレビ埼玉でよく宣伝されている伊佐須美神社に立ち寄る。珍しく楼門に神像がある神社だった(寺だと山門と言って仁王像がある)。
 一息入れて博士峠へ向かう。わりとまっすぐな道で標高を稼いで行く。山の中になると道は狭くなるけど、それ程路面が荒れてなく車もほとんどいないんでペースを上げる。この辺でようやく乗れてないわけに気が付いた。最近なぜか攻めるようになっていたんだけど、その力みやあれこれ操作しようという意識が強くて上半身に力が入ったり、ハンドルを無理にこじったりしてたようだ。ブレーキングから内足に荷重、旋回が始まったらシートに荷重を移す。この基本操作を肩に力を入れず、ハンドルに荷重しなければセルフステアでスムーズに曲がれる。攻めても基本通りやらなきゃねぇ。

上にもう一段滝があります
不動滝

 峠を越えてR401を南下。この辺はそれ程標高が高いわけじゃなけど、集落も少なくて車もあまり通らないので「山の中」という雰囲気を一杯に感じられる。今度は舟鼻峠を越える、と言ってもトンネルで越えるんだけど、こちらは道幅があるのでペースを上げられる。
 田島から先は行きにきた道を今度は日差しを浴びて走る。福島県と栃木県の境の山王峠で、R121(R401、R352併走)沿いに流れる川は福島側は阿賀川で会津盆地に流れていって、栃木側は男鹿川で日光の方へ流れていく。栃木に入ってすぐに不動滝がある。この滝はなかなかのものだけど、残念ながら歩道もない道路からしかまともに見れない。


 R400を西那須方面へ向かう、お目当ては県道56号線。ツーリングマップルによると地元の走り屋がよく来るところらしいので、面白そうなワインディングを期待しつつ進む。塩原役場の前で県道56号に入ってちょっと走ると狭く路面の悪いきついコーナーの連続する道になった。これはガセネタかなぁ、などと思いながら走る。八方ヶ原を過ぎたあたりから急に道も広く路面もよくなり、あちこちにあるタイヤのスリップ痕がいかにも走り屋が来ていそうな雰囲気を出している。
 一部急なところもあるけど基本的には緩やかな下りと中速コーナーが多い。僕はどちらかと言えば下りのワインディングの方が好きだ。どっちもそんなに速くはないけど、アクセルワークが下手なのでそれをごまかせる下りの方が走りやすい(僕の中ではまだブレーキのコントロールの方がましだと思う)。ここを抜けるともう関東平野になってしまうのでかなり暑い。カタナのエンジンもしゃれにならないくらい熱くなる。大丈夫だとは思うけど、オイルの劣化が早くなるのは間違いないだろうなぁ。

 帰りの途中のPAで、陸走で北海道から帰ってきた人と入れ違いになった。むちゃくちゃ羨ましかった。今年は夏休みがないけど、きっと来年はカタナと行きたいなぁ。


走行距離:721km
総走行距離:5606km


酒ばかり買ってますけど、酒飲みではありません。好きなんですけどすごく弱いんです。



[1] 只見青少年旅行村キャンプ場:只見町大字只見字向山 Tel:(0241)82-2432
ちょっと高いけどきれいなキャンプ場。入場500円、テントサイト1000円、貸テント3000円。他売店・コインシャワー・洗濯機有り。


[2] 名倉山
福島県酒造協同組合のページにリンクしてるんで、情報はこちらからどうぞ。僕は純米吟醸しか呑んだことはありませんがんまいですよ。


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2000年08月17日作成
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