北へ 壱


2003年07月12日〜08月07日
三国峠パーキング
三国峠から漠然と

 7月12日

 予定では7月に出発するはずだったが、落ち着いたかにみえた体調がまたおかしくなり引き延ばしていた。立ち居振舞いに支障が出るほどではないのできっかけさえ作れば行ける、と考え陸走の予定を変更し前々日に仙台発のフェリーを予約。予約した時点でキャンセル料が全額になりその料金がキャンセルできない金額にする事で、強制的に出発させる事にした。

 前日まで比較的低い気温とは異なって晴天で30℃を超える。準備に手間取り、岩槻から高速に乗ることに。さすがに高速走行ではジャケットを脱げないので汗を流しながら走る。途中、対向車線にロードレーサー(自転車)の幻覚を見たのは暑さのせいだろうか。白石で高速を降り、コンビニで食料を仕入れてフェリーターミナルへ。

 体調がいまいちの上に久々の高速走行ですっかり疲れてしまい、フェリーに乗船し飯を喰って風呂に入ったらえらく睡くなったのでさっさと寝る。

 7月13日

 5時に起きてデッキに出ると、周囲は一面の雲。する事も無いので二度寝する。到着のアナウンスで目を覚まし慌てて準備をして下船。寒いが予想の範囲内。東の空が他に比べてやや暗いのに不安を感じつつR235を浦河方面へ。なんとなく記憶にある道。

 静内あたりで霧が出てきたためカッパを着る。路面は乾いているが、カッパやスクリーンにはびっしりと水滴が付く。浦河でR236を北上。ちなみにこのルート、僕の地図(前回来た時と同じ)では野塚トンネルは「開通予定」になってる。そのときは当然通らずにえりも岬を廻った。で、通ってみたところ雲の中で何も見えない。多分深い緑に囲まれた素敵な道じゃないですか。

 雲を抜け帯広方面へ。延々と直線を走り無料の大正カニの家に向かう。幸福駅は当然素通りして、うっかり愛国駅まで行ってしまって(こっちも素通り)ちょいと迷いつつも到着。立派なログハウス。炊事と飲酒は外でやらなければならないので、外で食事をし、同じように外に出てきた人達とささやかな宴会をする。
 このRHは夜間電力で一定量のお湯をためておいて、十数人分のシャワーが使えるようになるのだが、ずっと外で飲んでいたのでお湯は終わってしまいこの日は入浴なし。11時ごろのお開きの少し前くらいに地元では考えられないくらい明るい月が出る。明日は多少マシな天気になりそうだ。

 7月14日

 6:30に目を覚ますと、空1雲9くらいの天気。R236−R241を北上してナイタイ高原牧場を目指す。道道を曲がり、牧場方面を見るとまたしても雲(霧?)の中。どことなく秋吉台に似通った景観の牧場の中の道。時間が早く車もバイクもいないので調子に乗ってコースアウトしそうになる。

雲の中じゃん
ナイタイ高原への道

 牧場の駐車場は霧の中&非常に寒かったのでさっさと下り、R273で三国峠に向かう。非常に走りやすく気持ちのいい道をイケナイ速度ですっ飛ばして、三国峠パーキングからの展望を楽しむ。こちらの方が標高が高いのに霧が無い。反対側からきたライダーに聞くと旭川は晴天で暑かったが、峠を越えたら曇りで寒いとの事。

 大雪湖の方は過去に行っているのでここで引き返し、上士幌まで戻りR241で阿寒へ。途中まで晴れていたが標高が上がるにつれてだんだん暗くなり、阿寒町あたりからは霧雨の中。霧はともかく雨になるとカメラが出せないし、阿寒湖温泉のあたりはごちゃごちゃして面倒なので阿寒湖は素通りする。

 双岳台あたりから雨の代わりに風が強くなってくる。しかもこの風が霧というより雲を含んでいるため視界が悪く、進むにつれて重いカタナでも安定しなくなるほどの強さに・・・。おかげで数少ないワインディング(R241の双岳台から弟子屈への下りは道東では珍しくタイトなコーナーが多い)もビビリながら走るありさま。バンク角が簡単に変わるほどの風、これは怖い。

 弟子屈でも風は相変わらず強い。すれ違うバイクが直線なのにバンクしてるしいつもの調子でピースサインを出すだけでかなりスリルが味わえる、そんなものは望んでないのに。これでは丘の上にある多和平でキャンプ張るのはシンドイだろうと、温泉がそばにある南のシラルトロ湖キャンプ場に行ってみる。R391を釧路方面にしばらく走り温泉の「憩の家かや沼」の看板に従ってシラルトロ湖畔にでる。

 キャンプ場に管理人らしき人がいないので温泉の方で聞いてみると、湖の水嵩が増えて水没してるという。思わず「マジですか?」というと、いやーあの辺がキャンプ場なんですけどねーとか言いながら水面を指差す。マジかよ。
 多和平の受け付け終了時間が迫っていたので、ここで入浴(確か\350)してフルーツ牛乳を一気のみしてから多和平に戻る。風が強いせいで夕日に染まった雲の姿がめまぐるしく変わっていた。

 有料化した多和平キャンプ場(\350)に着き、強風に苦労しながらテントを張る。夕日でも撮ろうと展望台に登ると、風上にある摩周岳のあたりは分厚い雲が掛かっているのが見える。明日行く予定だが、この感じだと文字通り霧の摩周湖か下手すると雨だ。展望台でモロに受ける風とその寒さに耐えられずさっさと降りる。風を避けるためかほとんどのヒトがテント中に居るようだ。

雲がすっ飛んでいた
多和平の展望台から

 飯を炊き、来る途中の道の駅足寄湖で買ったレトルトのチーズカレー(\600)を食す。特に美味くは無かったが意外にチーズが多くて満足。テントの前室で調理していたが、火は踊りまくるし、作ったものがあっという間に冷めてしまうのには閉口した。

 寝袋に入ると風の音が凄くよく分かる。テントや木が煽られる音は経験した事があるが、突風が遠くから迫ってくる音というのを始めて聞いた。風の又三郎の冒頭に「どっどどどどうど どどうど どどう」というのがあるが、まさにそれだ。などと考えてるうちに眠りに就く。

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2003年09月02日作成      2003年09月18日加筆修正
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